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注目トピック

InstagramでもSEOが必要になる!?キーワード検索機能の実装に備えて今から対策すべきこと【大槻祐依のInstagram注目トピック第2回】

最終更新日:2021.12.13

Instagramのキーワード検索機能が注目を集めています。まずは英語圏から実装され、日本語の対応時期は未定ですが、「InstagramもSEOが必要になるのでは」と推測する声も耳にします。そこで、株式会社FinT代表取締役の大槻祐依さんの連載第2回は、Instagramの検索機能の拡張について取り上げます。

キーワードでコンテンツを検索できる機能の実装計画を受け、Instagram担当者が今から対策しておいたほうが良いこととは?大槻さんに具体的なポイントをお話しいただきました。

(構成:Marketing Native編集長・佐藤綾美)

目次

Instagramがキーワードでコンテンツを検索できるようになる

2021年8月25日にInstagramより検索機能の仕組みや今後の計画に関する発表があり、キーワードでコンテンツを検索できるよう開発が進められていることが明らかになりました。キーワードでのコンテンツ検索は、すでにアメリカやカナダなどの英語圏で実装が始まっています。英語以外の言語の国における実装時期は未定で、「将来的に追加される予定」とだけ発表されています。

Instagram「Breaking Down How Instagram Search Works」

現状のInstagramでは、例えば検索窓に「スマホケース」と入力すると、「#スマホケース」「#スマホケース手作り」などのハッシュタグや、「スマホケース」が名前に含まれるアカウントが表示されます。しかし、キーワードでコンテンツを検索できるようになると、「スマホケース」に関連する画像や動画が検索結果に表示されるほか、「スマホケース かわいい」などの複数のワードで検索し、目的の画像を探すことも可能になるのです。

▲現在の検索画面と、キーワード検索機能実装後のイメージ(画像はすべてイメージです。作成:Marketing Native編集部)

参考:Instagramの検索機能の変遷
2011年:ハッシュタグ機能が導入
2020年秋:検索結果に画像だけでなく、リールも表示されるようになる
2021年6月:地図検索機能が導入
2021年7月~8月:楽曲名やアーティスト名で検索し、その音源を使用しているリールを検索結果に表示する機能を実装

今のInstagramは新たなコンテンツとの出合いが生まれにくい

Instagramがキーワードでコンテンツを検索できるよう開発を進めている背景には、主に2つの理由があると考えています。

1つは、ユーザーの「新たなコンテンツを発見したい」というニーズが高まりつつあることです。今のInstagramはレコメンドアルゴリズムの精度が高いために、発見タブに似たような画像や動画が表示されやすく、自分にとって新しいコンテンツを探し出すのが難しくなってきていると感じます。発見タブに表示されるコンテンツを受動的に眺めているだけでは、ユーザーは物足りなくなっているのです。

もう1つは、Instagram内のコンテンツの量が充実してきていることです。IGTVやリールなどが加わり、Instagram内のコンテンツは以前に比べて種類・数ともに増えています。そのため、Instagramは「ユーザーがキーワードで検索した際に、そのニーズに応えられるコンテンツを提供できる段階に来た」と考えたのではないでしょうか。

キーワード検索で上位に表示されるように対策したほうが良いこと

キーワードでコンテンツを検索できる機能が実装されると、ターゲットとするユーザーが検索しそうなキーワードでいかに上位表示させるかが重要になります。まさに、SEOと同じです。

Instagramから発表されている、検索でヒットしやすくなるためのアドバイスは3つあります。

  1. 適切なユーザー名(ハンドルネーム)・名前を使用する
  2. 関連するキーワードや位置情報をプロフィールに含める
  3. 関連するキーワードやハッシュタグを投稿のキャプションに含める

それぞれ詳しく説明します。

1:適切なユーザー名(ハンドルネーム)・名前を使用する

企業名や商品・サービス名、メディア名など、適切なユーザー名・名前を設定しましょう。弊社で運営している「Sucle(シュクレ)」のアカウントは、ユーザー名を「@sucle_」、名前は「Sucle(シュクレ)」としています。こうすれば、ユーザーが「シュクレ」と「Sucle」のどちらで検索しても検索結果に表示することが可能です。

2:関連するキーワードや位置情報をプロフィールに含める

プロフィール欄には、自分たちが何の企業で、どのような投稿をするアカウントかを明示し、ターゲットとするユーザーが検索しそうなキーワードを含めることが重要です。例えばメディアのアカウントであれば、そのメディアのコンセプトを記載すると良いでしょう。また、企業の所在地をプロフィールに記載しておくと、近隣のユーザーに見つけてもらいやすくなります。

最近は企業の偽アカウントが出現するケースもあるので、「公式アカウント」とプロフィールに記載するのもおすすめです。

▲Sucleのプロフィール。メディアのコンセプトと公式アカウントであることを記載しています。
出典:@sucle_(https://www.instagram.com/sucle_/?hl=ja

3:関連するキーワードやハッシュタグを投稿のキャプションに含める

キャプションでは、投稿の内容をきちんと文章で説明することが大切です。弊社は画像そのものにテキストを記載している場合も、どのような内容かキャプションにきちんと記載するようにしています。

ハッシュタグをコメント欄に記載する運用方法もありますが、検索で引っかかるようにするには、キャプションに含めるようにしましょう。

▲Sucleでハロウィンスイーツ6選を紹介した投稿。キャプションに紹介している内容と関連するハッシュタグを記載しています。
出典:@sucle_(https://www.instagram.com/p/CT4SouphF5t

Instagramを活用したマーケティング施策でインフルエンサーを起用する際も、上位表示させたいハッシュタグやキーワードを可能な限りキャプションに盛り込んでもらうよう、相談することをおすすめします。

エンゲージメントの高さは今後も変わらず重要

これまでコンテンツのインプレッション数を伸ばすには、発見タブやリールタブに載る以外の方法がありませんでした。しかし、キーワードでのコンテンツ検索が可能になれば、新たな流入経路ができます。ユーザーがキーワード検索を活用し始めたときに、狙いたいキーワードで上位に表示されるよう、今のうちから対策しておくことが大切です。

ただし、キーワード検索で上位に表示されるには、上述のアドバイスに沿ってただワードを盛り込めば良いわけではなく、「いいね」や保存の数といったシグナルもおそらく影響するだろうと考えています。そのため、エンゲージメントの高いコンテンツを投稿する重要性は今後も変わりません。

また、個人的にはアカウントの方向性を明確に保つことも大切だと考えています。たくさんのキーワードで検索上位を狙うあまり、投稿内容が雑多になるのはおすすめしません。何を投稿するアカウントなのかがわからないと、Instagramが検索結果の上位に表示しなくなるおそれがあるためです。何のアカウントで、どのような人に見てほしいのか、方向性を明示するようにしてください。

弊社でもまだ検証はできていませんが、これから投稿するコンテンツだけでなく、すでに投稿したコンテンツのキャプションを編集して、整理しておくのも良いと思います。SEOで上位表示したいキーワードを決めるのと考え方は似ていますので、SEOに取り組んだことのある方は、まずどのキーワードで上位表示させたいかを考えてみてください。

なお、今回Instagramから発表された開発予定はキーワードでのコンテンツ検索についてでしたが、私は画像検索もいずれ可能になるだろうと考えています。Instagram内に画像をアップロードすると類似する画像が検索結果に表示される、Googleの画像検索のようなイメージです。例えばコスメの画像を使用してメイクの仕方を調べたり、人気スポットの画像を使用して撮影のバリエーションを調べたりといった活用の仕方ができるので、画像や動画をメインとするInstagramの強みがより発揮されるでしょう。いつの日か、実装されることを期待したいと思います。

【Profile】
大槻 祐依(おおつき・ゆい)
株式会社FinT代表取締役。
1995年生まれ。早稲田大学在学中の2017年3月にFinTを学生起業。「世界をまるごとハッピーに」というビジョンのもと、Sucle(シュクレ)という若年層女性向けSNSメディア(総合70万フォロワー)やSNSマーケティング事業を展開。主要事業であるInstagram運用代行にて、大手企業を中心に累計100以上のアカウントを企画、撮影から投稿までサポートしている。日経ビジネスやマネー現代、DIAMOND SIGNAL(ダイヤモンド・シグナル)などの媒体に、SNSマーケティングの最新傾向やSNSのユーザーインサイトに関する記事を多数寄稿している。
株式会社FinT:https://fint.co.jp/

記事執筆者

佐藤綾美

株式会社CINC社員、Marketing Native 編集長。大学卒業後、出版社にて教養カルチャー誌などの雑誌編集者を経験し、2016年より株式会社CINCにジョイン。
X:@sleepy_as
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