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マーケティング

ARPU(アープ)とは?業績指標の計算方法と類似用語との違い

最終更新日:2022.01.30

「ARPU」という言葉をご存じでしょうか。事業責任者や投資家らにはよく知られた用語ですが、マーケターの中には馴染みがないという人もいるのではないかと思います。

とはいえ、ARPUはスマホアプリをはじめ、サブスクリプション型ビジネスなどではよく使用される指標であり、こうしたビジネスが盛んになるにしたがい、重要視される可能性があります。あらためてARPUへの理解を深めておきましょう。

この記事では、ARPUの意味や企業事例と、あわせて理解しておくべき「ARPPU」についても解説します。

目次

ARPUとは?

まずARPUの意味と類似する指標について説明します。企業事例とあわせて具体的に見てみましょう。

ARPUの意味

ARPUは、1ユーザーあたりの平均売り上げを表す指標です。「Average Revenue Per User」の頭文字を取った用語で、「アープ」と読みます。

通信キャリア業界で広く用いられていた指標で、近年はスマホゲーム業界などサブスクリプション型ビジネスを展開する企業がKPIとして設定しているケースもあります。具体例として、以下3つの企業のARPUを取り上げます。

  • 株式会社NTTドコモ
  • 株式会社ぐるなび
  • オイシックス・ラ・大地株式会社

・株式会社NTTドコモ

通信業界のNTTドコモの決算データ集には、ARPUが記載されています。例えば「2020年度 第4四半期 決算データ集」では、以下の通りです。

2020年4~6月(1Q ) 2020年7~9月(2Q) 2020年10~12月(3Q) 2021年1~3月(4Q) 通期実績 通期計画
総合ARPU(円) 4,800 4,820 4,920 4,880 4,850 4,810
モバイルARPU(円) 4,250 4,260 4,340 4,290 4,280 4,250
ドコモ光ARPU(円) 550 560 580 590 570 560

データ出典:株式会社NTTドコモ「2020年度 第4四半期 決算データ集」P5

基本的に月の通信費などは定額であるため、ARPUもほぼ同じ数値になっています。

・株式会社ぐるなび

グルメ情報サイトを展開するぐるなびのARPUは以下の通りです。この場合、飲食店のぐるなびへの支払い金額が対象です。

単位(円/月) 2019年3Q 2019年4Q 2020年1Q 2020年2Q 2020年3Q 2020年4Q 2021年1Q 2021年2Q 2021年3Q 2021年4Q
飲食店販促サービスの店舗あたり契約高(ARPU) 41,493

 

40,430 39,227 39,557 42,961 38,449 8,878 23,486 31,367 19,224
ストック型サービスの店舗あたり契約高(ARPU) 35,963 35,872 34,872 35,071 35,924 34,547 8,617 22,136 23,064 19,657

データ出典:株式会社ぐるなび「2022年3⽉期 第2四半期 決算説明会資料」P26

以前はおよそ40,000円をぐるなびに支払っていたようですが、コロナ禍を機に変化が生じているのがわかります。

・オイシックス・ラ・大地株式会社

野菜などの定期食材宅配サービス「Oisix」を展開しているオイシックス・ラ・大地株式会社は、KPIにARPUを採用しています。

2021/3

1Q

2021/3

2Q

2021/3

3Q

2021/3

4Q

2022/3

1Q

2022/3

2Q

会員数(人) 252,303 274,929 285,168 308,899 333,850 347,772
ARPU(円) 13,822 12,986 13,106 13,042 12,891 12,564

データ出典:オイシックス・ラ・大地株式会社「2022年3月期 第2四半期決算説明資料」P34

新型コロナウイルス感染症の影響で、2021年はイレギュラーにARPUが上昇したとあり、2022年3月期はそれと比較して減少傾向ですが、2020年3月期よりは高く、想定を上回る水準で高止まりしているようです。

もちろん、ARPUだけでは粗利などはわかりません。そこで、次に紹介するARPPUなどの指標をKPIに設定している場合もあります。

ARPUと類似する指標

ARPUと合わせて知っておくべき指標として「ARPPU」があります。

ARPPUとは、課金ユーザー1人あたりの平均売上のことです。「Average Revenue Per Paid User」の頭文字を取ったもので、「アープ」と読まれる場合もありますが、ARPUと混同されるためアルファベットで読まれる場合もあります。日次ARPPUや月次ARPPUという形で使われています。

課金ユーザーとなっているのは、課金型のスマホアプリやオンラインゲームなどのビジネスでARPPUが使用されることが多いためです。この場合、無料ユーザーも含めて考えるARPUが指標として適さないことが背景にあります。

ARPPUとARPUの計算式

ARPPUとARPUをKPIに設定する際の計算方法を解説します。いずれも複雑な計算式ではないので、しっかり押さえておきましょう。

ARPPUの算出方法

ARPPUの計算方法は、以下のとおりです。

ARPPU=売り上げ÷課金ユーザー数

例えば、総ユーザー数が10,000人で、課金率は5%、アプリの1日の売り上げが10万円の場合、日次ARPPUは、以下のように計算します。

日次ARPPU=100,000円÷500人=200円

なお、ARPPUの定義は課金ユーザー1人あたりの平均売り上げのため、平均購入金額と平均購入点数、購入頻度をそれぞれ掛け合わせることでも求められます。手元にあるデータ次第で使い分けると良いでしょう。

ARPUの計算式

ビジネスモデルによってARPUの計算式は異なり、3種類に分けられます。各計算式を解説していきます。

・ユーザー課金モデル

ユーザーの任意のタイミングで購入や課金をするビジネスの場合は、ユーザー課金モデルの計算式を使います。計算式は以下の通りです。

ARPU =ARPPU×課金率(PUR:Paid User Rate)

スマートフォン向けゲームアプリを例に計算してみましょう。課金する人の割合が30%で、平均購入金額980円、平均購入点数は2点。そして、購入のタイミングが月4回ある場合の計算式は以下の通りです。

ARPU=980円×2点×4回×30%=2,352

・インプレッション課金型広告モデル

広告インプレッションで課金している場合のARPUの計算式は、以下の通りです。なお、CPMとは広告単価のことです。

ARPU =1人あたり広告表示回数 ×(CPM÷1,000)

アプリのマネタイズを広告表示で行っており、CPMが200円で1インプレッションの単価が0.2円。1ユーザーが1日で表示する広告の回数50回の場合、以下のように計算します。

ARPU=50回×(200円÷1,000)=10

・クリック課金型・成果報酬型広告モデル

クリック課金型・成果報酬型広告モデルを採用している場合のARPUは、以下の計算式で算出します。なお、CPCは1クリックで発生する売上高、CTRはクリック率です。

ARPU=CPC × CTR

ニュースアプリを運営しており、1日のユーザー数は70,000人でCPCが10円。広告表示回数が120万回で、クリック数を24,000回とするとCTRは2%のため、ARPUは以下のように算出できます。

ARPU=10円×(24,000回÷1,200,000回)=0.2

ARPAとARPUの違い

ARPUと似た表記で、区別しておくべき指標の一つがARPAです。ARPAの意味やARPUとの違いを解説します。

ARPAとは?

ARPAとは、「Average Revenue Per Account」の頭文字を取ったもので、読み方は「アーパ」。1アカウントあたりの平均売り上げを意味します。計算式は以下の通りです。

ARPA=売り上げ÷アカウント数

ARPAとARPUの違い

ARPAは1ユーザーではなく、1アカウントあたりの平均売り上げを意味する指標です。1アカウントとするのは、例えばSaaSでは、ユーザーが複数デバイスで利用するケースがあり、実態に近い数値の把握にはアカウントを対象にすべき場合があるからです。したがって、BtoBビジネスの場合は、ARPUよりもARPAがKPIにされるケースがあります。

例えばスマホ・タブレット・PCの3デバイスで使えるソフトウェアを販売していて、売り上げが3,000,000円、アカウント数が1,500の場合、ARPAは以下のように算出できます。

ARPA=3,000,000円÷1,500=2,000

デバイスが異なると集計システムは別ユーザーとしてカウントします。3デバイスで使える上記の場合、ユーザー数は最大で3倍の誤差が発生してしまうため、アカウントを計算対象にするというわけです。

ARPUを活用して売り上げや利益をアップ

ARPUは、優良なマネタイズ手段として知られるサブスクリプションビジネスと相性の良い指標です。ARPUをKPIにすることで、ビジネスの現状をより明確に可視化できるでしょう。なお、ARPUを最大化していくには、顧客ロイヤリティを高めてアップセルやクロスセルを促進するなどの基本的なマーケティング施策が役立ちます。当サイトの記事が役に立つため、ぜひ参考にしてみてください。

記事執筆者

Marketing Native編集部

Marketing Native(マーケティングネイティブ)は株式会社CINC(シンク)が運営しているメディアです。 CMOのインタビューやニュース、Tipsなど、マーケターに役立つ情報を発信しています。
Twitter:@market_native
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