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2021.04.06

Instagramを販促に活用する4つのメリットとは?ホットリンク朝山高至『ゼロからわかるビジネスInstagram』(4月15日発売)Chapter1

株式会社ホットリンク マーケティング部リーダー兼ホットリンク総研研究員の朝山高至さんが、4月15日に書籍『ゼロからわかるビジネスInstagram 結果につながるSNS時代のマーケティング戦略』(SBクリエイティブ)を刊行します。Instagramの基本的な使い方から、フォロワーの増やし方、売り上げを伸ばす方法まで、運用担当者に必要な情報が詰まった一冊です。Marketing Nativeでは今回発売される書籍の中から、特別にChapter1「なぜInstagramでモノが売れるの?」を掲載させていただくことになりました。ぜひ、ご一読ください。

目次

01 Instagramってどんなもの?

Instagramの利用者は国内で3,300万人を突破し、年齢層や利用目的も変化してきました。最初はInstagramの基本を押さえつつ、最近の動向やビジネス方面での可能性を見ていきましょう。

Instagramユーザー=若い女性?

Instagramは写真や動画の撮影/編集/共有ができるSNSです。

Instagramというと「若い女性を中心に、綺麗で目立つ写真を投稿する」イメージが強いかもしれません。「インスタ映え」という言葉も流行しましたね。

Instagramが日本で普及しはじめた2016年頃は若年層の女性を中心に使われていましたが、2019年には男女比がおよそ4:6となり、30代以降のユーザーも増えて利用者層が多様化しています(参考:https://about.fb.com/ja/news/2019/06/japan_maaupdate-2/)。

Instagramの機能

Instagramは写真や動画のような直感的に伝わる投稿が中心のSNSです。写真や動画を投稿する「フィード」、24時間で消える「ストーリーズ」、短尺動画に楽曲を付けて投稿する「リール」等があります。

また、「#(ハッシュタグ)」の活用もInstagramの特徴です。「#カフェ」のように、キーワードの先頭に#を付けて投稿したり、他のユーザーの投稿を検索することができます。

Instagramの利用目的

Instagramが日本で使われるようになった2016年頃は、投稿された写真に「いいね」やコメントをしたり、ダイレクトメッセージをやり取りする等、友人・知人間でのコミュニケーションの場としての利用が中心でした。しかし、ユーザー層の多様化やInstagram機能の追加にともなって近年では情報収集やショッピング目的で使う人も増えてきました。

2019年に株式会社ジャストシステムが実施した調査によると、ファッション分野ではInstagramを情報源とする人が29.4%で、Googleの28.3%を抜いて最多となっています。また、近年はレジャーやグルメにおいてもInstagramの利用が伸びています(参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000384.000007597.html)。

情報収集目的においてはいわゆる「インスタ映え」する美しい写真だけでなく、テキストの多い読み物系のコンテンツや複数枚の画像や動画を使ったHow-To系コンテンツもよく投稿されています。

Instagramには投稿を保存する機能があり、この手の有益なコンテンツは後から見返す人も多いです。商品の選び方やレシピを参考にしたり、気に入ったヘアスタイルを保存して美容院で注文するなどの使い方ができます。

また、2018年に導入されたショッピング機能も要注目です。あらかじめEコマースサイトの商品をカタログに登録して申請することで、InstagramのアプリからEコマースサイトまでスムーズに移動できるようになりました(p.53)。他にも、UberEats等のデリバリーサービスと提携し、専用のスタンプを通してストーリーズから料理を注文できる機能が実装される等、ユーザーが気軽に買い物を楽しめるように進化しています。Instagram上で販売できる商品やEコマースサイトを持っている場合は、これらの機能を積極的に活用することをおすすめします。

Point!

  • Instagramのユーザー層や利用目的が多様化している
  • ハッシュタグを使った情報収集が盛んに行われている
  • ショッピング機能が進化している

02 なぜInstagramでモノが売れるの?

本節では、ユーザーの消費行動を6つのプロセスに分けて解説します。ユーザーが商品について知り、購入を決定するまでの流れを見ていきましょう。

Instagram上での情報の広がり方

商品を買ってもらうためには、商品の存在が知られていることが前提になります。Instagram上での情報の広がり方は、大きく分けて「1対n」「N対n」の2つです。

  • 1対n(自分が発信する)
  • N対n(不特定多数が発信する)

「1対n」は自分のアカウントの影響力、「N対n」は一般のInstagramユーザーを巻き込んだ発信力です。自社アカウントは1つしかありませんが、無数に存在する一般のInstagramユーザーを「商品や口コミを発信してくれるメディア」と捉えて「N対n」の拡散を強化できれば追い風となります。

口コミからはじまる購買のサイクル

一般ユーザーの口コミが購買の決め手になる

多くの人はオンラインで何かを買ったり、大きな買い物をする前に、同じものを買った知人の感想やEコマースサイトに掲載されているレビューを参考にします。みなさまも口コミによって購入を決めたり、見送ったりした経験があるのではないでしょうか。口コミによる購買への影響は大きく、マーケティング用語では口コミのことを「UGC(User Generated Content)」と呼びます。公式による発信も大事ですが、一般ユーザーの投稿するUGCは購買を直接左右する要素です。2019年に行われたStacklaの調査によると、特定の旅行先に興味を持つきっかけとして最も多いのは旅行代理店のサイトに掲載されているプロの写真やインフルエンサーの投稿ではなく、身近な人のSNS投稿です。公式や有名人の発信よりも、身近な人によるUGC投稿が購買を後押ししているのです。

購買のサイクル「UDSSAS」の6つのステップ

私がInstagramでの販促支援を行う際には、ユーザーの行動を「UDSSAS(ウドサス)」というフレームに落とし込んで分析しています。

1.UGC(アテンション)

一般ユーザーAさんが商品の写真や感想を「フィード」や「ストーリーズ」に投稿したり、ダイレクトメッセージで友達に感想を伝えたりする。

2.Discover(発見)

別のユーザーBさんがフィードやストーリーズ、発見タブ等から1のUGC投稿を「発見」し、商品やブランドを認識する。

3.Save(保存)

Bさんは後から見返すため、Aさんの投稿を保存する。

4.Search(検索)

商品やブランドについて調べ、さらなる口コミや詳細情報を探す。

5.Action(購入)

調べた情報を参考にEコマースサイトで商品を購入したり、実店舗に出かける等の行動を起こす。

6.Share(共有)

Bさんも購入した商品について投稿し、新たなUGCとなる。
Bさんの投稿を見た人が興味を持ち2以降の行動を取ることで、さらに購入やUGC投稿が増える。

UGCを起点とする購買プロセス「UDSSAS」

「UDSSAS」の起点となるUGCの量に比例して、投稿を見て商品を知る人、商品について調べる人、実際に購入する人も増えてきます。入る水の量が多いほど、じょうごから出る水の量も増えるようなイメージです。UDSSASが回りはじめると、UGCが勝手にアテンションし、UGCがUGCを呼ぶ好循環を生み出します。UDSSASのサイクルを回すためには、起点となる最初のアテンションを獲得することが鍵となります。そのためにはハッシュタグ検索や発見タブのおすすめ等で新規のユーザーに効率的にアテンションし、フォロワー基盤を作っていくこともポイントになります。

UGC投稿数と比例して指名検索数や売上が増加する

Point!

  • 「1対n」は自分から他者へ伝えること
  • 「N対n」は自分以外のユーザーがどれだけ話題にしてくれるか
  • UGCは購買への影響力が強い
  • UGCが増えると連動して売上も伸びる

03 Instagramを販促に利用する4つのメリット

インターネットやSNSの普及により、誰もが情報を発信できるようになりました。直感的にイメージを伝えやすく、コメントなどで気軽にコミュニケーションを取れるInstagramは、販促の強い味方となります。

テレビCM、新聞広告、Web広告、メールマガジン、折込チラシ等、商品を宣伝する手段はたくさんあります。その中でInstagramをおすすめする理由は4つあります。

Instagramの強み

1.低コストで実施できる

Instagramのアカウントは無料で作成・利用できるため、広告予算がなくてもはじめられます。また、投稿やユーザーとのコミュニケーションの頻度にもよりますが、大がかりなものでなければ販促にあまり人員を割かなくても運用できるのも魅力です。「大金を払って広告を出したのに効果が出ない」といったリスクもないため、試して損はありません。

2.長期的な資産になる

テレビCMやリスティング広告等の有料広告は即効性がありますが、広告を止めるとリーチも止まってしまうため、売上をキープするには広告費を投入し続ける必要があります。一方、Instagramでは短期的に目立った成果を出すのは難しいですが、運用を続けるほど投稿やUGC、フォロワーが積み重なり、アカウントやUGCが資産になります。例えばアカウントのフォロワーが5,000人になれば、5,000人に対して無料で商品情報を発信できる基盤となります。また、Instagram上に蓄積されたUGCも、購入を迷っている人にとって参考になる口コミのデータベースとして役立ちます。一般的に、目に見える効果が出るまでには短く見積もっても半年~1年ほどはかかります。短期的な成果が出なくても焦らず、コツコツと発信を続けていきましょう。

3.情報が適切な相手に届きやすい

Instagramではフィードやストーリーズのほか、ハッシュタグ検索や発見タブを経由して他のユーザーの投稿を見ることができます。基本的に、フィードやストーリーズにはフォローしている相手の投稿が表示されますが、ハッシュタグ検索や発見タブには、Instagramのアルゴリズムによって選定された投稿が並びます。ハッシュタグ検索では関連性の高い投稿の中から「いいね」や「保存」等のポジティブな反応が多い投稿が上位に表示される傾向が強く、発見タブでは各ユーザーが日頃見ている投稿内容や「いいね」等のアクティビティをもとに好みに合いそうな投稿を表示します。例えば、レシピ紹介を保存しているユーザーであれば料理の写真、ペットの写真に「いいね」をすることが多いユーザーであれば動物の写真が発見タブに優先的に表示されるようになっています。

閲覧行動や「いいね」や「保存」等のアクションデータからユーザーの趣味嗜好を推測し、関連性の高そうな投稿が優先的に表示される

Instagramは「特定のジャンルについての投稿やアカウント」と「特定のジャンルに興味がある人」を高い精度でマッチングしてくれるので、さまざまな種類の広告や他のSNSと比べて情報を効率よく届けることができます。マッチング精度を高めるためのハッシュタグ選びや運営のコツについては、Chapter3にて詳しく解説します。

4.顧客とコミュニケーションを取れる

テレビCMをはじめとする広告は、企業側が一方的に情報を発信する場です。一方でInstagramは「ソーシャルメディア」すなわちコミュニケーションを取るためのプラットフォームです。投稿のコメントやダイレクトメッセージで顧客からの質問に回答したり、ストーリーズ上で使えるスタンプで簡単なアンケートを取る等、双方向のコミュニケーションを取ることができます。

公式サイトに設置したお問い合わせフォームで顧客からの要望や質問を受け付けている企業はたくさんありますが、SNSはメールよりも心理的なハードルが低く、顧客はちょっとした疑問をすぐに解消できます。

顧客が気軽に意見や質問を送るようになると、企業にとっても顧客の生の声が手に入るというメリットがあります。SNSを通じて集めた顧客の声を商品企画やマーケティング施策の参考にしたり、複数人から質問があった点について説明を追加したりすることができます。商品を買ってUGC投稿をしてくれたユーザーにお礼のコメントをしたり、投稿をシェアしたりするのもおすすめです。誰でも質問に答えてもらったり、お礼を言われるのは嬉しいものです。積極的に顧客とコミュニケーションを取って関係性を築き、熱量の高い「ファン」を増やしていけるのもInstagramの魅力です。

+1(プラスワン)単純接触効果とアルゴリズム

「単純接触効果」という心理学の用語があります。これは、特定の物や人に繰り返し接することで対象に好感を持ちやすくなる、という現象です。値段や性能が大して変わらない複数の商品の中からどれか1つを選ぶ場合に「見たことがあるもの、知っているもの」を優先的に選ぶことはないでしょうか。Instagramで商品について発信を続けたり、地道にコミュニケーションを取ることでもこの効果が期待できます。

また、Instagramのフィードやストーリーズ投稿は時系列ではなく、アカウントの関係性に応じて表示される位置等が決まります。コメントやメッセージのやり取りが多いアカウントどうしは「親密度が高い」と判定され、フィード投稿のトップやストーリーズの左側など、優先的に見やすい位置に出るようになります。詳しくはp.139で解説しています。

Point!

  • Instagramアカウントは無料で作成・利用できる
  • UGCやフォロワーが蓄積して販促の基盤となる
  • 見てほしい相手に効率よく情報が届く
  • 顧客と双方向のコミュニケーションを取れる

 

Profile
朝山高至(あさやま・たかし)
株式会社ホットリンク マーケティング部リーダー兼ホットリンク総研研究員
慶應義塾大学総合政策学部卒。人材系企業で基幹事業のデジタルマーケティング全般を担当し、2019年にSNSマーケティング支援・グローバルでのソーシャル・ビッグデータの流通と分析を行う株式会社ホットリンクに入社。企業のInstagramマーケティング支援や、ソーシャルメディアマーケティングの研究機関「ホットリンク総研」の研究員としてInstagramマーケティングのメソッド開発に従事。Instagram世代の購買行動プロセス「UDSSAS(ウドサス)」を提唱。
Twitter:@taasayan

 

ゼロからわかるビジネスInstagram 結果につながるSNS時代のマーケティング戦略
出版元:SBクリエイティブ
出版日:2021年4月15日(Amazonは4月16日)

 

 

 

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