link in bio(リンクインバイオ)とは、SNSやブログなど、複数のURLを1つに集約できるサービスです。link in bioがあれば、SNSのプロフィール欄からさまざまなURLをまとめたページへ誘導できるため、その利便性から海外を中心に利用が広まっています。
日本でも複数のlink in bioサービスが登場していますが、存在は知っていても、具体的にどう活用できるのかわからない方もいるでしょう。
この記事では、link in bioとはどのようなものか、近年注目を集める背景や主な使い方、主要サービスをご紹介します。
目次
海外を中心に注目を集めるlink in bioとは?
SNSにおけるフォロワーや閲覧者への情報発信の手段として、「link in bio」と呼ばれるサービスが注目を集めています。まずは、link in bioの意味や特徴をご紹介します。
link in bio(リンクインバイオ)の意味
そもそも「bio」は「biography」の略で、SNSにおいてはプロフィール欄を指します。link in bioとは、SNSやネットショップ、ブログなどのURLを1つのページに集約し、共有できるサービスです。link in bioサービスで作成したページのURLは主にSNSなどのプロフィール欄に記載され、訪問者を誘導するためのリンクとして使われます。
▲Linktreeで作成したMarketing Nativeのページ(https://linktr.ee/MarketingNative)。
link in bioでまとめられる主なソーシャルメディアには以下が挙げられます。
- TikTok
- YouTube
- note
など
link in bioの特徴
link in bioの特徴は、SNSのプロフィール欄からさまざまなURLを集めたページに人々を誘導できることです。1つのページに情報を集約できるlink in bioは、ランディングページのような役割を担います。
また、link in bioは他のSNSやネットショップ、ブログなどへつなげる導線として、個人の情報発信や企業の製品・サービスの認知度向上に寄与したり、顧客の購買行動を促進したりするツールとも言えます。フォロワーや閲覧者も、興味を持った個人やブランドのほかのSNSにアクセスするために検索し直す必要がなくなり、ワンタップ・ワンクリックでURLが集約されたページに飛べるメリットがあります。
link in bioサービスの多くは無料で利用できますが、中には分析機能や背景の設定など、一部が有料になっているサービスもあります。URLを集約したページのデザインは、用意されているテンプレートをタップして一括変更することも、自分好みのデザインに編集することも可能です。トラフィック機能が付いたサービスでは、一定期間内のクリック数やページビュー数などを簡単にチェックできます。
link in bioが注目を集めている背景
link in bioは海外を中心に利用されてきましたが、日本国内でもサービスを利用するユーザーが増えています。ここでは、link in bioが注目される背景をご紹介します。
海外を中心に利用されている
link in bioが利用されている背景には、複数のSNSで情報を発信する人や企業が増えていることと、Instagramのプロフィール欄にURLを1つしか掲載できないことがあります。ほかのSNSのアカウントやネットショップ、ブログ、Webサイトを持っていても、Instagramでは1つのリンクしかユーザーにアピールできません。しかし、link in bioを使用すれば1つのページに複数のURLを集約できるため、Instagramのプロフィール欄にURLを1つ掲載するだけで、複数のサイトへ誘導可能な導線が出来上がります。
そうした背景もあってlink in bioは海外を中心に定着し、オーストラリアで2016年に誕生した「Linktree(リンクツリー)」のユーザー数は、2021年3月時点で1,200万人を超えています。利用が拡大している理由としては、新型コロナウイルス感染症の影響でSNSに接したり、ネットショッピングをしたりする時間が増えたことが挙げられ、Linktreeによると、1,200万人のユーザーの3分の1にあたる400万人が2021年1月〜3月の3カ月以内に登録したとのことです。
参考:Linktree blog「Linktree raises $45M to connect people directly with the creators and brands they love」
日本国内でもlink in bioサービスが登場している
最近は日本国内でも「lit.link(リットリンク)」や「Blink(ブリンク)」といった複数のlink in bioサービスが登場しています。
TieUps株式会社が提供するlit.linkは、リリースから1年で55万ユーザーを突破したlink in bioサービスです。月間アクセス数はリリースから3カ月で1,000万PV、半年で2,000万PVと着実に増え、認知度のアップとともに利用者数も増加しています。一方Blinkは、株式会社CAMが2021年11月22日より提供を開始したサービスです。このほか、ポートフォリオ風にできるクリエイター向けのもの、インフルエンサー向けのもの、サービスや商品の販売から決済までできるプロフィールサイトなどがあります。
link in bioの主な使い方
SNSで情報を発信したり、ECサイトで商品を販売したりする企業にも便利なサービスのように思えるlink in bioは、実際どのように使われているのでしょうか。link in bioの主な使い方について、国内アーティストと海外インフルエンサーそれぞれの活用事例をご紹介します。
国内アーティストの場合
国内アーティストの場合、自身やグループのSNSアカウントのほか、楽曲を配信しているサイトのリンクもlink in bioにまとめています。URLが集約されたページを訪れたユーザーは、ワンタップ・ワンクリックで配信サイトへアクセスし、楽曲を購入・ダウンロードできます。また、新曲のミュージックビデオやYouTube動画へのリンクを掲載し、楽曲の宣伝や最新情報の集約先としてlink in bioを活用するアーティストも多く見られます。
海外インフルエンサーの場合
海外インフルエンサーにおけるlink in bioの活用方法として、ゴールデンレトリバーのTucker Budzyn(タッカー・ブジン)を例に挙げてみましょう。ペットインフルエンサーのTucker Budzynは、InstagramやTwitterのプロフィール欄にLinktreeのURLを掲載しています。
Tucker BudzynのLinktreeには、最新の動画やYouTubeチャンネルへのリンクのほかに、グッズを販売しているネットショップへのリンク、支援ボタンなどが並んでいます。Linktreeに配置されたグッズ販売やネットショップへのリンクはゆらゆらと揺れる設定で目立つようになっており、動画コンテンツを目当てに訪問したユーザーにショップへの遷移を促していることがわかります。
link in bioの主要サービス
最後に、国内外の主要なlink in bioサービスについて、その特徴や他サービスとの違いをご紹介します。
lit.link(リットリンク)
画像出典:lit.link
lit.link(リットリンク)は、プロフィールサイト「lit.link」、コミュニティSNS「WeClip」の開発・運営を手がけるTieUps株式会社が提供しているサービスです。β版を経て2021年1月に正規版がリリースされ、1年後の2022年1月にユーザー数55万人を突破しています。InstagramやTwitterといったSNS上のインフルエンサーをはじめ、YouTuber、アーティスト、スポーツ選手などから幅広く利用されています。
lit.linkの登録は無料で、スマートフォンだけで簡単にオリジナルページが作成できます。テンプレートを使ってページデザインを一括設定できるだけでなく、背景画像やアイコン、自分で用意した画像を使用してオリジナルのページを作ることも可能です。直感的な操作で編集できる操作性の良さも魅力です。
Blink(ブリンク)
画像提供:株式会社CAM
Blink(ブリンク)は、サイバーエージェントの連結子会社でエンターテインメント事業を行う株式会社CAMが提供しているlink in bioサービスです。2021年11月にリリースされたサービスで、著名人だけでなく、飲食店や美容院など幅広く利用されています。
Blinkの特徴は、ページデザインを細かくカスタマイズできるところです。フォントやカラー、ボタンのレイアウトを自由に調節し、他のページと差別化された自分好みのページデザインを構築できます。また、2021年12月23日より、ユーザーからリンク作成者へメッセージや画像を送れる機能「Blink Plus」が新たに提供されています。リンク作成者は、ユーザーから投稿されたメッセージや画像を管理し、気に入ったものを自身のBlinkページに表示することが可能です。
Linktree(リンクツリー)
Linktree(リンクツリー)は、2016年にオーストラリアで立ち上げられたlink in bioサービスの先駆けのような存在です。2021年3月時点で、1,200万人以上のユーザー数を誇り、市場シェアの88%を占めていると言います(2021年3月時点)。
Linktreeには無料版と有料版があり、使える機能やカスタマイズ性に違いがあります。有料版は機能が充実し、デザインの選択肢も豊富ですが、複数のリンクを集約するlink in bioの基本的な機能は無料版でも十分に使えます。
▲Linktreeの作成画面。
2021年10月には、新たに「Form Link」「Music Link」「Pinterest Display」「Collect payments」などの機能が実装されました。「Form Link」ではフォームを設置し、訪問ユーザーの問い合わせやメッセージを受け付けることができます。
▲「Form Link」で問い合わせフォームを追加することも可能。
link in bioサービスで複数のリンクを1ページに集約
link in bioサービスを活用すると、複数のSNSやネットショップ、ブログ、WebサイトのURLを1ページに集約するだけではなく、ページ全体を自分好みのデザインにカスタマイズしたり、アクセス解析からユーザー動向をチェックしたりすることも可能です。
複数のプラットフォームで情報発信している方は、link in bioサービスを活用し、自分だけのまとめページを作ってみてはいかがでしょうか。