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インタビュー

若手キーパーソンを直撃!テテマーチ福間昌大に聞く、ファンの熱量をマーケティングに活かす方法

最終更新日:2023.05.25

若手キーパーソンに直撃 #01

テテマーチ株式会社 コミュニケーションデザイン室室長

福間 昌大

TwitterやInstagram、YouTubeなどのSNSを活用したマーケティング施策が注目されています。SNSマーケティングを事業とする支援会社は数多くありますが、その中でもTwitterでひと際見かける機会の多い企業名の一つが、テテマーチ株式会社ではないでしょうか。

そのテテマーチの代表的メンバーとも言えるのが、コミュニケーションデザイン室室長の福間昌大(ふくま・まさひろ)さんです。大のTwitter好きで自身の個人アカウントは6,000人以上のフォロワーを抱え、数多くのクライアントにSNSマーケティングの提案を行い、成果を上げてきました。

新しくスタートする本シリーズでは、ECとデジタルマーケティングを得意とするANAP子会社CMO/Narcissist ,Inc. CEOの駒宮直樹が、成果を上げているマーケティング担当者に気になるテーマを直撃し、「明日から使えるマーケティングTips」をご紹介します。今回はテテマーチの福間さんに、盛り上がりを見せるSNSマーケティングの現状と課題やフォロワーの熱量に応じた施策について伺いました。

(聞き手:駒宮直樹、構成:Marketing Native編集長・佐藤綾美、撮影:稲垣純也)

目次

SNSで重視すべき数値はフォロワー数だけではない

駒宮 最初に、これまでの経歴と、テテマーチでの仕事内容を教えてください。

福間さん(以下、福間) テテマーチの前は、2016年末まで1年半くらいMacbee Planet(マクビープラネット)というWebの広告代理店で働いていて、2017年1月にテテマーチに入社しました。

テテマーチはSNSを活用した企業のマーケティング支援を行う会社です。最初は営業だったので、SNS関連で企業にいろいろな提案をしてきました。特に多かったのは、Instagramアカウントの運用です。ハッシュタグ投稿キャンペーンやインフルエンサーを活用したプロモーションなどを行ったほか、Instagramのアカウント運用から派生してTwitterを担当することもありました。

企画書の作成や企業への提案は今も引き続き行っていますが、最近は自社の広報活動も兼任しています。具体的には、インフルエンサーマーケティングに特化した企業などと一緒にセミナーを開催したり、「マーケについて語る夜」(※1)のようなイベントを企画したりしています。

また、外部講師を招いて「テテマーチ勉強会」という社内勉強会も定期的に開催しています。社内メンバーだけでなく社外の人も参加OKにしていて、先日はすがけんさん(菅原健一さん)にマーケティングの話をしてもらいました。参加者にイベントのハッシュタグ「#テテマーチ勉強会」を付けて情報を発信してもらえるほか、社内と社外の人が交流するきっかけにもなっています。

※1:2019年3月5日に東京で開催され、約100名の若手マーケターが参加したディスカッションイベント。福間さんのほか、菅原健一さんやコメ兵の藤原義昭さん、アドウェイズ マーケティングの松尾亮さんらが登壇した。

駒宮 テテマーチ勉強会経由で案件獲得につながることはありますか?

福間 テテマーチ勉強会がどこまで影響しているかはわかりませんが、間接的にはありますね。テテマーチ勉強会や他社との共催セミナーの内容をTwitterで発信したり、社内のメンバーが個人アカウントでマーケティングについてツイートしたりしているおかげで、事業会社と支援会社の両方の人たちにテテマーチがSNSマーケティングに詳しい企業だと認知され始めています。お仕事の依頼が来て、やり取りが進んでいる案件もあります。

駒宮 いいですね。では、福間さんがこれまでSNSマーケティング案件に携わってきて、課題に感じていることを教えてください。

福間 SNSマーケティングでは、第一目標の指標がフォロワー数になってしまうことがあり、そこが課題の一つだと思っています。SNSマーケティングはSNSのアカウントの運用だけだと思われがちです。実際はアカウント運用だけがSNSマーケティングではなく、話題づくりをしたり、UGCを増やしたりすることも施策に含まれます。

SNSはインタラクティブなコミュニケーションができるので、一方的に情報発信するだけでなく、フォロワーとコミュニケーションを取るうえでも有効なツールです。だから、エンゲージメント(※2)を重視しないといけないのですが、その辺りがまだ企業の上層部の方々に十分理解されているとは言えません。もちろん、フォロワー数を指標にすることも大事なのですが、見るべき指標はそれだけではないんです。

※2:ユーザーが投稿に対して反応した回数を指す。Twitterの場合は、ツイートへのクリックやリツイート、リプライ、フォロー、いいねの数が計算される。

駒宮 フォロワー数以外で、「ここは見たほうがいいな」という具体的な指標はありますか?例えば、コミュニケーションをインタラクティブにするうえでファンに対するリプライは100%返したほうがいいとか…行動ベース、もしくはエンゲージメントベースで何かありますか?

福間 正解はないのですが、例えばTwitterなら、目的によっては「いいね」数やリプライ数を追っていく運用もありだと思います。

あと、Instagramのアカウントだったら、コメント数と保存数も見るべきです。特に保存数を増やすことが重要で、保存数が伸びると、「いいね」数やコメント数などのエンゲージメントも上昇する傾向にあります。Instagramユーザーの多くは投稿を見たときに挨拶感覚で「いいね」をすることがあり、「あとでもう一度見たい」と思った投稿は保存するんです。つまり、保存されているということは、ユーザーにとって役に立つコンテンツを発信できている証拠なので、弊社の支援しているアカウントでも保存数が伸びるとほかのエンゲージメントも伸びるという傾向が見られます。

駒宮 動画などは特に保存している人が多いですよね。

福間 そうですね。「動画がいい」というよりは、最近Instagramではハウツーなどのお役立ちコンテンツが流行っており、それに適した形として動画が当てはまるのだと思います。動画のほうが情報量を多くできますから。

駒宮 なるほど。「フォロワー数ばかりに焦点が当たりがち」という以外に課題はありますか?自社が営業するうえで課題に感じているところとか…。

福間 SNSにおける施策が売り上げに最終的にどう貢献するのか、数値をなかなか追えないので、企業のマーケティング担当者の中には「上長をどう説得すればいいか」と悩んでいる人が少なくないと思います。「いいね」数やリプライ数など別の数値も追うべきだと本質的にはわかっていても、それが理解されにくいとなると、「フォロワー数をこれだけ伸ばします」と言ったほうが、上長の承認を得やすいですよね。だから、どうしてもフォロワー数が目標数値になりがちです。

例えば、「フォロワー数以外の数値を見るべき」ということを理解してもらうために、上長の方々にセミナーやイベントに参加してもらう機会などが今後増えていくと、社内での理解も深まるかもしれません。

また、生活者とのコミュニケーションによるSNSでの成果を短期的には証明するのは難しく、半年もしくはそれ以上のスパンを見ていく必要があります。でも、企業のマーケティング担当者は短期的な成果のほうが自身の実績にしやすいので、2~3年後を見据えた施策はなかなか受け入れられない、という傾向もある気がします。

駒宮 確かに、そうですね。2~3年と言うと、テテマーチでも同じ案件を担当し続ける人は少ないんじゃないでしょうか。SNSを活用したマーケティングは長期育成型で、短期的に売り上げには直結しない場合が多いので、中長期でどのような形にしたいか見据えることが大事ということですね。

フォロワーの熱量が高いYouTuber

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・インフルエンサーとディフューザーの使い分けが重要
・SNSが起点でなくても、いいコンテンツが拡散する時代が来た

記事執筆者

佐藤綾美

株式会社CINC社員、Marketing Native 編集長。大学卒業後、出版社にて教養カルチャー誌などの雑誌編集者を経験し、2016年より株式会社CINCにジョイン。
X:@sleepy_as
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