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マーケティング

サブスクリプションサービスとは?押さえておきたい定額制との違い

最終更新日:2022.01.31

サブスクリプションサービスは、一般的に定額料金を支払い、利用できるサービスのことです。近年は動画配信サービス、音楽配信サービスだけでなく、ファッションや家具・家電など、多様なサブスクリプションサービスが登場しており、消費者・企業のどちらからも注目を集めています。しかし、中には、従来の定期販売とどう違うのか疑問に感じている方もいるのではないでしょうか。

この記事では、サブスクリプションサービスの知っておきたい特徴をはじめ、拡大の背景、参入のメリットなどを紹介します。

目次

サブスクリプションサービスとは?

「サブスク」と略されることもあるサブスクリプションサービス。定期販売とは何が異なるのでしょうか。

サブスクリプションサービスの特徴

そもそも英語の「subscription(サブスクリプション)」には「定期購読」「予約購読」「寄付」などの意味があります。subscriptionの動詞「subscribe(サブスクライブ)」は「定期購読する」という意味です。

サブスクリプションサービスとは一般的に、定額料金を支払うことで利用できるコンテンツやサービスを指します。顧客は利用する商品やサービスの数ではなく、期間に対価を払うのです。

例えば、毎月もしくは毎年定額料金を支払い、音楽、映画、電子書籍といったデジタルコンテンツを楽しめるサービスや、ファッションアイテム、家具を定額でレンタルできるサブスクリプションサービスがあります。

サブスクリプションサービスと従来の定期販売の違い

同じ商品を定期的に届ける定期販売のビジネスモデル自体は昔から存在します。例えば、新聞や雑誌の定期購読、サプリメントの定期販売などです。毎月異なる品物を届ける頒布会もあります。

サブスクリプションサービスは、定期的に利用できる点は定期販売と同様ですが、顧客が購入した後もデータを活用し、マーケティングを行う点において異なります。

サブスクリプションに関する著書がある株式会社シンクロ代表取締役/オイシックス・ラ・大地株式会社執行役員CMT/GROOVE X株式会社CMOの西井敏恭さんは、サブスクリプションサービスと従来の定期販売の違いについて、次のように述べています。

従来の定期販売はお客さまが購入するまでのマーケティングが重要で、手法は主に広告です。一部では商品の販売後にお客さまを囲い込むようなマーケティングを行っていたかもしれませんが、いずれにせよポイントは「どのように売るか」でした。一方サブスクリプションは、お客さまが購入した後のマーケティングも重要になります。

出典:Marketing Native『西井敏恭が教える「サブスクリプション・マーケティングで成果を上げる3つのポイント」【ビタミンゼミレポート#13】』

サブスクリプションサービスの代表例

サブスクリプションサービスにはさまざまなジャンルが登場しています。代表的な例は次の通りです。

・音楽配信サービス

楽曲を1曲ごとに販売するのではなく、ユーザーから月額や年額で料金をもらう代わりに、期間内は音楽が聴き放題になるサービスです。代表的なサービスとして「Apple Music」「Spotify」「YouTube Music」などが挙げられます。「Spotify」「YouTube Music」にはそれぞれ、広告なしで音楽を楽しめる有料プラン「Spotify Premium」と「YouTube Music Premium」もあります。

・ 動画配信サービス

動画配信サービスでは、月額や年額で料金を支払うことで、映画やドラマ、アニメ、バラエティ、スポーツなどのさまざまな映像コンテンツを視聴できます。「Netflix(ネットフリックス)」「Amazonプライム」「DAZN(ダゾーン)」や「Hulu(フールー)」「ABEMA(アベマ)」「U-NEXT(ユーネクスト)」などが代表例です。

・ ソフトウェア提供のサブスクリプション契約

買い切りではなく、月額や年額で料金を支払い、定められた期間についてソフトウェアを使用できます。Adobeのツールを利用できるクラウドサービス「Adobe Creative Cloud」、Officeアプリのクラウドサービス「Microsoft 365」などが代表的です。

・食品の宅配サービス

食材セットが定期的に届く「Kit Oisix」、栄養管理士とシェフが監修したお弁当が自宅に届く「nosh(ナッシュ)」、おやつの定期便「snaq.me(スナックミー)」など、食品のサブスクリプションサービスにもさまざまなものがあります。

・ファッション・コスメ・美容系サービス

月額を支払うことで洋服やバッグをレンタルできるサービスがあります。また、毎月少量の香水が届く香水のサブスクリプションサービスや、美容室に通い放題のサービスなども登場しています。

このほかにも、車や家具・家電など、多様なサブスクリプションサービスが存在します。

サブスクリプションサービス拡大の背景

国内のサブスクリプションサービスの市場規模は、今後も成長していくと予測されています。特にここ数年は、新型コロナウイルス感染症の影響で消費者の行動が制限されたことにより、サブスクリプションサービスの試用または利用が進んだと見られています。

ここまでサブスクリプションサービスが拡大している背景には、将来の経済不安などから物を買いづらくなっていることと、若い世代を中心に所有欲が低下し、以前に比べて物を所有することを重視しなくなったこと、そしてサービスや体験に価値が見いだされるようになり、消費行動が物の所有から利用へと変化している点などが挙げられるでしょう。

サブスクリプションサービスを提供するメリットと注意点

企業によるサブスクリプションサービスへの参入が相次いでいるのは、上記のような背景に加え、次のようなメリットがあるからと考えられます。

メリット

サブスクリプションサービスは顧客に利用し続けてもらうことができれば、継続的な利益が得られます。継続的に利用してもらうためには、顧客のニーズに応えていく必要がありますが、サブスクリプションサービスの場合は顧客データを取得しやすいため、データに基づいて商品やサービスの改善を図ることができます。また、お試しセットを提供したり、初月無料にしたりして、新規顧客の購入ハードルを下げられる点もサブスクリプションサービスのメリットの1つです。

注意点

一方で、注意点もあります。1つは、顧客の継続利用が利益につながるため、短期的に利益を上げるのは難しい点です。 新規顧客や継続利用者が増えることにより、次第に利益が上がっていくため、かかったコストを回収するにはある程度の時間を要します。

もう1つはカスタマーサクセスにより、顧客のサポートを手厚くする必要がある点です。商品やサービスを改善し、継続的な利用を促すためには、カスタマーサクセスによるヒアリングや顧客の成功体験の最大化が欠かせません。

サブスクリプションサービスで大切なのは購入後のマーケティング

サブスクリプションサービスは軌道に乗れば、安定的な収益が得られる魅力的なビジネスモデルです。しかし、そのためには顧客に継続的に利用し続けてもらう必要があり、顧客の声を適切に拾い、商品やサービスの改善を図るなど、購入後のマーケティングが欠かせません。

サブスクリプションサービスのマーケティングについては、以下の記事で詳しく紹介しています。興味のある方は、ぜひ参考にしてください。

関連記事:西井敏恭が教える「サブスクリプション・マーケティングで成果を上げる3つのポイント」

記事執筆者

Marketing Native編集部

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