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インタビュー

Twitterフォロワー数で企業の公式アカウントNo.1、ローソン白井明子が語る フォロワー数の伸ばし方と情報の届け方、視野を広げる勉強法

最終更新日:2023.04.25

The Marketing Native #38

ローソン マーケティング戦略本部 部長

白井 明子

企業の公式TwitterアカウントとしてはNo.1となる650万人以上(2022年2月9日現在)のフォロワー数を誇るローソン。そのローソン公式アカウントのキャラクター「ローソンクルー♪あきこ」ちゃんを作ったのが、同社でマーケティング戦略本部 部長を務める白井明子さんです。

今回は初代「あきこちゃん」の白井さんに、フォロワー数を伸ばし続けるTwitter運用のコツや情報の届け方、「TikTok売れ」への対応、企業のTwitter運用担当者へのアドバイスなどをお聞きしました。

(取材・文:Marketing Native編集部・早川 巧、撮影:矢島 宏樹)

目次

「スイーツ」と「エンタメ」系キャンペーンの強力コンビ

――白井さんはローソン公式Twitterアカウントのキャラクター「ローソンクルー♪あきこ」(以下「あきこちゃん」)の初代であり、現在はマーケティング戦略本部部長を務めていらっしゃるとのこと。普段どういう仕事をしているのですか。

いろいろな仕事をしているのですが、主にデジタルマーケティングとセールスプロモーションを担当しています。フォロワー数が多いのでTwitterが注目されがちですが、普段はInstagramやTikTokなどSNS全般のほか、メルマガ、Webサイトの管理・統括を行ったり、アイドルグループ、VTuber、アニメとのコラボといったエンタメ系セールスプロモーションの責任者や部署横断型プロジェクトに携わったりしています。

ちなみに、今の「あきこちゃん」は私から数えて8代目です。「あきこちゃん」の担当はいろんな部署の人とお付き合いすることになるので、顔が広くなって意外と若手女性社員のキャリアパスになっています。異動したときに「4代目あきこちゃんだ」などと言われて仕事がやりやすくなるところがあるようです。

ローソンの公式Twitterアカウント(2022年1月28日時点)

――最初はどのようにTwitterのフォロワー数を伸ばしていったのですか。2010年4月に立ち上げてからこれまでに5000万ツイート以上しているのを見ると、とにかく投稿数を増やした感じですか。

ツイート数が多いのは最初に占い機能があった影響が大きいと思います。「占って」とTwitterを通してあきこちゃんに呼びかけると占いを返すbotで、多くの方にご利用いただきましたが、2011年に機能は停止しています。投稿数自体はそれほど多いわけではなく、今は1日5~10ツイートが目安です。

フォロワー数が大きく伸びたのはここ2~3年で、おそらくその間に200万~300万フォロワーくらい増えたと思います。大きく伸ばす施策は主に2つで、1つはスイーツをフックにした懸賞キャンペーン。もう1つはアニメやアイドルなどのエンタメ系キャラクターとコラボしたキャンペーンです。

ローソンはもともとスイーツが人気で、スイーツの投稿はエンゲージメントが高くなる傾向があります。例えば、ロールケーキのキャンペーンのときは、Twitterをフォローした上で、「#」付きで「ローソンのロールケーキ食べたい」などと投稿すると抽選で無料券や値引き券が当たるという施策を頻繁に行っていることがフォロワー数増加に貢献しています。

また、ありがたいことに一度フォローしていただいた方がなかなか離脱しないこともフォロワー数増加を後押ししています。スイーツの好きの方はもちろん、アニメやVTuber、アイドルグループなどのファンの方々がキャンペーンを機にフォローした後も、またキャンペーンがあるかもしれないからと、そのままフォローを外さないでいてくださるようです。

――スイーツもエンタメ系の推し活ファンもそれぞれエンゲージメントが高くて、フォローしてくれるし、離れていかない、と。その2つのキャンペーンを1年中、繰り返している結果がフォロワー数の数字に表れているということですか。

そうですね。Twitter Japanさんによると、アイドルやアニメファンの方々が情報収集に活用するツールはInstagramでもブログでもなく、Twitterが1位だそうです。アーティストや楽曲の情報などをTwitterで知るファンの方々が、自分の推しとコラボしたローソンのツイートに好感を持って反応してくれているのだと思います。

――一番フォロワー数が伸びた施策は何ですか。

Twitter Japanさんに「#クリスマスボックス」という広告メニューがあるのですが、これが毎年かなり伸びます。それに合わせて「#ローソンのロールケーキ食べたい」のような「#」キャンペーンを行うとエンゲージメントが高くなり、フォロワー数も1週間で10万人くらい伸びたことがあります。

――過去の数字を拝見すると、2020年5月に480万人、同年11月に535万人と、コロナ禍に急増していますね。

スイーツに絡めた懸賞の数を増やして毎週打つようにしていたからだと思います。あとは何百万ものフォロワーを持つコンテンツの公式Twitterと相互でリツイートするなど、パワーアカウント同士がコラボすると伸びやすいと感じます。

もともと二次元は三次元よりグッズ化しやすいこともあって、商品の売れ行きもどちらかといえば二次元のほうが良い傾向があります。

「TikTok売れ」時代に対応すべくスタートしたローソンの公式TikTok(2022年1月末時点)
https://www.tiktok.com/@akiko_lawson

バズらせる秘訣と「TikTok売れ」の衝撃

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・Twitterの位置づけとゴール
・好奇心を枯れさせない「あきこの知らない世界」の取り組み

記事執筆者

早川巧

株式会社CINC社員編集者。新聞記者→雑誌編集者→Marketing Editor & Writer。物を書いて30年。
X:@hayakawaMN
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