facebook twitter hatena pocket 会員登録 会員登録(無料)
インタビュー

マーケターこそ知ってほしい!「バズを生む男」箕輪厚介が語る「熱狂的なムーブメント」の起こし方

最終更新日:2023.05.30

Special Interview #02

株式会社幻冬舎 編集者

箕輪 厚介

編集者の箕輪厚介さんが令和の日本を代表するヒットメーカーの1人であることに異論を挟む人は少ないでしょう。『まだ東京で消耗してるの?』(イケダハヤト)、『多動力』(堀江貴文)、『メモの魔力』(前田裕二)など話題作、大ヒット作を連発。自身の著書『死ぬこと以外かすり傷』もベストセラーになっています。

出版不況と言われる中で、なぜ箕輪さんは次々と大ヒット作を世に送り出すことができるのでしょうか。今回は編集者の枠を超えて活躍する奇才・箕輪厚介さんにプロダクト作りのポイントから売れる仕組み作り、売るための努力の仕方など、幅広く話を聞きました。

(取材・文:Marketing Native編集部・早川 巧、人物撮影:稲垣 純也)

目次

オンラインサロンが最高のマーケティングである理由

――「バズを生む男」として知られる箕輪さんにヒットの秘訣をお聞きしたいと思います。その前に、今どれくらいビジネスを手掛けられているのか教えてください。

編集者のほかに、「箕輪編集室」というオンラインサロンを主催していまして、そこで35~40くらいのプロジェクトが動いています。あとは講演会やテレビへの出演のほか、コンサルタントを数社手掛けています。

――それはやはり箕輪さんが「バズを生む男」として広く認知されているから人が集まって来るし、仕事の依頼が来ると思うんですけど、ヒットをつかむ感覚って自分ではどのように考えていらっしゃいますか。

「これはヒットするよ」「世間の人が喜ぶわ」と思って作っているわけじゃなくて、個人的に内輪ウケしてる感覚なんです。自分でクスクス笑って「これめっちゃ面白いじゃん」って友達にLINEしてる感じ。最初に与沢翼さんの『ネオヒルズ・ジャパン』を作ったときも、「何この人、ウケる(笑)」って悪ふざけみたいなところからスタートしています。今は悪ふざけのスケールが大きくなって、世間的に「ヒットした」と言われてるんだと思います。

――自分が面白いと感じたことを商品にしているだけで、世間でこれがウケるだろうと思って作っていないということですか。カッコいいですね。

ヒットメーカーって、基本的にはみんなそうじゃないですか。秋元康さんだって、自分が面白いと思うことを追求した結果、大ヒットを連発してきたんだと思うんです。

ただ、昔は運に左右される要素が大きかったと思うんですけど、今はSNSやオンラインサロンなどを使ってコミュニティができやすいので、自分が面白いと思うことが結構な確率でウケやすくなりました。要はトライアル・アンド・エラーがSNS上でできるということです。例えば、僕が面白いと思った企画をTwitterでつぶやいたときに、すごい数のリツイートがあると、「みんな興味のあるジャンルなんだ」とわかるし、制作過程をオンラインサロンやSNSで公開すると、会員やフォロワーからどんどんコメントが来て、みんなを巻き込む形で良い作品が出来上がっていきます。昔から内輪ウケこそがヒットの法則だと思ってますが、今はオンラインサロンやSNSがあるから、システム的に火がつきやすい構造になっている気がします。つまり、『ネオヒルズ・ジャパン』のときに与沢さんの写真を雑誌の『GQ』っぽく撮影して友達にLINEしたら、友達から「(笑)」って返ってきたような壁打ちがオンラインサロンの中でできるというわけです。

オンラインサロンのメリットはまさにそこにあるわけで、それが現状、一番のマーケティングだし、最高の事前プロモーションだと思いますね。自分が興味を持っているものがシステマチックに売れる時代です。

──コミュニティにヒットを生み出すポイントがあるということですか。

ポイントはいっぱいあって1つには絞れませんが、コミュニティがあると差別化できる点は大きいですね。箕輪編集室はまだ小さいですが、西野亮廣さんのオンラインサロン(西野亮廣エンタメ研究所)は約2万人の会員がいます。2万人いるということは、もうヒットしている状態なんですよ。2万人と絵本を作っているわけですから、その時点でヒット。だからコミュニティの有無は本当に大きくて、それをホリエモン(堀江貴文氏)のサロン(堀江貴文イノベーション大学校)で気づいたんです。ホリエモンの本、全部当たるに決まってるじゃんみたいな。

日常に染み込ませることで、消費者の可処分精神を奪う

この記事は会員限定です。登録すると、続きをお読みいただけます。
残り7,469文字

・メタ視点で前提を疑い、仮説を立てて実験する
・周囲と戦わない。チャーミングさこそ本質
・ビジネスや金儲けが急激にオワコン化している
・振り切りまくれ!熱狂せよ!!

記事執筆者

早川巧

株式会社CINC社員編集者。新聞記者→雑誌編集者→Marketing Editor & Writer。物を書いて30年。
X:@hayakawaMN
執筆記事一覧
週2メルマガ

最新情報がメールで届く

登録

登録