注目トピック
2021.09.02

新連載スタート!【大槻祐依のInstagram注目トピック】広告配信も可能になった短尺動画「リール」を企業が効果的に運用するには?

Instagramの運用代行支援などを行う株式会社FinT代表取締役の大槻祐依さんによる新連載が始まりました。機能の実装が目まぐるしく、ニュースの絶えないInstagramにおいて、運用担当者なら絶対に押さえておきたい注目トピックを毎月1つ取り上げます。

今月のトピックは「リール(Reels)」です。リールを活用して、成果を上げる方法とは?

(取材・文:Marketing Native編集長・佐藤綾美)

目次

リールを視聴するユーザーが今後ますます増える

今月からMarketing Nativeで連載を担当することになりました、株式会社FinT代表取締役の大槻祐依です。私が日々自社メディア「Sucle(シュクレ)」を運営したり、クライアント企業を支援したりする中で気づいた、Instagramに関する選りすぐりのトピックを毎月お伝えしていければと思います。

今回のInstagramの注目トピックはリールです。Instagramではリールに関するニュースが続いているほか(※1)、Instagram責任者のアダム・モッセーリ氏も7月1日に発表した今後の開発方針に関する動画でリールについて触れています。

直近で気になったニュースを取り上げると、2021年3月には既存のリールとコラボレーションできる新機能「リミックス」が登場し、6月にはリールでの広告配信も始まりました。「リミックス」とは、好みのリールで「このリール動画をリミックス」を選択すると、その動画と横並びで自分の動画を撮影できる機能です。TikTokの「デュエット」に類似する機能で、リールで何を投稿すれば良いかわからないユーザーの投稿へのハードルを下げるのに一役買っていると思います。

▲リミックスしたいリールの再生画面で「…(メニュー)」をタップし、「このリール動画をリミックス」を選択すると、上記のような2画面になります。左側に既存のリールが映し出されるので、参考にしながら右側で自分のリールを撮影することができます(出典:Sucle、図解作成:Marketing Native編集部)

7月にはリールに投稿できる動画の長さが最大30秒から60秒に伸びました。動画が長くなれば視聴するユーザーのInstagramでの滞在時間も伸びますので、そのことも見越しての導入でしょう。

そして、アダム・モッセーリ氏からは、ユーザーがフォローしていないアカウントの動画をフィードにフルスクリーンでおすすめ表示する機能の導入計画が発表されました。この機能については、すでにテストが開始されているとアメリカのニュースサイトで報じられています。

※1:リールに関連する直近のニュース

このように積極的に機能の開発が進められている点から、Instagramはリールを推していることがうかがえます。また、フィードにフルスクリーンでおすすめのリールが表示されるようになれば、今よりもさらにリールを視聴するユーザーが増加すると予想できます。

リールは新規フォロワーの獲得に有効

Instagramの運用では「プラットフォームが推している機能を積極的に活用すべき」とよく言われます。そのため、私は今こそリールを積極的に活用し、投稿したほうが良いと考えています。

Instagramには長尺の動画を投稿できるIGTVという機能もあるので、リールとどちらを優先すべきか迷う方がいるかもしれません。「フォロワーを増やしたい」「動画の再生回数を伸ばしたい」「リーチ数を増やしたい」と考えている場合は、IGTVよりもリールがおすすめです。

IGTVは商品やブランドを深く知ってもらう上で有効でしたが、発見タブ上に表示される面の数が少なく、フォロワーの獲得にはつながりづらい傾向にありました。一方リールは専用のタブが用意されており、ユーザーの興味や関心に沿っておすすめの動画が表示されるようになっています。そのため、フォロワー以外にも動画が視聴され、再生回数の増加や新規フォロワーの獲得につながる可能性があります。

企業アカウントはリールをどう活用すれば良いか?

リールは「フィードにシェア」を選択しなければ、プロフィールグリッドには表示されません。そのため、アカウントの世界観を気にしすぎず、投稿を試すことができます。撮影や編集には一定の工数がかかり、慣れるまでは大変なので、まずは週1回のペースで投稿してみるのが良いでしょう。

どのようなリールを投稿すると良いかは、商品やサービスに関する投稿が中心か、ブランドを横断した有益な情報に関する投稿が中心か、アカウントのタイプによって異なると思います。私は前者をホームページ型、後者をメディア型と呼んでいます。

ホームページ型のアカウントなら、商品の使用感や良さを伝える動画を投稿してみるのが良いでしょう。一方、メディア型のアカウントは「撮影する商品がない」と悩むかもしれませんが、メイクの方法や洗濯の仕方といったユーザーの役に立つ情報を動画として投稿するのがおすすめです。動画を撮影するのが難しい場合は、静止画とテキストをつなぎ合わせてムービーにし、BGMを付けて投稿する方法もあります。

また、60秒以内でできるエクササイズやダンス、○○チャレンジ、料理など、動画を見たユーザーが一緒にトライしたくなるようなリールを投稿し、リミックスで使ってもらうことを狙うのも良いと思います。

動画を制作する際は、再生回数が伸びているリールをもとに、勝ちパターンを探ると参考になります。競合アカウントがある場合は、そのアカウントでどのようなリールが伸びているかをチェックします。競合アカウントが特にない場合は、リールタブで表示された投稿のアカウントに飛び、表示された動画以外にどのようなリールの再生回数が伸びているのかを見てみましょう。再生回数が伸びているリールを研究すると、「最初に完成形を見せる」「サムネイルで動画の内容がわかる説明を見せる」など、投稿内容に応じて勝ちパターンが見えてくるので、それを自社の動画に応用できないか検討するのです。

勝ちパターンの見つけ方がわからない…という方は、上記の方法を参考に、まず調査してみてください。

▲氷コーヒーのアレンジを紹介する動画では、最初に完成形を見せています。出典:Sucle

▲情報を紹介する動画では、サムネイルに概要を記載しています。出典:Sucle

勝ちパターンを応用した例として、小田急百貨店町田店の事例をご紹介します。同店舗で人気の美容部員5名による、推しアイテムの紹介動画を投稿しています。コスメ系で伸びているリールの勝ちパターンを参考にし、制作した動画のポイントは以下の通りです。

  • サムネイルに紹介しているメイク、ブランドを記載
  • 使用しているアイテムの画像と説明をわかりやすく提示
  • ユーザーが飽きないよう、動画に動きが出るように構成し、メイクのポイントも記載

▲小田急百貨店町田店のリールより。出典:小田急百貨店 町田店

この動画を5本投稿したところ、小田急百貨店町田店のInstagramで同時期に展開したクーポンの利用数が、動画公開前と比較して1.4倍に増加しました。

6月に提供が開始されたばかりの広告については、現時点(2021年8月時点)でまだ参入している企業が少なく、効果が上がりやすいと感じています。多くのユーザーに見られるリールのほうが広告でも滞在時間が長く、効果も上がりやすいです。広告出稿を検討している方は、通常のリールで何件か投稿を試し、勝ちパターンを見つけたうえで広告に応用すると良いでしょう。

 

【Profile】
大槻 祐依(おおつき・ゆい)
株式会社FinT代表取締役。
1995年生まれ。早稲田大学在学中の2017年3月にFinTを学生起業。「世界をまるごとハッピーに」というビジョンのもと、Sucle(シュクレ)という若年層女性向けSNSメディア(総合70万フォロワー)やSNSマーケティング事業を展開。主要事業であるInstagram運用代行にて、大手企業を中心に累計100以上のアカウントを企画、撮影から投稿までサポートしている。日経ビジネスやマネー現代、DIAMOND SIGNAL(ダイヤモンド・シグナル)などの媒体に、SNSマーケティングの最新傾向やSNSのユーザーインサイトに関する記事を多数寄稿している。
株式会社FinT:https://fint.co.jp/

 

佐藤綾美

記事執筆者

佐藤綾美

株式会社CINC社員、Marketing Native 編集長。大学卒業後、出版社にて教養カルチャー誌などの雑誌編集者を経験し、2016年より株式会社CINCにジョイン。
Twitter:@sleepy_as
メルマガ
メルマガ
メルマガ
メルマガ