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マーケティング

ミレニアル世代とは?押さえておきたい価値観や特徴とZ世代との違い

最終更新日:2022.08.25

ミレニアル世代とは、1980年代から1990年代中頃に生まれた世代を指す言葉です。テレビや新聞などで「ミレニアル世代」という言葉は聞いたことがあっても、ミレニアル世代と呼ばれる人たちにどのような特徴があるのか、あるいは「X世代」「Y世代」「Z世代」とは何が違うのか知らない方も多いのではないでしょうか。

この記事では、ミレニアル世代の定義や価値観、Z世代との違いなど、若者向けのマーケティング施策を検討する際に押さえておきたいポイントを解説します。

目次

ミレニアル世代とは?

まずミレニアル世代の定義からお伝えします。加えて、あやふやな認識を防ぐため、「X世代」「Y世代」、そして最近よく聞く「Z世代」を対象年代別に分類しました。

ミレニアル世代の定義

ミレニアル世代とは、1980年代から1990年代中頃に誕生し、2000年代に成人や社会人になった人たちを指す世代呼称です。

「ミレニアル世代(Millennial Generation)」という呼称は米国発祥で、「ミレニアル(Millennial)」は日本語で「千年紀」を意味する言葉です。アメリカにおけるミレニアル世代の定義は「1981〜96年までに生まれた人口」として広く用いられていますが、世代の区切り方には諸説あり、2000年代初頭までに生まれた人たちをミレニアル世代に含めることもあります。また、「M世代」「ミレニアルズ」とも呼ばれます。

ミレニアル世代の年齢

ミレニアル世代の年齢は、2022年時点で26歳から42歳くらいです。2000年代初頭までに生まれた人たちもミレニアル世代に含める場合は、22歳から42歳くらいまでが該当します。

日本におけるミレニアル世代と近い世代

日本でいうと、1987年から1995年に生まれた「ゆとり世代」がミレニアル世代と近い世代にあたります。ゆとり世代とは、学習内容の削減や完全週5日制が導入された、いわゆる「ゆとり教育」を受けた世代を表す言葉です。ワークライフバランス(仕事と生活の調和)を意識し、プライベートを大切にする傾向が見られます。ただしその後、学力低下などの批判を受け、2011年度以降は思考力など考える力を重視する「脱ゆとり教育」が学校で始まりました。

ほかの世代呼称との区別

・X世代、Y世代、Z世代

「ミレニアル世代」以外の世代呼称としては「X世代」「Y世代」「Z世代」があり、各呼称の対象とされる年代順にX、Y、Zと連なっています。ミレニアル世代と同様にアメリカ発祥の世代呼称で、それぞれ「ジェネレーションX」「ジェネレーションY」「ジェネレーションZ」と呼ばれることもあります。

【各世代呼称の対象年代】

  • X世代:1960年代から1980年頃に誕生した世代
  • Y世代:1980年代から1990年代中頃に誕生した世代
  • Z世代:1990年代中頃から2010年頃に誕生した世代

ミレニアル世代はY世代の対象年代と重なっており、両者はほぼ同義といえます。ただし、ミレニアル世代と同様に世代の区切り方には諸説あり、Y世代を「1970年代後半から1980年代中頃に誕生した世代」と定義していることもあります。

・氷河期世代

氷河期世代とは、バブル崩壊後の1993年から2005年頃に就職活動を行った世代をいいます。バブルの崩壊により一転して企業の採用枠が絞られ、雇用環境が厳しく、就職活動が難航した時期に新卒者となった世代です。

氷河期世代に該当するのは1970年から1980年代初頭生まれで、年齢でいうと30代後半から50代前半の人です。1980年代から1990年代中頃に生まれたミレニアル世代とはほぼ重なっておらず、対象年代としては1960年代から1980年頃に生まれたX世代が最も近いといえます。

ミレニアル世代の主な特徴

日本では「ゆとり世代」にあたり、2000年代に成人・社会人となるミレニアル世代。ここでは、ミレニアル世代の特徴や価値観を具体例を挙げてご紹介します。

情報収集や消費構造

・デジタルネイティブである

ミレニアル世代は、インターネットが急速に発展した時代に成長しており、デジタル機器ソーシャルメディアが身近な存在となり始めた世代です。ITリテラシー(インターネット上の情報を利用し使いこなす能力)も高く、わからないことがあればすぐにインターネットで検索し、情報収集する習慣が身についています。このことから、ミレニアル世代、またその後に続くZ世代は「デジタルネイティブ世代」とも呼ばれています。

ミレニアル世代がよく利用するSNSには以下が挙げられます。

  •  YouTube
  •  LINE
  •  Twitter
  •  Instagram
  •  Facebook

生活者起点のリサーチ&マーケティング支援を行うネオマーケティングが実施した調査結果によると、ミレニアル世代の男性が最も利用するSNSはYouTube、女性はLINEという結果になっています。同じミレニアル世代でも、SNSの使い方や利用頻度は男女で若干違いがあるようです。

出典:株式会社ネオマーケティング『全国の15歳~41歳の男女995人に聞いた「Z世代・ミレニアル世代のリアル」

・モノ消費よりもコト消費を好む

ミレニアル世代は、商品やサービスによって得られる体験に価値を感じやすい特徴があります。

生まれたときからモノが豊富にある環境で過ごしてきたミレニアル世代は、それ以前の世代と比較すると物欲や所有欲が低く、モノを持つことにはあまりこだわりません。モノを購入し自分で持ち続けるよりも、他の人と共有するシェアサービスを利用するなど、コストパフォーマンスを求める傾向もあります。シェアサービスの具体例としてはシェアハウス、ファッションレンタル、カーシェアリングなどがあり、モノを持つこと自体にそれほど大きな価値を感じていないミレニアル世代との親和性は高いといえます。

また、ミレニアル世代は自分が経験したことをSNSで発信し共感してもらうことで満足感を得る側面もあり、形にない体験から価値を見いだすのも得意です。

他者との関わり方

ミレニアル世代は協調を重んじる教育を受けた人が多く、仲間との連帯感を重視する特徴があります。子どもの頃からインターネットが普及しデジタルネイティブであるミレニアル世代は、日常的に多種多様な価値観に触れてきたため、多様性を尊重する考え方も身についています。

仕事においても同様に、ほかの社員との連帯感を大切にし、チーム意識を強く持つ人が多い世代です。個人としては自分自身の感性や価値観を重視する個人主義的な「ミー(Me)」世代ではあるものの、協調性や公平性といった価値観が定着しているため、仲間とのつながりや連帯意識が強く、高いコミュニケーション能力やチームワーク能力も持っています。

働き方

ミレニアル世代も、ワークライフバランスを重視する傾向にあります。そのため、現在では多くの企業が、従業員の多様な働き方を支援するため、ワークライフバランスを実践しやすい制度の実現に向けて取り組みを進めています。

ミレニアル世代にとって、テレワークや副業(複業)、フレックスタイム、時短勤務といった働き方は身近なものであり、多様な働き方を受け入れることにさほど抵抗はありません。仕事だけではなくプライベートも大切にし、「仕事」と「仕事以外の生活」の両方を充実させられるような、バランスのとれた働き方を望んでいます。

また、ミレニアル世代は組織に対する帰属意識がそれほど高くなく、転職に対して抵抗が少ないといわれています。仕事内容や職場環境が自分に合わない、今の会社ではキャリア形成が期待できないと感じた場合、自分に適した会社に転職することはやむを得ないと考える人が多いようです。ミレニアル世代は経済成長を経験したことがなく、将来に不安を感じている世代でもあるため、自身のスキルアップ・キャリアアップには意欲的な傾向が見られます。

社会課題への意識

ミレニアル世代は、ほかの世代よりも社会課題に対する意識の高い人が多い傾向にあります。幼い頃からリサイクルや地球温暖化などのワードを耳にしており、日本のみならず世界的な問題となっているさまざまな社会課題に目を向ける機会が多かったからだと考えられます。

経済産業省が公表している資料「通商白書2021」によると、ミレニアル世代・Z世代は就職先の企業を選ぶうえでも企業の社会貢献度の高さを判断材料の一つとして考えているようです。また、ミレニアル世代が懸念する具体的な社会課題としては、「気候変動・環境保護」に対する意識が最も高くなっています。

出典・参考:
経済産業省「通商白書2021」より「第2章 共通価値を取り込む新たな成長の要請
Deloitte「The Deloitte Global 2021 Millennial and Gen Z Survey

ミレニアル世代とZ世代の共通項と違い

ミレニアル世代はY世代とほぼ同義で用いられ、その次の世代は「Z世代」となります。ここでは、Z世代の特徴とともに、ミレニアル世代との共通項・違いをそれぞれご紹介します。

Z世代の主な特徴

Z世代とは、1990年代中頃から2010年頃に生まれた人たちを指す世代呼称です。年齢で言うと、12歳から26歳くらいになります(2022年時点)。

Z世代の主な特徴には以下が挙げられます。

  • スマホ第1世代である
  • ソーシャルネイティブで複数のSNSを使用している
  • 社会課題に敏感である
  • 消費に対して保守的である
  • 個性を重視する傾向がある
  • 多様性・ダイバーシティを認め、積極的に受け入れる傾向がある

Z世代は、生まれた頃からインターネットやデジタルデバイスが当たり前のように普及していた世代です。また、ソーシャルメディアにも幼い頃から触れているため、デジタルネイティブかつソーシャルネイティブであることがZ世代の大きな特徴です。個人としては、消費行動が保守的で早くから貯金を始める、個々の価値観や多様性を尊重するなどの傾向があります。

ミレニアル世代とZ世代の共通項と違い

ミレニアル世代とZ世代の特徴を比較すると、以下のような共通項と違いが見えてきました。

共通点 違い
  • デジタルネイティブ
  • 「モノ消費」より「コト消費」を重視する傾向にある
  • モノを持つことへの関心が少なく、シェアサービスやサブスクリプションサービスに抵抗がない
  • ミレニアル世代は「ガラケー第1世代」、Z世代は「スマホ第1世代」である
  • 消費意欲はミレニアル世代の方が低く、Z世代は自分自身が価値を感じる商品・サービスには支出を惜しまない傾向にある

・共通項

ミレニアル世代とZ世代の共通項としては、ともにデジタルネイティブであることが挙げられます。ミレニアル世代はデジタル技術がめざましく発展していく過程で育ち、インターネットやスマートフォン、ソーシャルメディアなどの登場を見てきた世代です。一方、Z世代は生まれた頃から身の回りにデジタルデバイスがあり、ソーシャルメディアにも触れてきています。両者を比べるとZ世代のほうがよりデジタルネイティブの傾向が強いといえますが、ミレニアル世代もデジタルに精通したデジタルネイティブであることは間違いありません。

また、ミレニアル世代・Z世代ともに、消費行動においては「モノ消費」よりも「コト消費」を重視する傾向があります。商品を購入し所有することよりも、商品・サービスによって得られる体験を価値として捉えています。そのため、モノを他人と共有して使うシェアサービスや、モノを一定期間だけ利用するサブスクリプションサービスにもさほど抵抗はありません。

・違い

ミレニアル世代とZ世代はともにデジタルネイティブですが、ミレニアル世代は「ガラケー第1世代」Z世代は「スマホ第1世代」という違いがあります。Z世代は初めからスマートフォンを手にする人も多く、LINEやTwitter、InstagramなどのSNSに幼少期や学生時代から触れている「ソーシャルネイティブ」です。複数のSNSを使いこなし、ミレニアル世代よりも広い世界で共通の趣味嗜好を持つ仲間とのつながりを持っています。

また、消費意欲に関しては、ミレニアル世代のほうがZ世代よりも低いといわれています。ミレニアル世代に近い日本のゆとり世代は物欲や所有欲が低く、「若者の〇〇離れ」と言われてきた世代です。ほかの世代と比較するとミレニアル世代・Z世代ともに消費に対して保守的ではあるものの、Z世代は自分自身が価値を感じる商品・サービスには支出を惜しまない傾向があります。

Z世代の特徴や消費傾向については以下の記事でも詳しく紹介しています。本記事とあわせてマーケティング施策の参考になさってください。

関連記事:Z世代の特徴|マーケティング施策検討時に押さえておきたいポイント

マーケティングの戦略立案に欠かせないターゲット世代の分析

マーケティング戦略を立てるうえでは、ターゲット層となる世代の特徴や傾向、価値観を理解する必要があります。マーケティング施策に対する反応は世代によって異なることが一般的で、「どの世代の、どの顧客層に訴求するか」を考えることが施策立案の初期段階で非常に重要になります。

ミレニアル世代は、デジタルに精通したデジタルネイティブであり、モノを持つことよりも顧客体験を重視する特徴があります。ミレニアル世代向けのアプローチ方法としては、SNSを駆使した情報発信や影響力のあるインフルエンサーの活用、物欲よりも体験欲を刺激する訴求を検討していくのが効果的です。ターゲット世代を細かく分析し、さらなるマーケティング効果の向上を目指しましょう。

記事執筆者

Marketing Native編集部

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