メルマガ(メールマガジン)は、配信を希望するユーザーに定期的に情報を発信するマーケティング施策です。簡単に始めることができ、商品・サービスの宣伝や、サイトへの誘導に効果的なため、SNSが発達した昨今も多くの企業がメルマガを利用しています。しかし、メルマガをただ配信するだけでは、求める成果は上げられません。
この記事では、メルマガの効果や成果を上げるためのコツをご紹介します。
目次
メルマガの効果と始めるメリット
Amazon・楽天のようなECサイトや、Webメディアを運営している企業など、さまざま企業がメルマガを利用しています。まずは、メルマガを始めるメリットと効果について見ていきましょう。
メルマガの利用に関するデータ
多様なマーケティング手法がある中で、メルマガを利用している企業は未だ多く存在します。総務省が発表している「平成28年 通信利用動向調査報告書(企業編)」によると、インターネットを利用した広告のうち、導入されているのはバナー広告(11.4%)が最も多く、次いでメルマガ(9.5%)となっています。
データ・画像出典:平成28年通信利用動向調査報告書(企業編) 総務省
メルマガの効果
マイボイスコム株式会社が2017年に実施した「メールマガジンの利用に関するアンケート調査(第8回)」では、受信したメールマガジンに関する行動について、以下のような結果が出ています。
ここ1年で受信したメールマガジンに関する行動 | 2015年 | 2017年 |
メールマガジンに書かれたURLをクリックしてWebサイトを見たことがある | 59.9% | 55.6% |
メールマガジンを読んだことがきっかけで、商品・サービスを購入・利用したことがある | 33.5% | 29.7% |
メールマガジンを読んだことがきっかけで、店舗やイベントなどに行ったことがある | 13.8% | 11.9% |
メールマガジンの内容を、家族や友人・知人と話題にした | 8.1% | 6.0% |
メールマガジンを読んで問い合わせをしたことがある | 4.3% | 3.0% |
メールマガジンの内容を、FacebookやTwitter、ブログなどに書き込んだ | 1.5% | 0.9% |
データ出典:メールマガジンの利用に関するアンケート調査(第8回)マイボイスコム株式会社
2015年の数値と比べると、全体的にやや減少傾向にはありますが、ほぼ横ばいの状態です。注目したいのは、メルマガをきっかけにWebサイトを訪れたことのある人が50%以上おり、商品やサービスを購入・利用したことがある人も30%近くいることです。メルマガにはサイトへ誘導したり、商品やサービスの販売を促進したりといった効果があることがわかります。
メルマガを始めるメリット
運用コストを抑えられる
メルマガが普及する前まで、顧客に対する情報発信はダイレクトメールを利用したり、広告を出稿したりするのが一般的でした。ダイレクトメールや広告を使って宣伝する場合、印刷代や広告出稿費がかかってきます。メールマガジンは大量に送信しても、ダイレクトメールや雑誌・テレビの広告に比べ、費用を抑えて運用することができます。
ハウスリストを有効活用できる
ハウスリストとは、営業活動やイベントなどを通じて得たメールアドレス(見込み客)のリストのことを指します。メルマガを活用することで、イベントの参加者などの見込み客にもアプローチをかけられます。
自由な形で顧客に情報を発信できる
メルマガは、自由度の高い形で顧客に情報を発信することができます。情報発信できるという点はSNSも同様ですが、メルマガはコンテンツの形式やボリュームにあまり制限がありません。
また、SNSでは発信した情報がタイムライン上を流れていってしまうのに対し、メルマガの場合はメールが受信フォルダにストックされます。そのため、送信してから時間が経過したとしても、顧客の興味を引くことができれば、開封してもらえます。
メルマガの効果を最大化するためのテクニック
メルマガはただ配信すれば良いわけではありません。販売促進やサイトの集客数増加につなげるためには、いくつかのポイントを押さえて運用することが大切です。
ユーザーのストレスにならない内容のメルマガを作成する
ユーザーに興味を持ってもらえるような件名を設定する
メルマガの件名は、コンテンツの概要を簡潔に示し、ユーザーが興味を持てるような要素を盛り込むことが大切です。「あと3日!」「50名様限定」など、数値を盛り込むのも、今すぐ開封してもらいたいときに効果的とされています。ユーザーの興味を引き付けることは大切ですが、過剰な表現は迷惑メールなどと勘違いされるおそれがあるため、避けましょう。
スマートフォンでの読みやすさも意識する
メルマガはスマートフォンで開封されることも考慮し、見やすい構成にすることが大切です。スマートフォンはパソコンに比べて画面が小さいこともあり、テキストばかりの内容では読みづらくなります。一文が長くなりすぎないようにしたり、適度に画像を使用したりするなどの工夫が必要です。また、パソコンでしか閲覧できないようなコンテンツになっていると、スマートフォンユーザーはいずれメルマガを開封しなくなるでしょう。
最適なタイミングで送信する
メルマガは、開封される可能性が最も高い曜日・時間帯に送信しましょう。
海外の調査レポートではありますが、メールマーケティングのソフトウェアなどを提供するGetResponseのデータを参考としてご紹介します。2018年に126カ国19業種のEメールを調査したレポートで、エリアごとのメール開封率、メールが開封されやすい曜日や時間帯などのデータが発表されています。これまでメールを送信するのに最適なのは火曜日と考えられていましたが、今回の調査で開封率が最も高かったのは金曜日でした。しかし、クリック率(CTR)が高かったのは火曜日で、コンバージョンのことを考慮すると、メールを送付するのには火曜日が依然として有力候補とされています。また、メールが開封されやすい時間帯は、就業後いったん作業が落ち着く午前11時と、ランチタイムから戻ってきた後の午後2時です。クリック率は午後6時に最も高くなっています。
上記のような調査結果を参考に、メルマガを送信する曜日や時間帯をテストし、開封率の良いタイミングを探すことが大切です。ユーザーのライフスタイルを想定した配信が行えると、開封率やクリック率の向上につながるでしょう。
※データ出典:Email Marketing Benchmarks GetResponse
ツールを活用する
メルマガの配信は、メルマガ配信ツールやマーケティングオートメーション(MA)ツールを利用すると、より効果的に行うことができます。効率よく送信作業を行えるほか、メルマガの開封率やクリック率などの効果測定が可能です。メルマガ配信ツールはメルマガの送信や効果測定に特化しているのに対し、MAツールはマーケティング施策全般の効率化を図るもので、機能の一つとしてメール配信機能を備えています。MAツールでは見込み客の獲得とその後のフォローが効果的に行えるほか、情報管理を一元化することで作業を自動化し、工数と費用を削減できます。
なお、MAツールとメルマガツールのおすすめは、それぞれ以下の記事でご紹介しています。
テキストメールとHTMLメールの違い
メルマガにはテキストメールとHTMLメールの2種類が存在します。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
テキストメールの特徴
テキストメールとは、文章のみで構成されたメールのことです。メルマガの場合、絵文字や記号などを併せて用いて、見やすく工夫されています。
メリット
テキストメールは専門的な知識が必要なく、誰でも作成することができます。テキストだけで構成されているため、受信者のデバイス環境に左右されず、メールの内容を表示可能です。また、HTMLに比べて自動セキュリティの対象になりにくい点もメリットとして挙げられます。
デメリット
基本的にテキストのみでメールを構成するため、ビジュアル的な訴求は難しくなります。テキストメールの場合、パラメータを付与すればURLのクリック率は計測できますが、メールの開封率を測定することはできません。
HTMLメールの特徴
HTMLメールとは、HTMLコードを用いて作成されたメールのことを指します。テキストのフォントや色、サイズを変えられるため、テキストメールに比べてビジュアル的な訴求が可能です。また、メール内に画像や動画も挿入できます。
メリット
HTMLメールの大きなメリットは、画像や動画を使って視覚的訴求ができる点です。テキストメールに比べてわかりやすく内容を伝えることができ、ユーザーの記憶にも残りやすくなります。また、メール開封時に画像がダウンロードされることにより、サーバー側で画像のダウンロード数を計測し、開封率を測定できます。リンクやパラメータを自然に埋め込むことができるのもメリットといえるでしょう。
デメリット
HTMLメールを作成する際は、テキストメールの場合と比べて専門的な知識を求められることがあります。また、画像や動画を盛り込むとメールの容量が大きくなるため、サーバーに負荷をかけやすくなります。受信者のデバイス環境によっては、内容が正しく表示されない点も注意したほうが良いでしょう。
ツールを使って効率的にメルマガ配信を行いましょう
メルマガは販促や宣伝のため、未だ多くの企業に利用されているマーケティング手法です。うまく活用するためには、ユーザーの興味を引けるように件名や内容を工夫し、最適なタイミングで配信することが求められます。効果測定を行いつつ、セグメントによって配信内容を変えたり、フォローアップをしたりすると、商品の販売促進や宣伝、サイトへの誘導といったメルマガの効果をより高めることができるでしょう。