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インタビュー

ベイジ枌谷力×ホットリンクいいたかゆうた対談「私たちが思う、優秀なBtoBマーケターの特徴」

最終更新日:2023.04.25

The Marketing Native #41

ホットリンク 執行役員CMO

いいたか ゆうた

ベイジ 代表取締役

枌谷 力

ホットリンクCMOのいいたかゆうたさんとベイジ代表の枌谷力さんら計10人が執筆者となった書籍『BtoBマーケティングの基礎知識』(マイナビ出版)が話題になっています。

共著とはいえ、いいたかさんにとっては3冊目、枌谷さんは初の書籍出版です。

2人同時に話を聞けるチャンスは滅多にないと思い、著者インタビューを実施。本の話からコロナによるマーケティングの“変化”、BtoB企業が行うTwitterアカウント運用のポイント、2人が考える「優秀なBtoBマーケター」像までいろいろとお話を伺いました。

(取材・文:Marketing Native編集部・早川 巧、撮影:矢島 宏樹)

※肩書、内容などは記事公開時点のものです。

目次

10人の知見を集約したBtoBマーケの入門書

――本の話を伺う前に、気になっている人もいると思うので、枌谷さんの福岡移住の話から教えてください。仕事のしやすさ・しにくさ、価値観の変化など何かありましたか。

枌谷 仕事面に関してはあまり変わらないですね。コロナ以降はほとんど自宅からオンラインで仕事をしているので、勤務中にいま自分が福岡にいるのか東京にいるのかを意識することはあまりありません。これまでのところ何の違和感もなく、働けています。

オンライン中心の仕事であれば、基本的には住みたい所に住むで問題ないと思います。

一方、週末のプライベートの過ごし方は大きく変わりました。特にクルマを買ったので、クルマで買い物や近隣に遊びに出かけたりして、すっかりクルマ中心の生活に様変わりしました。

――わかりました。では、本題に移ります。執筆の経緯は、ホットリンク社がベイジ社に依頼したWebサイトリニューアルの裏側についての記事を見たマイナビ出版の編集者から2人に声がかかったとのこと。なぜBtoBマーケティング全般に関する内容にしたのか、そして執筆者が10人になった理由を教えてください。

いいたか 最初はホットリンクとベイジの記事のようにWebサイトリニューアルを軸に、そこから厚みを持たせてBtoBマーケティングの本にしようと考えていました。話を頂いたのが2019年末で、執筆を進めている段階で世界はコロナによって大きく変わりました。その中でどういう本がいいのかで一度止まってしまったのですが、2021年秋にあらためて再スタートをしました。その際に枌谷さんらと話をして、各分野の専門家に協力してもらい一冊の本を作ることに決めたのです。ありがたいことに、お声がけした方々は日々忙しくしているにもかかわらず快諾してくださり、とても感謝しています。

枌谷 出版のお話を頂くことはこれまでにもあったのですが、私はポジション的にさまざまな領域がクロスオーバーしているので、私が何かを書くとなると、例えばWebサイト制作の本なのかマーケティングの本なのか焦点が絞りにくくなることがよくあります。今回も同様で、話を進めているうちに、Web制作の本にすべきか、マーケティングの本にすべきかという議論があり、それならBtoBマーケティングをメインテーマにし、その中でWebサイトを取り上げるのがいいと思って、BtoBマーケティング全般を扱うことになりました。

とはいえ、Web制作やWebサイトに必要なBtoBマーケティングの話なら書けますが、BtoBマーケティング全般となると私が担当するのは無理がある気がしました。そこで全体としての統一感は薄らいでもいいので、それぞれの領域の専門家がそれぞれの視点から語る本にしようと思い、声をかけたところ、10人の方に書いていただけることになりました。

いいたか 本当に皆さんに快諾いただいて嬉しかったです。

枌谷 それはやはりSNS効果ですね。SNSでネットワークを作っていなかったら、こんなにもすぐに声をかけられなかったし、皆さんにご快諾いただけなかったと思います。

――誰向けに、何を目的に書かれた本で、セールスポイントは何ですか。

枌谷 BtoBに限らずマーケティングの本はいろいろ存在します。コトラー&ケラーの『マーケティング・マネジメント』のような大御所の方が執筆した教科書的な定番本もあれば、SEOや広告に特化したノウハウ本もあります。一方で、その中間に位置するような、「BtoBマーケティングの担当に決まったんだけど、何からどう学べばいいのだろう」と悩んでいる初心者向け、かつ理論や概念ではなく実務寄りの本が意外に少ないと感じていました。そのため、これからBtoBマーケティングを始める人が総合的に学べて、「顧客の心をつかみましょう」のような抽象的な内容ではなく、具体的に何をすればいいかが理解できることをコンセプトにしています。

例えば、SEOの担当者だからSEOのことだけ知っていればいいわけではなく、Webサイト制作や運用広告など、隣接領域についても手を伸ばさなければならないときがあるはず。そんなとき、専門的な本では内容が高度な上に情報量が多すぎて、逆に困ってしまう人もいるでしょう。その点、この本は手っ取り早く基本かつ本質的な内容を理解できる構成になっているので、ある程度の具体性を持って全体像をつかむには最適ではないかと思います。

いいたか 入門書ですね。これを読んで、もっと専門的な内容を知りたくなったら専門書に進む、と。

例えば、BtoB企業に勤める新卒の営業担当者もビジネスの仕組みを理解する意味で押さえておきたい知識が詰まっていると思います。会社に置いておいて、業務中に「これ何だっけ?」と感じたときにすぐに手に取って調べられる、そんな役立つ一冊になっているはずです。

枌谷 『BtoBマーケティングの基礎知識』と謳いながら、内容がほぼデジタル系の施策で占められているのは、最初に企画が上がった後、世の中がコロナ一色になり、章立てを決めるときはマーケティングや営業などが急速にオンラインシフトしていたタイミングだったからですね。今でこそオフライン・オンラインのハイブリッドになっていますが、当時はどうすればオンラインシフトがスムーズに進み、コロナ前と同様の成果を上げられるかがメインテーマだったので、その名残でこんな編集になっています。

コロナで変わったこと、変わらないこと

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・BtoB企業のTwitter運用は「人ベース」がポイント
・2人が考える「優秀なBtoBマーケター」とは

記事執筆者

早川巧

株式会社CINC社員編集者。新聞記者→雑誌編集者→Marketing Editor & Writer。物を書いて30年。
X:@hayakawaMN
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