[最終更新日]

2019/08/19

 

マーケターこそ知ってほしい!「バズを生む男」箕輪厚介が語る「熱狂的なムーブメント」の起こし方

編集者の箕輪厚介さんが令和の日本を代表するヒットメーカーの1人であることに異論を挟む人は少ないでしょう。『まだ東京で消耗してるの?』(イケダハヤト)、『多動力』(堀江貴文)、『メモの魔力』(前田裕二)など話題作、大ヒット作を連発。自身の著書『死ぬこと以外かすり傷』もベストセラーになっています。

出版不況と言われる中で、なぜ箕輪さんは次々と大ヒット作を世に送り出すことができるのでしょうか。今回は編集者の枠を超えて活躍する奇才・箕輪厚介さんにプロダクト作りのポイントから売れる仕組み作り、売るための努力の仕方など、幅広く話を聞きました。

(取材・文:Marketing Native編集部・早川 巧、人物撮影:稲垣 純也)

    

目次

オンラインサロンが最高のマーケティングである理由

――「バズを生む男」として知られる箕輪さんにヒットの秘訣をお聞きしたいと思います。その前に、今どれくらいビジネスを手掛けられているのか教えてください。

編集者のほかに、「箕輪編集室」というオンラインサロンを主催していまして、そこで35~40くらいのプロジェクトが動いています。あとは講演会やテレビへの出演のほか、コンサルタントを数社手掛けています。

――それはやはり箕輪さんが「バズを生む男」として広く認知されているから人が集まって来るし、仕事の依頼が来ると思うんですけど、ヒットをつかむ感覚って自分ではどのように考えていらっしゃいますか。

「これはヒットするよ」「世間の人が喜ぶわ」と思って作っているわけじゃなくて、個人的に内輪ウケしてる感覚なんです。自分でクスクス笑って「これめっちゃ面白いじゃん」って友達にLINEしてる感じ。最初に与沢翼さんの『ネオヒルズ・ジャパン』を作ったときも、「何この人、ウケる(笑)」って悪ふざけみたいなところからスタートしています。今は悪ふざけのスケールが大きくなって、世間的に「ヒットした」と言われてるんだと思います。

――自分が面白いと感じたことを商品にしているだけで、世間でこれがウケるだろうと思って作っていないということですか。カッコいいですね。

ヒットメーカーって、基本的にはみんなそうじゃないですか。秋元康さんだって、自分が面白いと思うことを追求した結果、大ヒットを連発してきたんだと思うんです。

ただ、昔は運に左右される要素が大きかったと思うんですけど、今はSNSやオンラインサロンなどを使ってコミュニティができやすいので、自分が面白いと思うことが結構な確率でウケやすくなりました。要はトライ・アンド・エラーがSNS上でできるということです。例えば、僕が面白いと思った企画をTwitterでつぶやいたときに、すごい数のリツイートがあると、「みんな興味のあるジャンルなんだ」とわかるし、制作過程をオンラインサロンやSNSで公開すると、会員やフォロワーからどんどんコメントが来て、みんなを巻き込む形で良い作品が出来上がっていきます。昔から内輪ウケこそがヒットの法則だと思ってますが、今はオンラインサロンやSNSがあるから、システム的に火がつきやすい構造になっている気がします。つまり、『ネオヒルズ・ジャパン』のときに与沢さんの写真を雑誌の『GQ』っぽく撮影して友達にLINEしたら、友達から「(笑)」って返ってきたような壁打ちがオンラインサロンの中でできるというわけです。

オンラインサロンのメリットはまさにそこにあるわけで、それが現状、一番のマーケティングだし、最高の事前プロモーションだと思いますね。自分が興味を持っているものがシステマチックに売れる時代です。

──コミュニティにヒットを生み出すポイントがあるということですか。

ポイントはいっぱいあって1つには絞れませんが、コミュニティがあると差別化できる点は大きいですね。箕輪編集室はまだ小さいですが、西野亮廣さんのオンラインサロン(西野亮廣エンタメ研究所)は約2万人の会員がいます。2万人いるということは、もうヒットしている状態なんですよ。2万人と絵本を作っているわけですから、その時点でヒット。だからコミュニティの有無は本当に大きくて、それをホリエモン(堀江貴文氏)のサロン(堀江貴文イノベーション大学校)で気づいたんです。ホリエモンの本、全部当たるに決まってるじゃんみたいな。

日常に染み込ませることで、消費者の可処分精神を奪う

――箕輪編集室には今、何人くらいいますか。

1000人くらいですね。西野サロンとはタイプが違っていて、西野さんのところは月額1000円ですけど、箕輪編集室は月額5940円で1人の稼働量が多く、アクティブなんです。

試行錯誤はありましたが、箕輪編集室を作って本当に良かったと思います。これがなかったら、今の仕事は全く違う感じになっていました。オンラインサロンではなく、フォロワーでも同じですが、直接応援してくれる人を抱えているかどうかって、めちゃめちゃデカいです。

――みんなオンラインサロンを作ったほうがいいんでしょうか。

いや、そこはつらいですよ。最近「コミュニティを作りたい」と言う人がよくいますが、正直「難しいぞ」って思ってます。1000人規模のコミュニティを作るのって、編集者だったら50万部くらいの大ヒット本を出すくらい大変なことだと思うんです。頑張っても3~5年はかかるでしょう。

――読者の人に、再現性のあるアドバイスはないでしょうか。

プロジェクトベースだったらありだと思います。そのプロジェクトが魅力的で、人がいつの間にか集まってきて、気づいたらコミュニティができていたという形なら可能でしょう。例えば、けんすう(古川健介)さんの「アル」というマンガサイトも、けんすうさんが毎日頑張っている様子をつぶやいたりすることで、マンガ好きな人たちが応援したくなって、緩やかにけんすうさんのサービスの周りにいるみたいになっています。そういうのは成立すると思いますね。

――最初はどのようにコミュニティ作りを始めるのが良いでしょうか。

まずはどこか大きなコミュニティの中で、影響力をつける方法は1つあると思います。西野サロンでもホリエサロンでも僕のサロンでもいいけど、その中で会員から良いと思われて信頼を勝ち取り、その人がやるなら応援しようというムードができてきたら、クラウドファンディングやオンラインサロンをやればいいと思います。僕も最初はホリエサロンからユーザーを取っていますし、箕輪編集室からオンラインサロンを作っている人も何人かいます。ゼロイチで始めるのはなかなか難しいので、まずはどこかで信頼を勝ち取って、そこから自分で活動し始めるのがいいんじゃないでしょうか。

コミュニティ作りって、超地道なことですよ。例えば、けんすうさんはTwitterで「#卵焼きを極める」というハッシュタグをつけて、「ここがうまくいった」「ここが失敗した」と書きながら毎日のように卵焼きの画像をアップしています。ああいうのって毎日やってると、最初はみんな卵焼きに興味なくても、徐々に気になってくるんですよ。気になってくると、緩やかにフォロワーが増えてきて、コミュニティのようなものが形作られていくんです。そのコミュニティの人って、多分けんすうさんが『けんすうの卵焼き』という本を書いたら買うと思うんですよ。よく言うんですけど、これからは可処分精神をいかに取るか、心を奪うかが大事で、心を奪うためには毎日触れさせることが一番です。日常的に接触して、心を奪い、時間をもらって、最後にお金を出してもらうのが順番だと思うので、まずは心を奪う。心を奪うためには、日常的に接触する。昔の本は、いきなり書店に並んで偶然出合った人にいかに買っていただくかの戦いだったんですけど、今はもうそれは厳しいから、毎日触れさせることが大切です。それは試し読みでもそうだし、制作過程の公開もそうだし、一緒に作ることでもいい。毎日触れさせて徐々に心を奪い、できるだけ時間を使ってもらえるようにして、最後に財布を開かせる。そんな感じですね。

――なるほど。きめ細かいですね。

日常に染み込ませる感覚ですから、きめ細かいですよ。いきなりゼロイチで「このプロダクトいいでしょ」って出されても、そんなに簡単に売れる時代じゃないですよ。普段の生活の動線上にある感じにしないと。

メタ視点で前提を疑い、仮説を立てて実験する

――箕輪さんの場合は、ただヒットさせるだけではなく、熱狂的なムーブメントにまで押し上げる力があります。コミュニティという仕組みとは別に、「売る努力」という点で実行していることを教えてください。

売る努力自体は、みんなすごくしていると思うんです。僕より「売らなきゃ」っていう危機感は強いんじゃないですか。

では何が違うかと言うと、その人たちって、上司から「箕輪は地方をこまめに回っているらしい。ノルマを設定するから、おまえたちみんな地方へ行け」と言われたら、必死に行くと思うんです。「ここはこういうふうにやりましょうね」と言われたことは誰よりもまじめにやる。日報はちゃんと書くとか、経費精算はいつまでにやるとか、締め切りには絶対間に合わせるとか、僕がやらないようなことは(笑)

でも、言われなきゃやらないんです。言われなかったら、ずっと同じ本の作り方をしている。これは出版業者に限らず、多くのビジネスパーソンに共通して言えることだと思います。

一方、「そもそも本って今、社会の中でどういう立ち位置だっけ?」とか「出版業界って今後どうなっていくんだろうか」というメタ視点から仮説を立てて実験することは、あまり見られないですね。だから「努力とは何か」と考えたときに、「このシャベルで土を掘れ」と言われて、「わかりました」と必死に土を掘るのか、「そもそもなぜ穴を掘るんだっけ?」と前提を確認した上で、「だったらこのシャベルじゃなくて、あっちのシャベルを使えば良くないですか?」「重機を使えば、もっと簡単じゃないですか?」と考える力のほうが今は大事で、僕はそっちを常にやっています。常に大喜利感覚。「こうすれば効率的だ」なんて言い合いながら、みんな同じような方法で一斉に穴掘り競争をしてるときに、異なる角度から提案できる人が少ないと思います。それを考えて実行するのが「売る努力」であり、僕はそこを必死にやっています。そういうことをやらないと世の中は変わらないし、業界もどんどん縮小していくんじゃないですか。

でも、そこで揶揄されるんですよね。「箕輪はずるい」とか「そもそも出版じゃない」とか(笑)。一心不乱にただ穴を掘っている人たちからすると、カチンとくるんでしょうね。

――確かにたまにアンチコメントを目にすることがあります(笑)

僕の売り方を「からくりがある」とか「○○○商法」って批判する人もいるんですけど、全然違っていて。僕、地方をどんだけ回ってると思ってるんだって。そんな楽な話じゃないですよ。毎週末、地方へ行って、講演会をして。僕の本(著書『死ぬこと以外かすり傷』)が出たときなんて、30~40カ所回りましたからね。

直接会うことに意味があるんです。そうやってドブ板営業を繰り返すことによって、講演会でお会いした人たちは、僕の本だけでなく、僕が編集した本が出るときも、「箕輪さんの本をもう1回買ってみようかな」と思ってくれるはず。それは僕にとって、本を売るためのマーケティングではなく、その先を見据えた行動です。

――その先とは?

僕は本をヒットさせること以上に、読者を仲間にしておきたいという思いが強いんです。『多動力』30万人、『メモの魔力』39万人の読者を持っておいて、僕が次に何かをするときに協力してくれる人を束ねておきたい。本はあくまでも人を集める機械や装置であり、人が頻繁に通る交差点のようなイメージです。『多動力』なら多動力的な生き方を好きな人たちが行き交う交差点を作ったと考えていて、その人たちと「これから一緒にいろんなことをしようぜ」というのが目的。だからゴールは本が売れることではないんです。講演会はライブみたいなもんですよ。本を読むのは一番ライトファンなので、その後で直接会うことが大事。直で会って、本の話をして、質疑応答をして、その人が本を読むことから行動に移すところまでコミットしたい。そこから箕輪編集室やホリエサロンに入ってもらってもいい。みんな仲間だから。そんな小国みたいなのをつくって、僕が何かを始めるときに「箕輪さんだったら協力しよう」と思ってもらえる状態をつくっておきたい。

――小国の王になって、何を目指すんですか。

王になりたいわけではなくて、価値観とか好きなもので束ねているコミュニティがあることが大きいんです。それがあると、いろんな思いつきが具現化しやすくなります。例えば「トゥクトゥク(三輪タクシー)が欲しい」と思ったときに、今ならすぐ150万円くらい集まるわけです。もう世界中、どこへでも行けます。例えば、僕がベトナムで講演会をしたいと言ったら、ベトナムで僕のことを好きな人が「飛行機代とホテル代は出します」って言ってくれると思うんです。コミュニティはお金とは異なる形の資産なんです。コミュニティがあれば、やりたいことを実現しやすいし、いろんな仕掛けができる。箕輪編集室はシェアリングエコノミーじゃないですけど、相互にフォローし合いながら、みんながやりたいことを実現できる場所になればいいなって。僕が王になって僕のためにみんなが動くんじゃなくて、誰かが何かをやりたいと思ったときに、すぐ仲間が集まって動ける場所にしたい。

周囲と戦わない。チャーミングさこそ本質

――アンチコメントの話が出ましたけど、社内はどうですか。思いっきり嫉妬されてそうですけど、20代の頃など社内で揶揄されたり足を引っ張られたりしたことはないですか。

多少はあった気もしますけど、僕は周りにすごく恵まれてきたので、あまり邪魔された記憶はないです。それどころか、結構協力してもらってきましたね。

――普通はありそうなのに、何でなかったんですかね。

意外とチャーミングだから(笑)

――それ大事ですよね(笑)

大事ですよ。戦っちゃう人いるじゃないですか。若いときは多少そういうことも必要だと思いますよ。戦うことによってキャラが明確になり、応援する人も出てきますから。ただ本当に近い人とは戦わないほうがいいですね。仕事で関わらなくても、隣の席の人とかもそう。多少戦うことがあっても、そういう近い人に「実はいい人だよね」と思われるのはとても大事です。そこが本質のような気がしますね。

僕もちょっと前までは、どっちかと言うとオラオラ感があったと思うんですけど、「会うと意外とチャーミング」みたいなことは、ずっと意識しています。

――今日も取材現場にオラオラ来るのかと思ったら、思いっきり腰が低くて、好感度が一気に上がりました(笑)

こういう取材でも以前は「ういーっす」みたいな感じだったんですけど、今は猫背で「うっす」くらいで(笑)。だからイベントに出ても「意外と箕輪さんって圧ないね」って言われます。

ビジネスや金儲けが急激にオワコン化している

――売る仕組み作りや売る努力についてお話しいただきましたが、次に良い商品やサービスを作るために心がけていることを教えてください。

プロダクトについては、自分の中の勝手な仮説を最低1個は入れることを意識しています。データとか世間の人が言っていることじゃなくて、自分の思い込みです。例えば、『多動力』のときは、僕個人として「本はページ数が多すぎる」「読むのに時間がかかりすぎる」と思っていたので、文字量をかなり減らして、サッと読めるようにしました。そうすると、「薄い」と言う人もいれば、「すぐに読めて良かった」「こういう本を求めていた」といろんな反応が後から来ますが、それは結果論。幸い、今は僕の仮説が当たっていますが、当たり外れはあまり関係ないと思っています。

――今はどんな仮説を持っていますか。

ビジネスや金儲けが急激にオワコンになっている感覚があります。2年前はど真ん中だったんですよ。いかにシステム化して、効率的かつ合理的に儲けるか。僕もそこに興味があったんですけど、そのトレンドが終わって、今はできるだけ無意味なこと、ビジネスじゃなくてエンタメやアート、レジャー、遊びなどをやりまくるほうにお金も人も集まってきています。そんな単純な話じゃないんだけど、僕の中で単純化すると、効率や合理性が流行りまくって、優秀な人がその方法を手に入れた途端、「ぶっちゃけ暇じゃね?」となっている。優秀じゃない人は効率や合理性をまだ手に入れていないから、相変わらず忙しいし、儲かっていないんですけど、優秀な人は意外とあまり稼働せずに、でもお金はそこそこ持っているという人が増えている気がします。そうなると、楽しい遊びを知っている人とか、そういう提案をしてくれるものとか、アートなどにどんどんお金を払い始めていて、僕の中では今そっちが来てるなって思っています。

そんな感じで、仮説といっても、僕いつもざっくりなんですよ。ざっくりなんだけど、めっちゃやるのが僕の一番いいところだと思う。仮説は超ざっくりなのに、とにかく体重を乗っけます。例えば、佐渡島(庸平・株式会社コルク代表取締役社長)さんは仮説の精度がすごく高いんですよ。あの人の言うこと、大体当たるんです。でも、佐渡島さんと会食して、佐渡島さんが「こういう時代になると思うんだよね」と言ったことを、僕はその晩からやりますからね。粗くてもいいんです。そこでの体重のかけ方は強いと思います。仕事も飲みの約束も全部ドタキャンして、舵を切りまくりますから。

振り切りまくれ!熱狂せよ!!

――最後に読者に対して、箕輪さんのように突き抜ける存在になるためのアドバイスをお願いします。「インフルエンサーになって、自分をブランド化する」というのは以前読んだことがありますが、それ以外に何かあれば。

僕の周りでも僕の本やNewsPicks Bookを読んでくれている人は多いんですけど、みんな突き抜けてなくて、仕事の愚痴とかをツイートしてるんですよ。何が違うかというと、レールからはみ出てないからバリューが付きようがないんですね。そういう人たちは、先輩も後輩も同僚もやっていることを死ぬほど命がけでやってるんです。それでは会社が敷いたレールの上を走っているだけで、リスクを取って勝負してないから、リターンが少なくて当然です。リスクはあっても、先輩も後輩も同僚もやっていないことをやらないと、バリューを生みだせない気がしますね。

――そこが難しいんですけど、確かにそこが差ですよね。

そこで行くか行かないかですよ。例えば、面識はないんですけど、コルクを辞めて「面白いエロをビジネスにする」としてクラウドファンディングで資金調達して会社を立ち上げた佐伯ポインティさんという人がいるんです。その人がコルクを辞めたとき「エロいことが好きだから独立します」とか意味わかんねーって思ったけど、ブルーオーシャンだから意外といけちゃうんですよね。今の仕事を隣の席の人と同じくらい頑張るよりも、1回それくらい枠を外れたほうがポジションは取れるし、レバレッジが効いていろんなことが仕掛けやすくなると思います。オンリーワンになって、突き抜けないと。

――理屈はわかるんですけど、実行するとなると、なかなか…。

儲かる、儲からないに関係なく、自分の内面からあふれ出てくるものを信じて前面に押し出し、振り切りまくって、ガッツリやるしかないでしょう。振り切らないとダメなんですよ。そして最初にやる。2番目では意味ないです。さらに、最初にやるだけじゃなくて、「マジで?」「嘘でしょ?」って言われることを熱狂的にやりまくるのが大事です。そしたらオンリーワンになれると思います。

――本日はありがとうございました。

Profile
箕輪 厚介(みのわ・こうすけ)
幻冬舎編集者、合同会社 波の上商店代表。
1985年、東京都生まれ。早稲田大学卒業後、2010年双葉社に入社。広告部在籍中にムック『ネオヒルズ・ジャパン』を創刊し、Amazon総合ランキング1位を獲得。2014年編集部に異動。『たった一人の熱狂』(見城徹)、『逆転の仕事論』(堀江貴文)を編集。2015年7月幻冬舎に転職。2017年NewsPicks Book立ち上げ、創刊1年で100万部を突破。『まだ東京で消耗してるの?』(イケダハヤト)、『空気を読んではいけない』(青木真也)、『多動力』(堀江貴文)、『お金2.0』(佐藤航陽)、『日本再興戦略』(落合陽一)、『メモの魔力』(前田裕二)などヒットを連発。自身の著書『死ぬこと以外かすり傷』(マガジンハウス)も13万部のベストセラー。オンラインサロン「箕輪編集室」主宰。

取材後記
「編集者は黒子」という旧来の概念を打ち破り、時代の寵児に躍り出た箕輪さん。イケイケオラオラのイメージがあったのですが、実際にお会いすると、自信と自己肯定感の強さは感じられるものの、全体的に腰が低く、周囲に気を使う方でした。取材中に見せた「熱狂は周囲の人を焼き殺します。これまで近くにいた人たちに迷惑をかけてきて申し訳ないし、贖罪の気持ちが強い」という殊勝な発言の背景には、箕輪さんの多方面にわたる活躍ぶりに、それまで相手にしていなかった著名人クラスの人たちまでが存在を無視できなくなり、アンチコメントを発し始めたことに対する戸惑いもあるようです。「出る杭は打たれる」ですね。

また、今の自分は時代のニーズをつかんでいると自覚しているものの、一方で「ホリエモンや与沢さんが1回落ちる前の状態に似ている」「感覚的なものは、いずれ錆びる」「レベルと規模が全然違うけど、とんねるずさんの暴れ方を面白がっていた時代の空気が、少しずつ変わっていったのと同じで、誰にもやって来る」と立ち位置を冷静に分析してみたり、「加藤浩次さんのように牙を残しつつ、大人っぽく変化していっているのを見ると、うまいとは思うけど、自分は変化してまで生き残ろうとは思わない」と話すなど、今後の方向性を模索している印象を受けました。

さらにヒット作連発のNewsPicks Bookについても「パンクなスタンスでビジネス書に対するカウンターとして出してきたけど、今ではこっちのほうが売れて主流になってきた。もうパンクじゃなくなってきた」と意外なコメント。今後については「生産ペースを落として、遊びまくろうかな」「でもわからない」とも語り、このままアクセルを踏み続けるべきか、一旦ブレーキを踏むか、本人も決めかねている様子でした。稀代の編集者が放つ次の一手に注目です。(早川)

[記事執筆者] 早川巧
株式会社CINC社員編集者。新聞記者→雑誌編集者→Marketing Editor & Writerとして四半世紀以上のキャリアあり。Twitter:@hayakawaMN

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