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マーケティング

環境分析とは?マーケティングにおける重要性と主要なフレームワーク

最終更新日:2022.05.16

マーケティングプロセスの最初の段階で行われる環境分析は、マーケティング戦略を立てる上での競争環境を明らかにするものです。環境分析にはいくつかのフレームワークが用いられますが、それぞれ分析の対象や目的が異なり、使い分けが求められます。

この記事では、環境分析で使用するフレームワークを対象が外部環境か内部環境かによって分類し、それぞれで分析する内容についてご紹介します。

目次

    環境分析の基礎知識

    環境分析は大きく外部環境分析と内部環境分析に分けられます。まずは、環境分析の重要性も含めて基礎知識を解説します。

    環境分析とは?

    環境分析は、自社の立ち位置や現状、外部環境を明らかにすることを目的とするものです。競争環境において有効なマーケティング戦略を策定するためには、市場全体の中での自社の位置付けを把握し、保有する経営資源を最大限に活用することが求められます。そのため、自社を取り巻く外部環境の把握と、内部環境の理解が欠かせません。

    外部環境とは、政治的要因や経済的要因といったコントロール不可能な環境、自社の事業を展開する市場全体、競合他社などを指します。外部環境のうち、対象とする市場全体に影響を与え、企業がコントロール不可能なのがマクロ環境で、事業を展開する市場環境がミクロ環境です。一方、内部環境は自社がコントロール可能な環境のことで、経営資源や組織能力などがそれにあたります。

    環境分析は外部環境に対する自社の相対的な位置づけを明らかにする必要があることから、外部環境に優先順位を置いて行うのが一般的です。

    マーケティングにおける環境分析の重要性

    環境分析によって外部環境が及ぼす機会と脅威を明らかにし、その中での自社の強みと弱みを整理することで、リスクを予測し、備えられるようになります。また、競合他社に対して最も有利な戦略を取るという点でも、環境分析は欠かせません。

    環境分析の重要性については、アメリカの経済学者であるフィリップ・コトラーも著書で説いています。コトラーが提唱したマーケティングプロセスでは、環境分析は最初のステップ「Research(調査)」に含まれており、調査の内容を踏まえてSTP分析マーケティングミックスに進みます。STP分析とは、どの市場領域(セグメンテーション)をターゲットとし、競争上どのようなポジショニングを行うか戦略を決めるためのフレームワークです。セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニングを定め、取るべき戦略を決めるには、市場や競合の状態、自社の強み・弱み、市場を構成する要素と自社の関係性などを明らかにすることが前提となります。

    関連記事:
    マーケティングとは?実践するうえで押さえておきたい4つの基本
    STP分析の基礎知識|戦略立案に必要なフレームワークの使い方
    マーケティングミックスとは?代表例の4P・4Cと立案時の注意点

    環境分析の代表的フレームワーク

    外部環境の切り口で分析するフレームワークの代表例として、マクロ環境を対象とする「PEST(ペスト)分析」とミクロ環境を対象とする「ファイブフォース分析」があります。

    そして、内部環境にフォーカスするのが「VRIO(ブリオ)分析」、外部環境と内部環境、すなわち自社と外部環境の関係性を明らかにするのが「3C分析」と「SWOT(スウォット)分析」です。

    今回は環境分析を行う際に用いられるこの5つのフレームワークを取り上げます。

    外部環境分析

    ・PEST分析

    PEST分析はPoliticsEconomySocietyTechnologyについて網羅的に分析し、市場全体に与えうる将来的な影響を把握するためのフレームワークです。分析対象となる4つの項目はいずれも市場全体に影響を与える環境要因であることから、マクロ環境を分析する手法として位置付けられます。

    PEST分析は中長期的な視点を踏まえて分析を進めることが求められます。また、海外進出の検討の際には、リスク要因にも着目する必要があります。

    分析の対象とする項目は以下の4つです。

    項目概要
    政治的要因(Politics)法制、税制、政権 など政権の交代や法制度の変更によって、所属する業界、対象とする市場のルールが変わる可能性などを検討する項目です。
    経済的要因(Economy)経済情勢、景気動向、経済成長率、物価動向、為替水準、株価、金利、原油価格 など経済的要因は、自社の商品・サービスの価格構造やサプライチェーンなどに影響を与えうる項目です。
    社会的要因(Society)人口動態、消費者意識やライフスタイルの変化、世論、流行、教育、宗教 など社会的要因は、自社の商品・サービスの需要構造に影響を与えうる項目です。
    技術的要因(Technology)技術革新、新技術、特許 など技術革新は産業構造に大きな変化を与えるインパクトを持っています。知的財産権の保有状況も製品開発、サービス開発に影響を与える可能性がある項目です。

    PEST分析の詳細や進め方については、以下の記事で解説しています。

    関連記事:PEST分析の基本|4つの要因を整理し、自社や市場への影響を知るには?

    ・ファイブフォース分析

     

    ファイブフォース分析の目的は、自社と同業他社(競合他社)を市場のプレーヤーとして見たときに、競争の度合いから当該市場の収益性、魅力度を判断することです。ファイブフォース分析は、企業が市場において直接的に関わる外部からの影響を検討するもので、ミクロ環境を分析する手法に当たります。

    ファイブフォース分析は、以下の5つの項目を分析対象とします。

    1. 業界内の競争(競合)
    参入企業数、競合他社の規模、業界の成長性などをもとに、参入する市場の競合分析を行います。競争が激しいと収益性は低くなりやすく、魅力度の低い市場であると言えます。
    2. 新規参入者の脅威
    参入障壁が高い業界・市場であれば新規参入者が増える懸念は少ない一方で、参入障壁が低ければ競合企業が増え、結果的に業界の収益性の低い市場に変化する可能性が高まります。
    3. 売り手の交渉力
    売り手とは自社や競合他社に対して原材料や部材などを供給する企業を指します。交渉力は力関係であり、売り手側が強ければ自社の利益を圧迫する原因となります。
    4. 買い手の交渉力
    買い手は自社の顧客のことです。自社商品のブランド力が弱かったり、差別化の度合いが小さかったりすると、スイッチングコストが低くなり、買い手側の交渉力が強まります。
    5. 代替品・代替サービスの脅威
    自社の商品・サービスに対して、異なる市場・業界に、そのニーズを満たす代替品がある場合、それが市場に対する脅威として働くことになります。

    ファイブフォース分析については以下の記事で詳細に取り上げています。

    関連記事:ファイブフォース分析とは?業界の競争構造を把握する方法

    内部環境分析

    自社に焦点を当てる内部分析の手法として、VRIO分析をご紹介します。

    ・VRIO分析

    VRIO分析は自社の経営資源のあり方に焦点を当てた内部環境を分析するフレームワークです。以下の4つの内部リソースが競争優位につながるものかどうかを評価します。

    経済的価値
    (Value)
    資産的価値ではなく、収益を生み出すケイパビリティという意味合いでの経済的価値を指します
    希少性
    (Rarity)
    他社が持つことができない希少性のある経営資源を持つことは競争優位につながります。
    模倣困難性
    (Inimitability)
    他社が同質化戦略を取る場合に、コストや時間を要するものかどうかが模倣困難性です。模倣困難性が高ければ持続的な競争優位を築くことが可能となります。
    組織
    (Organization)
    保有する経営資源を活用することが可能な制度や管理システムを備えた組織体制があるかどうかを評価します。

    外部環境分析+内部環境分析

    ・3C分析

    3C分析は市場・顧客(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)の3つを対象とし、外部環境にあたるマーケットと競合他社、内部環境である自社について、それぞれの特性や互いの関係性を明らかにする分析手法です。3つの視点について、それぞれ以下のような点に着目して分析します。

    市場・顧客
    (Customer)
    市場:市場の規模や成長性、顧客:潜在顧客、顧客ニーズ、消費傾向、購買決定者、購買プロセス など
    競合
    (Competitor)
    寡占の度合い、競合他社の規模・パフォーマンス(売り上げ、市場シェア、ブランド力など)・経営資源・人員数・拠点数・生産能力・技術力 など
    自社
    (Company)
    売り上げ、市場シェア、収益性、技術力、ブランド力、組織体制、品質水準 など

    3C分析については、以下の記事でも解説しています。

    関連記事:3Cとは?マーケティング戦略立案時に行う3C分析の基本と注意点

    ・SWOT分析

    SWOT分析は外部環境、内部環境それぞれについて自社にとってのプラス要因、マイナス要因を洗い出すことで、自社の「強み」「弱み」と市場における「機会」「脅威」を明らかにする分析手法です。

    これまでに挙げたフレームワークで分析された要素をもとに、SWOT分析に当てはめていきます。

    プラス要素マイナス要素
    内部環境Strength
    自社の生かすべき強み
    Weakness
    克服・強化・改善すべき弱み
    外部環境Opportunity
    市場機会
    Threat
    回避すべき市場の中の脅威

    さらに、上のマトリクスで挙げられた「強み」「弱み」「機会」「脅威」を縦横軸にとり、そこから取るべき戦略を導き出すクロスSWOT分析という手法もあります。

    強み(Strength)弱み(Weakness)
    機会
    Opportunity
    積極化戦略
    自社の持つ強みと有利な環境を生かし、競争優位を築く
    改善戦略
    自社の弱みを克服・強化・改善することで機会を生かす
    脅威
    Threat
    差別化戦略
    マイナスに働く外部環境のなかで自社の強みを生かし差別化を図る
    防衛戦略
    競争環境下で不利な立場であることから、撤退も踏まえ防衛策を取る

    SWOT分析については以下の記事でも解説しています。

    関連記事:SWOT分析とは?自社の状況を整理し、戦略の立案につなげる方法

    環境分析の基本は市場や競合を把握し、自社についても理解すること

    環境分析はマーケティング戦略の前提となるものであり、このプロセスで自社の適切な立ち位置を把握し、市場の機会と脅威を見極めることが競争優位を築くための第一歩となります。うまく活用し、次の戦略立案のステップにつなげましょう。

    5つのフレームワークそれぞれをより詳しく解説した記事のリンクも設置していますので、そちらもあわせてご覧ください。

    Marketing Native編集部

    記事執筆者

    Marketing Native編集部

    Marketing Native(マーケティングネイティブ)は株式会社CINC(シンク)が運営しているメディアです。 CMOのインタビューやニュース、Tipsなど、マーケターに役立つ情報を発信しています。
    Twitter:@market_native
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