17LIVEはこのほどグローバル展開を加速させるため、2021年末までにグループのグローバル本社を台湾から日本に移すことを発表しました。それに伴い、「イチナナ」と呼ばれて親しまれてきた社名やライブ配信プラットフォームのサービスの呼称も新たに「ワンセブンライブ」と変えてリブランディングを図ります。
その17LIVEで国内のオペレーションを統括するのが2020年9月にCOO(チーフ・オペレーティング・オフィサー/最高執行責任者)に就任した竹中重人さんです。強力な競合が多数ひしめき合うライブ配信業界で17LIVEはどのように競争に勝ち抜こうとしているのでしょうか。
今回は17LIVE COOの竹中重人さんに話を聞きました。
(取材・文:Marketing Native編集部・早川 巧、人物写真:矢島 宏樹)
※肩書、内容などは記事公開時点のものです。
目次
17LIVEへの参画を決断した背景と、キラキラした課題
――竹中さんはベイン・アンド・カンパニーやソニー、Netflix、OYO Hotels Japanなどを経て17LIVEに参画されたとのこと。どういうきっかけで、17LIVEにどんな可能性や課題を感じて入社したのですか。
何を基準に会社を選んでいるのかと疑問を持たれる経歴かもしれませんが、意識しているのは「半歩ずらす」ことです。新しい領域を学べるチャレンジングな環境があり、かつこれまで培ってきたキャリアや知見を活かして貢献できること。その2つがバランスよく交差する場所であることを新しい職場選びの基準にしています。
17LIVEの入社に関しては、NetflixとOYO Hotelsの仕事が関係しています。OYO Hotelsについてはコロナの影響を直接的に受けてビジネスが少し難しい状況になっていました。一方で私はその状況をビジネスチャンスでもあると捉えました。今回のパンデミックはある程度不可逆的な変化であり、今後はパンデミックのリスクを織り込んだ新しいビジネスが立ち上がるだろうと考えたからです。
最初は自分で音声系のSNSサービスを始めようとして会社の登記もしました。ところが調べてみると、プレーヤーがすでにたくさん存在して競争が激しいことがわかったのです。海の向こうではClubhouseというサービスが流行していて、今から参入するのは難しいとも感じました。そこで別のビジネスを始めようと考えていたところ、たまたまヘッドハンターさんから17LIVEのオファーを頂きました。話を聞くと、自分が始めようと考えていたサービスと重なるところがたくさんあります。また、Netflix時代の経験を活かしやすい上、パンデミックによるリスクを織り込んだ社会に対してニーズの高いサービスを展開していると思いました。そうした点を受け、立ち上げようと考えていたサービスを一旦ストップして17LIVEに懸けようと決断したのです。
入社前に課題として認識したのは、配信内容の偏りです。良くも悪くも、とてもキラキラした素敵な容姿の配信者の方々を中心としたサービス展開になっていました。もちろんそこがプラットフォームの素晴らしさの1つであり、サポートすべきところではありますが、広く一般ユーザーに浸透させる点を考えると少しハードルの高い作りになっていると思いました。
そのため、エンゲージメントの高いライバーさんやオーディエンスさんに支持されているというサービスの強みを活かしながら、よりカジュアルに楽しめるよう一般層に対してもアピールできるサービスとしてプラットフォームを進化させていく必要があると考えました。そういう観点で考えると、Netflix時代に培った知見を活かして貢献できそうなことに加え、ライブ配信サービスの進化に取り組むという新たな学びの点で、自分の「半歩ずらす」考え方にぴったり当てはまると感じたのが17LIVEに入社した理由です。
ライバーの活動を支える17LIVE報酬の仕組み(参考:17LIVE Webサイト)https://jp.17.live/
競合ひしめくライブ配信業界における17LIVEのポジション
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