[最終更新日]

2019/05/03

 

元マクドナルドCMO足立光が教える「CMOになるために大切なこと」

どこの世界にも実力で圧倒的な成果を出し続ける人がいます。マーケティングでは、足立光さんが間違いなくその一人でしょう。足立さんといえば、業績低迷で300億円の赤字に苦しんでいた日本マクドナルドにマーケティング本部長として外部から就任。「名前募集バーガー」「グランドビッグマック」「クラブハウスバーガー」「裏メニュー」「マックシェイク森永ミルクキャラメル」などの施策を次々と打ち出して、31カ月連続の売上増を達成し、同社をV字回復させた立役者の一人として知られています。

なぜ足立さんはこのような施策を考えつき、短期間で実行に移すことができたのでしょうか?足立さんがこれまでのキャリアの中でつかんだマーケティングの極意とは何でしょうか?
今回はMarketing Nativeならではの視点で、「ミスターV字回復」こと、足立さんに話を伺いました。

(取材・文:Marketing Native編集部・早川 巧、人物撮影:稲垣 純也)

    

目次

和訳がない「マーケティング」の本当の意味

――「Marketing Native」はマーケターを読者層とするマーケティングに特化したメディアです。

はい、聞いています。

――こんな初歩的なことを足立さんにお聞きするのはどうかという気もするのですが、そもそもマーケティングとは何でしょうか?足立さんご自身のキャリアの中でつかんだマーケティングの定義や面白さ、難しさを教えてください。

まず定義からいくと、世間一般で共通認識となっているようなマーケティングの定義は日本には存在しません。中学生くらいを対象にした「お仕事図鑑」には「営業職」はあっても、「マーケティング職」は出てきません。つまり、日本ではまだ認知されていない商売だと言えます。

「セールス」の和訳は「営業」ですが、「マーケティング」の和訳は何だと思いますか?ないですよね?私はマーケティングの和訳は「商売」だと思っています。だから「マーケティングとは何ですか?」と聞かれたら、「商売です」と答えています。基本的にはどのようにお客様に喜んでいただいて、ビジネスを継続させていくかという話ですから、商売そのものです。しかし、日本ではマーケティングを「販促」と捉えている人もいますし、「コミュニケーション」だと考えている人もいて、統一されていないのが現状です。

その上で、著書『「劇薬」の仕事術』にも書きましたが、私が考えるマーケティングの定義を3つ挙げると、1つめは人の心を動かして実際の行動を促すことです。その意味では、選挙で1票を入れてもらうのもマーケティングですし、宗教で高い壺を売るのもマーケティングです。

2つめはビジネスにつながるタスクをすべてやることです。プロジェクトを進めていると、誰の担当でもないけど、必要な仕事がたくさん出てきます。それらをひとつひとつ拾って、担当者を割り振るなり、自分でやるなりしながら進めていくことが大事です。つまり、仕事に結びつくことは全部行うのがマーケティングだということです。

3つめは仕組みづくりです。よく「ブランドが重要だ」と言う人がいますが、ブランドは長期的に利益を出し続けるための仕組みのひとつでしかありません。そういう意味では、ブランドという観点を含めて継続的にビジネスを行い、成功し続けるための仕組みをつくるのもマーケティングだと考えています。

――マーケティングの面白さはどこにありますか?

恋愛と同じで、まず相手がいて、相手の心を動かす仕事ですから、そこを面白いと思う人は面白いでしょう。B to BであろうとB to Cであろうと、町の魚屋さんだろうと本屋さんだろうと、何かで人の心に影響を与えて、結果的に商品を買ってもらったりサービスを利用してもらったりするわけですから、ほとんどすべてのビジネスにはマーケティング的な考え方が当てはまると思います。

――では、難しさは?

まさにそこが難しい(笑)。人の心を自由自在に操ることなんて基本的には無理です。マーケティングは恋愛と同じだと言いましたけど、私も恋愛は得意ではありませんから(笑)

マーケターは経営を目指すべき

――『「劇薬」の仕事術』の中には、マーケターというのは扇動者であり、プロデューサーであり、経営者であるという趣旨のことが書かれています。では、「マーケティング=経営」という考え方は、国内でどの程度浸透しているとお考えですか?また、企業の中で「マーケティング=経営」という考え方を共通認識として持ってもらうためには、どのような意識改革が必要でしょうか?

「マーケティング=経営」という考え方は、日本ではほとんど浸透していないと思います。それは、マーケティング出身者が社長になることが定着している企業が、花王さんなどほんの数社しかないからです。そもそもマーケティング部が存在しない会社のほうが多いんです。銀行にはないし、保険会社にもない。イオンさんのような小売事業の多くにも、マーケティング部はないと思います。おそらく上場企業の7~8割くらいには、マーケティングを専門とする部署はないでしょう。販促や広報をマーケティングと呼んでいることはあるかもしれませんが。

「マーケティング=経営」という考え方は、セオドア・レビット(※1)の『マーケティングの革新』という本が最初だと思いますが、そこからどこかのタイミングで曲がってしまって、「マーケティング=コミュニケーション」になりました。私はそれは全く違うと考えています。

――つまり、「マーケティング=経営」という意識改革がなかなか進まないのは、マーケティング部のある企業が日本に少なく、マーケティング出身の社長がほとんどいないのが理由ということでしょうか?

それに加えて、マーケター側の問題もあります。今のマーケターには問題が2つあると思っていて、1つはマーケティングの領域から出ようとしないことです。

――出ようとしない?

学生の頃から「私はマーケティング部に入りたい」「営業に行くのは嫌」などと言う人がいますが、どうかと思います。「マーケティング=経営」ですから、マーケティング部の人は経営を目指すべきです。それなのに、マーケティングから出ない、出たがらない、マーケティング以外の部署の仕事をやりたがらない。そうすると経営まで行かずに、マーケティングでキャリアが終わってしまうんですよ。それは良くないと思いますね。

もう1つは、デジタルとリアルの融合という話をよく聞くじゃないですか。ところが、この両者はお互いあまり行き来しないんですよ。デジタルの人はデジタル、広告の人は広告ばかりやっている。これも良くないですね。マーケティングは経営です。経営というのは俯瞰です。だからデジタルもリアルも両方必要なんです。どちらかに偏っていると俯瞰できません。企業は、マーケターに全体の業務を経験させて俯瞰できるように育てなくちゃいけないし、マーケターは俯瞰する力を身に付けられるようにさまざまな経験を積むことが大事です。そういう存在を目指さないと、デジタルでCPAをせっせと削っているだけの人になってしまったりするんですね。それは厳密に言うと、マーケティングではないと思います。

――そういう意味では、足立さんが新卒で入社されたP&Gのブランドマネージャー制が訓練の場として良かったのではないかという話を聞いたことがあります。

おっしゃるとおりです。P&G以外にもブランドマネージャー的な制度がある会社はありますが、ブランドマネージャー制の長所は、在庫から売り上げ、最終的にどのように利益を出すかという点まで、そのブランドの全部を見るところにあります。そういう意味では小型版社長というわけです。マーケターを育てていくという観点では、ブランドマネージャーのような経験を企業が早い段階で社員に積ませ、俯瞰する能力を身に付けさせることが大切だと思います。

論理からではなく、まず「アイデアありき」で考える

――圧倒的な実績を積み上げる中でつかんだマーケティングの極意のようなものはございますか?

極意というほどではないかもしれませんが、2つポイントがあります。1つは、論理だけではなく感情で周りに動いてもらうことです。マーケティングというのは、自分では作らないし、自分では売らないし、自分だけでは何もできません。周りの人に動いてもらって初めて成立する仕事です。いくら論理を積み上げても、人が動くのは9割が限界ですね。感情面でグッとくるものがないと、心の底から思い切って動いてもらうことは難しい。人に動いてもらうためには、感情的な側面をうまく活用する必要があります。

もう1つはマーケティングの中身のほうです。これはコンサルタント時代に気づいたのですが、論理から考えていくと、なかなか心に響く打ち手が出てきません。逆に、「こうすればうまくいくのではないか?」というアイデアをまずたくさん出すことが大切です。その中で「なぜこれはうまくいくと思ったのか?」というアイデアから、逆算して論理にしていきます。先にアイデアありきなんです。アイデアがない論理は机上の空論に近くて、それでは人は動きません。みなさん「クリティカルシンキング」といって、とかく論理的に考えようとします。確かに何かを実行するときに論理があるのは当たり前ですが、それだけではお客様の心を動かす施策はなかなか出てきません。論理からではなく、「これは!」というアイデアをまずたくさん考えることをおすすめします。

――しかし、先にロジックがないと個人のスキルになってしまわないですか?

ビジネスなので、ロジックがあるのは当たり前ですよね。しかも、きちんとした戦略は、人によってそれほど違わないものです。アイデアを出すのは個人のスキルというより、その人がどれだけ消費者視点を持っているかだと思います。

――「まずアイデアを出す」では、成功法則のようなパターンを見つけるのが難しくないですか?

マーケティングの施策をつくるときによく部下に言っていたことがあって、それは「自分が消費者だったらどう思うか?」ということに尽きるんです。結局、みなさんがビジネスをやる側に立ちすぎていて、お客様の視点に立っていないことが問題なんです。みんなお客様ですよ。我々も消費者です。コンビニに行ってお茶を買う。これも立派な消費者なわけです。大事なのは、一般消費者としてどう思うかなんです。「どうすればもう1回、マクドナルドに行くだろうか?」「自分だったら、こんなことがあったらもう1回行くな」ということを突き詰めて考えればいいのであって、そこまで難しい話ではありません。

――そうはいっても、なかなか良いアイデアが出てこないという人もいると思います。

アイデアを出すのは自分でなくでもいいんです。いろんな人の話を聞いたり、他業界や海外で話題を呼んだ事例、過去の成功例などからアイデアを持ってくればいいわけで、自分で出すことに固執する必要はありません。

マーケターがベンチマークすべき3つの企業

――マーケティングという点で、足立さんがベンチマークしている企業はありますか?

日清食品さん、LINEさん、サントリーさんの3社はうまいし、考え抜かれていると、いつも感心しています。例えば、日清食品さんが売っている商品は「どん兵衛」「チキンラーメン」「カップヌードル」と、ほとんど定番品です。他社のマーケターなら「新商品もないのに、どうやってマーケティングをするの?」って、すごく困ると思います。それを日清食品さんはもう何年もやっているんですよ。そういう意味では、貴重なマーケティングの事例と言えます。うまいなぁと思いますね。みんなもっと日清食品さんのマーケティング手法を参考にすべきです。なぜならマーケターって、すぐ「新商品を出してくれ」って言いますからね。そのほうが楽だから(笑)

LINEさんは、逆張り系のマーケティングが強いという印象があります。例えば、ベッキーさんのCM復帰第1弾はLINEでした。彼女が芸能活動の自粛に追い込まれたきっかけもLINE。それなのにわざわざベッキーさんを起用したわけです。LINEモバイルのCMの「のん」さんもそうです。芸能界で厳しい立場に追い込まれていたとされる「のん」さんをあえて起用するという逆張りの手法。こういうのは、ほかの大企業にはできないかもしれないですね。逆張り系のマーケティングって、あまりやる人はいないのですが、成功するとすごく効果的です。私も以前、「別に」という発言でメディアに叩かれていた沢尻エリカさんをある新製品のキャラクターに起用したことがあるのですが、なんと新製品発表会の当日にドタキャンされて、大きな話題になりました(笑)

サントリーさんは昔からマーケティングに定評のある企業として非常に有名です。ハイボールの売り出し方ひとつを見ても、話題づくりを丁寧に、一生懸命やっていることがわかります。よくできているなぁと思って、いつもチェックしています。

大事なのは、さまざまな経験をたくさん積むこと

――足立さんが苦戦した経験はないんですか?例えば、「これはうまくいかないだろう」「この商品は売れないだろう」と思ったときはどうするんですか?

うまくいかないことはたくさんあります。マクドナルドは成功したように思われていますが、私がマーケティング本部長に就任した最初の年は、7割くらいの施策が失敗しているんです。

――失敗した場合はどうするんですか?

なかったことにします(笑)

――そんな…(笑)

いや、半分本気で言っていて、マーケティングのポイントは素振りの数なんですよ。打席数と言ったほうが正しいかな?

野球でバッターとして成長するためには、いろいろなタイプのピッチャーと、たくさんの対戦経験を積んだほうがいいですよね。そのためにはできるだけ多く打席に立つことが大切です。そうした経験を積んでフェーズが上がると、打率が上がり、結果的に出番も増えていきます。マーケティングも同じで、いろいろなことをたくさんやってみないとわからないんですよ。特に今は何かあるとすぐにネットに流出しますから、テストマーケティングの実行がなかなか難しいんです。だから実際にやってみないとわからない。

とはいえ、大きな経営資源をよくわからない施策に投下するのは経営としてリスクがあるので、失敗しても痛くない程度の施策でいくつか実践してみて、うまくいったケースを拾ってきて大きくするというのが私のやり方です。いっぱい実行すると当然ですが、たくさん失敗もします。

――「なぜ失敗したんだ!」と責められたらどうするんですか?

謝ります。イチローだって3割しか打てないですから、全部成功するわけがない。全部失敗したらまずいですが、全体として成功させていればいいんです。

宴会の幹事をさせればわかるマーケターの資質

――次にコミュニケーションについてお聞きします。感情が大事なのは言うまでもないですが、足立さん流のコミュニケーションの極意はありますか?

新しい仕事や会社に赴任したときは、基本的に笑わせることと、自分の熱意を伝えることを心がけています。海外でも同様で、笑いの効用はユニバーサルです。海外は自動車通勤が多くて飲み会は難しいので、ランチや普段の会議の場が勝負です。そのときに楽しく、かつ本気だということを見せればいいわけです。

――接する相手によって最適解は変わると思うのですが、こういうタイプの人にはこうしたほうがいいというようなパターンはありますか?

自分がどういうタイプだからというより、コミュニケーションのスタイルを相手に応じて変えることが重要です。

これはよく言うんですけど、その人がいいマーケターになれるかどうかは、宴会の幹事をさせれば一発でわかります。参加する人のことをきちんと考えて、どういう人が来るから、どんなことをすれば楽しいか、2時間から3時間かかる宴会を最初から最後まで楽しんでもらうためにはどうすれば良いのか。そういうことを考えて実行できる人と、考えようとしないし、実行もできない人が世の中にはいます。相手のことを考えて、どうすれば楽しんでもらえるのかについて知恵を絞ることはマーケティングの基本です。1対1でも同じことです。相手の心を動かして好きになってもらう、楽しんでもらう、やる気になってもらう。それは小規模マーケティングなんですよ。良いマーケターになりたいなら、その練習として宴会の幹事は一生懸命やったほうがいいと思います。

その際、1つだけポイントを挙げると、「サプライズ」が効果的です。相手が想像もしていなかったこと、期待以上のことをしてあげると、人と打ち解けるのに大いに役立つでしょう。

CMOを目指す千載一遇のチャンスは今

――最後に足立さんから若いマーケターに向けて、どんな勉強をすべきか、どうすればCMOになれるのか、アドバイスをお願いします。

「若い」って何歳くらいですか?

――20代から30代半ばくらいですね。

なるほど…。

若い人に言いたいのは、もし本気でCMOを目指しているのであれば、働き方改革も大事なんでしょうけど、「まずは2~3年に1回は昇進するくらいの気合いで仕事をしたほうがいいですよ」ということです。

世界を見回すと、CMOって大体40代です。CEOでも40代かもしれない。そういう人たちの中に「ワーク・ライフ・バランスで、余裕を持って楽しく…」なんて仕事の仕方をしている人はいません。ジャック・ウェルチ(※2)は、「偉くなりたいなら、ほかのものは全部捨てろ」とはっきり言っています。

なぜかというと、経験の量なんです。先ほども申し上げたように、打席にいっぱい立って、たくさん素振りをすることが大事なんです。でもそれには時間がかかります。

仕事でも勉強でもそうですが、「効率」を追求したところで、5%から10%くらいの差しかつきません。しかし、時間の場合は、もちろん密度にもよりますが、50%多くかけたら50%多く身に付くものです。

ずっと会社にいて仕事をしろとは言いません。自宅で勉強するのでもいいし、いろんな人に会って学ぶのでもいい。大事なのは、自分の成長のためにたくさん時間を使っていろいろな経験をすることです。それが一番手っ取り早いのは、仕事上でさまざまな修羅場に飛び込んでいくことです。修羅場に飛び込むと、濃い経験を短時間でたくさんできます。「若いときの苦労は買ってでもしろ」ということわざが日本にありますが、それくらいのつもりで仕事をしたほうがいいのではないでしょうか。

――「修羅場を経験しろ」と言いますけど、今の時代、若いマーケターの中には、「しにくさ」のようなものを感じている人もいるのではないでしょうか?具体的には会社の中でなのか、外に飛び出すほうがいいのか、どのように修羅場を選べば良いのでしょうか?

会社の中にいるにせよ、外に飛び出すにせよ、みんなが嫌がることを進んで引き受けて実行していくと、自然と鍛えられ、経験値がたまるでしょう。その経験値は自分の武器になります。

CMOになるには専門家では駄目です。CMOは俯瞰の人だから。俯瞰するためには全体を何となくわかっていることが大切です。何となくでいいんですよ、判断さえできれば。全体を俯瞰できるようになるためには、マーケティングという名前のつく仕事にこだわることなく、いろいろなところに飛び込むことです。そうすることで経験値が上がっていきます。

――ひたすら経験値を積むことが大事であると。

もちろん、経験を積むだけでは駄目で、結果を出さなくては昇進しません。だから常に結果にこだわり、結果を出すという意識を持ち続けることが大切です。結果を出し続けないと、2~3年で昇進することなどできません。優れたマーケターや経営者で、負けず嫌いでない人はいません。目の前の仕事で誰にも負けない成果を出して、勝ち続けるように努力してください。

もし今、自分の希望とは違う部署や仕事に就いていたとしても、そこで頑張って2~3年で誰にも負けない成果を出せば、希望するところに行ける可能性が高いと思います。

最後にもうひとつ重要な点を挙げると、ピープル・スキルを身に付けることです。CMOは自分では何もしない仕事です。方向性は決めるかもしれませんが、実行するためには部下はもちろん、社内のさまざまな部署の方々の協力を取り付けることが不可欠です。その人たちに「あなたのためならやってやろう」と思ってもらえるようなピープル・スキルを身に付けてください。自分の周りに、そういう「人徳」のある方、「人たらし」と呼ばれるような方がいらっしゃるなら、その方々の真似から始めるのもいいでしょう。人は論理ではなく、感情で動きます。ピープル・スキルに関する自分なりの方法を身に付けるのが、CMOだけではなく、経営者として昇進していくためには不可欠だと思います。

今も、そして多分今後も、マーケティングの世界には圧倒的に人材が足りません。なぜなら、若くしてたくさんの経験や人徳を積み、全体を俯瞰できるようなキャリアを持っている人が少ないからです。だからCMOを目指すなら、今が千載一遇のチャンスではないでしょうか。

――本日はありがとうございました。


※1
セオドア・レビット:「マーケティング近視眼」などの論文で知られる米マーケティング界の巨匠の一人。ハーバード・ビジネス・スクール名誉教授、『ハーバード・ビジネス・レビュー』編集長などを務めた。

※2
ジャック・ウェルチ:ゼネラル・エレクトリック(GE)社の元最高経営責任者。「20世紀最高の経営者」と評される。経営手法に賛否はあるものの、日本の経営者の中には今も信奉者が多いとされる。

足立 光(あだち・ひかる)
1968年、米国テキサス州生まれ。一橋大学卒。P&Gジャパン、ブーズ・アレン・ハミルトン、ローランド・ベルガーなどを経て、ドイツのヘンケルグループに属するシュワルツコフヘンケルに転身、2005年に同社社長。2011年にはヘンケルのコスメティック事業に関する北東・東南アジア全体を統括。その後、アパレルメーカーのワールドで国際本部長/執行役員に就任。2015年から日本マクドナルドのマーケティング本部長/上席執行役員としてV字回復を牽引する。現在はポケモンGOで知られるナイアンティックでアジア・パシフィック プロダクトマーケティング シニアディレクターを務めながら、ローランド・ベルガーのエグゼクティブ アドバイザー、スマートニュースのマーケティング アドバイザーも兼任する(2019年1月時点)。オンラインサロン「無双塾」も主催。
著書は『マクドナルド、P&G、ヘンケルで学んだ 圧倒的な成果を生み出す「劇薬」の仕事術』(ダイヤモンド社)。

 

記事執筆者

早川巧

早川巧

株式会社CINC社員編集者。新聞記者→雑誌編集者→Marketing Editor & Writerとして四半世紀以上のキャリアあり。Twitter:@hayakawaMN

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