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マーケティング

マーケティングオートメーションツール11選と比較のポイント

最終更新日:2022.05.20

マーケティングオートメーションツール(以降、MAツール)は、マーケティング施策の最適化と効率化を図るためのツールです。情報管理の一元化と大規模なデータ活用によってマーケティングを効率化し、見込み客の獲得と維持を行えるほか、大量の作業や複雑な処理を自動化し、工数と費用を削減することも可能です。MAツールはさまざまな製品が販売されており、多機能なツールほど高価な傾向にあるため、自社に必要な機能を明確化し、最適なツールを選択する必要があります。

この記事では、MAツールを比較する際に気をつけるポイントと、主なMAツールの特徴などについてご紹介します。

目次

ツール選定時に比較すべき点とは

ツールごとに機能や価格、サポート体制が大きく異なるMAツールは、導入する際、綿密に検討を重ねる必要があります。比較すべきポイントを見ていきましょう。

サポート体制の充実度

MAツールは多機能かつ、複雑なツールです。使用経験のある社員を抱えていない場合も多く、自力でうまく使いこなせるようになるには時間を要します。そのため、担当できる人員が少なかったり、使いこなせるかどうか不安だったりする場合は、サポート体制の充実度を重視してツールを選ぶと良いでしょう。

ツールの機能

ツールはそれぞれに強い分野と弱い分野が存在するため、比較する上では備えている機能も重要なポイントです。また、B to C向けのもの、B to B向けのもの、どちらにも対応可能なものがあります。

MAツールの機能は、豊富に備わっていれば良いわけではありません。多くの機能があっても、それを活用できるかどうかは、運用する側の担当者の人数や、知識量などに依存します。そもそも自社が目的としていることを実現できる機能かどうかも大切です。事前にMAツールを導入する目的と利用可能な経営資源を明確化し、利用したい機能を絞り込むことによって、自社に合ったツールを選択できるでしょう。

価格

MAツールの価格は一概に安ければ良いわけではなく、導入後に想定される全体の運用コストも考慮する必要があります。MAツールの運用にかかる人的資源を考慮すると、サポートや機能が充実していて値段の高いツールのほうが、全体的な費用が安くなることもあるからです。また、リード数などの利用状況に応じて、段階的に値段が上がる方式をとっているMAツールが多いことから、自社に最適なプランを選べば費用を抑えられる場合もあります。

B to BとB to Cのどちらでも利用可能なMAツール

B to BかB to Cかを問わず、使用できるツールを6つ紹介します。ツールごとに得意としている分野に大きな違いがあります。

Oracle Eloqua

セグメントやスコアリングなどに強みがあり、アカウント・ベースド・マーケティングに特化した機能も備えるMAツールです。例えばセグメントは、地域や業種といったユーザーに関する情報や、Webサイトへのアクセス状況・資料請求の有無などのデジタルボディランゲージ(行動)から、顧客を16段階に分けられます。セグメントまたはスコアリングの内容に基づき、顧客に最適な情報を提供することができます。また、マルチドメインの管理や外部システムとの連携も可能です。

画像出典:Oracle Eloqua

参考価格

BASIC:$2000/月
STANDARD:$4000/月
ENTERPRIS:要相談

参考:Oracle Eloqua Pricing & Packages Oracle Marketing Cloud

Kairos3

月額費用が低価格から利用できるだけでなく、リード管理やスコアリング、メール配信といった必要な機能がそろっており、コストパフォーマンスが高いツールです。オプションでSFAやシナリオ(シナリオを設計し、メール配信を自動化する)を導入したり、フォームのリンクに独自ドメインを利用したりすることもできます。

MAツールには、下位プランでも高価なものが多く、中小企業ではコストの面から導入するのが難しい場合があります。Kairos3であれば、利用状況に合わせて月額料金を抑えられるため、予算があまり多くない企業などにおすすめです。


画像出典:Kairos3

料金

初期費用:1万円

月額料金は5000円から12万円まで設定されており、保有リード数やPV数、月間メール送信数の利用状況に応じて値段が上がる従量課金制をとっています。

例)
P1:5000円/月(保有リード数~100まで、月間PV数~5000まで、月間メール送信数~1500まで)
P2:1万円/月(リード数~1000まで、月間PV数~1万5000まで、月間メール送信数~1万5000まで)
※以降、P8(12万円/月)まで設定があります。

HubSpot Marketing Hub

インバウンドマーケティングが得意なツールです。顧客管理以外に、ランディングページを作成したり、分析したりする機能も備わっています。いくつかの機能を試しに使える無料版も提供されています。

無料版の機能:リード アナリティクス ダッシュボード、フォーム、コンタクトアクティビティー、コンタクト管理、コンタクト&企業インサイト、Facebookリード獲得広告

有料版では、価格が上がるごとに利用可能な機能が増えていきます。


画像出典:HubSpot Marketing Hub

プラン名 価格 無料版に加えて利用可能な機能
Starter 6000円/月 電話およびメールでのカスタマーサポート、HubSpotのロゴ削除
Basic 2万4000円/月 Starterの機能+ブログ&コンテンツ作成ツール、SEO&コンテンツ戦略、モバイル最適化、SNS、Eメールマーケティング、CTA、ランディングページ、アナリティクスダッシュボード、標準SSL証明書、サブドメイン利用
Professional 9万6000円/月 Basicの機能+マーケティングオートメーション、目標ベースのナーチャリング、Salesforce統合、スマートコンテンツ、属性レポート、ユーザーロール、A/Bテス
Enterprise 28万8000円/月 Professionalの機能+カスタム収支レポート、カスタムイベントレポート、カスタムイベントトリガー、予測リードスコアリング、コンタクトレポート、企業レポート、イベントベースのセグメント化

b→dash

b→dashは連携できるデータの多さと分析機能を重視したツールです。網羅性の高い分析データに基づく、顧客のセグメントやスコアリングを強みとしています。結果画面が事業者ごとにカスタマイズされるため、わかりやすく施策結果を確認できます。また、専門コンサルタントによる手厚いサポートが受けられる点も特徴です。国内製品でもあることから、サポートの面については安心して利用できます。ほかのMAツールと比べて導入費用は高額ですが、料金を抑えたb→dash Liteも登場しています。


画像出典:b→dash

料金

b→dash:要問合せ
b→dash Lite:初期費用0円、5万円/月

IBM Watson Campaign Automation

IBMのAIであるWatsonを利用した、クロスチャネルキャンペーンや高性能な分析能力を強みとするツールです。カスタマージャーニーを設計してターゲット設定を行い、メールやSNSなど最適な方法で顧客にアプローチできます。複数チャネルを用いた複雑なキャンペーンも結果の統合的な分析や連携が可能です。


画像出典:IBM Watson Campaign Automation

料金

要問合せ

Marketo

日本語に対応しているだけでなくサポート体制も充実しており、世界各国で6000社以上の企業が導入している、実績あるツールです。リードナーチャリングやスコアリング、チャネル統合、マーケティングROI解析に強みがあります。別途費用がかかるものの、導入から活用までサポートしてくれるコンサルティングサービスがあるほか、セミナーも開催されています。情報交換を行えるMarketing Nationコミュニティがあるのも、利用企業が多いツールならではの特徴です。利用料金は、メールやTwitter、Facebookなどの連絡先が特定されているアカウントの数によって変動します。


画像出典:Marketo

料金

要問合せ

B to BまたはB to Cに特化したMAツール

ここでは、B to BまたはB to Cに特化したMAツールを5つご紹介します。

B to B

SATORI

問い合わせ前の匿名客にアプローチできる、アンノウンマーケティングが魅力のツールです。SATORIを活用すると、Webサイトを訪れたものの、個人情報の入力には至っていないユーザーに対し、閲覧履歴の蓄積データをもとにアプローチすることができます。例えば、サイト上で資料請求を促すポップアップを表示したり、リターゲティング広告を配信したりといったことです。

画像出典:SATORI

価格

初期費用:30万円~
月額:14万8,000円~

Salesforce Pardot

Salesforceユーザー向けのMAツールで、SFAの「Sales Cloud」とも連携可能です。2017年11月~2018年1月に日本語版の提供が開始されています。営業部門との連携がしやすく、見込み客の増加や育成を行えるほか、メールマーケティング機能を強みとしています。見込み客のデータに基づき適切なタイミングと内容のメールを送付し、開封率の改善を図ることができます。

画像出典:Salesforce Pardot

価格

「Standard」「Professional」「Ultimate」の3パターンがあり、いずれも問い合わせが必要です。

Adobe Marketing Cloud

コンテンツの管理を行えるAdobe Experience Managerや複数のチャネルにわたってキャンペーンを構築・連携できるAdobe Campaign、Adobe Analyticsなど、Adobeのツールを一元管理し、利用することが可能です。カスタマーケアを24時間365日提供しているほか、プロフェッショナルサービスやトレーニングサービスも用意しており、サポート体制が充実しています。

画像出典:Adobe Marketing Cloud

価格

要問合せ

SHANON MARKETING PLATFORM

マーケティング支援市場において7年間連続でNo.1のシェアを誇る(2017年時点)、MAツールです。リード管理やキャンペーンマネジメントといったMAツールに必要な基本機能を網羅しつつ、イベントなどを中心としたオフラインでのマーケティング施策にも強いのが特徴です。例えばセミナー管理機能では、申込フォームの作成や来場者受付、資料ダウンロードなどをまとめて行うことができ、運営作業の効率化が図れます。日本は海外に比べてセミナーや展示会によるリード獲得が多いため、日本企業にフォーカスしたツールとも言えるでしょう。

画像出典:SHANON MARKETING PLATFORM

価格

要問合せ

B to C

CCMP(Cross-Channel Marketing Platform)

LINEやSMS、メールなど、さまざまなチャネルでの配信をまとめて行うことができるワンプラットフォーム機能が特徴のMAツールです。自社で抱えているユーザーに対して、一斉配信やシナリオ配信などの形でアプローチできます。B to C向けの施策で行われる大規模キャンペーンの実施に有用なツールで、新規顧客の獲得よりも、既存顧客の維持に重きを置いた機能に特化しています。


画像出典:CCMP(Cross-Channel Marketing Platform)

料金

1年契約から利用でき、価格は要問合せ。

MAツールの選定は慎重に

MAツールは見込み客を獲得・育成し、アプローチするための機能が備わっています。製品ごとに自動化できる作業や取得可能なデータ、特化した機能などは異なるため、導入時は念入りな比較と検討が必要です。高価格帯のツールは高性能かつ多機能な傾向にありますが、すべての機能を活用できるとは限りません。豊富すぎる機能が、かえって社員の工数を増やすこともあり得ます。自社の課題を解決できる機能が備わっているかどうかを確認しましょう。

記事執筆者

Marketing Native編集部

Marketing Native(マーケティングネイティブ)は株式会社CINC(シンク)が運営しているメディアです。 CMOのインタビューやニュース、Tipsなど、マーケターに役立つ情報を発信しています。
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