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再生回数280万回超えも!アイリスオーヤマのTikTok動画がバズったライフハック系の勝ちパターンとは

最終更新日:2023.04.06

家電や家具、インテリアなど、暮らしに役立つ生活用品を企画・販売する「アイリスオーヤマ」のTikTokアカウントが成果を上げています。開設されたのは2022年5月で、現在のフォロワー数は約4万人(2023年4月時点)。一般的には再生回数10万回で「バズ」とされるなか、280万回超えのヒット動画も生み出しています。

もっとも、これまでアップした動画のなかには、再生回数が伸びてフォロワー数の増加につながった投稿もあれば、思うように成果が出なかった投稿もあります。成功した動画とうまくいかなかった動画は何が違うのでしょうか。そして、TikTok動画の再生回数を伸ばすには、どんなコツがあるのでしょうか。

アイリスオーヤマのTikTokアカウント運用について、アイリスオーヤマ株式会社の矢嶋愛由さんと、運用を支援している株式会社FinT マーケティングパートナー事業部の古森泰正さんを取材しました。

(文:工藤 麻里子、取材・構成:Marketing Native編集長・佐藤 綾美、撮影:永山 昌克)

目次

狙うは1週間に1本ペースのヒット

アイリスオーヤマがTikTokアカウントを立ち上げた背景には、「若年層のファン獲得」という目的があります。生活用品メーカーとして知られている同社の顧客は主婦層が多く、TwitterやInstagramなど以前より運営していたSNSのフォロワーも30代を中心とした主婦層がメインです。

今のところ若年層の認知度こそあまり高くありませんが、潜在顧客層でもあるため、Z世代の利用者が多いTikTokの発信を通して、「アイリスオーヤマの商品の良さを知ってもらいたい」と思ったのがアカウント立ち上げのきっかけでした。FinTは、そんなアイリスオーヤマのTikTokアカウントの運用をサポートしています。

アイリスオーヤマ株式会社の矢嶋愛由さん▲アイリスオーヤマ株式会社の矢嶋愛由さん。矢嶋さんが所属するSNSチームの目標は「ファンづくり」で、アイリスオーヤマの事業展開や商品に関する情報をSNS上で投稿し、会社や商品に親しみを持ったお客さまを増やすことがミッション。

TikTokアカウントの運用において、アイリスオーヤマが追うKPIは主に3つあり、最も重視するのがフォロワー数で、2023年は6万人の達成を目標としています(2023年4月時点で約4万人)。次が再生回数10万回以上のバズ投稿の本数で、1週間に1本のペースでヒット動画を出せるよう、月間4本が目標です。そして、アカウントが投稿している動画全体の月間総再生回数も追っています。

TikTokではアカウント全体の動画の総再生回数に応じて指数関数的にフォロワー数も増加する傾向にあり、例えば総再生回数50万回で500人くらい、総再生回数100万回で2,000人くらいのフォロワーが増えるとされています。総再生回数を伸ばすことがフォロワー数の増加、つまりはアイリスオーヤマの潜在顧客層である若年層との接触数増加にもつながるのです。

株式会社FinT マーケティングパートナー事業部の古森泰正さん▲株式会社FinT マーケティングパートナー事業部の古森泰正さん。

もっとも、TikTokはレコメンド機能のおかげでフォロワー数が少なくても動画の再生回数を伸ばすチャンスがあります。それでもフォロワー数の増加を重視しているのは、企業アカウントとしてメリットと考えていることがあるためです。

『フォロワー数の多さによって、若年層の認知が拡大していると会社に数値で示すことができます。フォロワー数が増加すればTikTok内での存在感も増しますし、「アイリスオーヤマってこんなこともやっているんだな」と若年層の方々に思ってもらえることがメリットです』(矢嶋さん)

フォロワー約6,500人増加に貢献したバズ動画の特徴

アイリスオーヤマがこれまで投稿した中で特に高い成果を上げているのは、自動調理鍋「シェフドラム」の動画です。280万回再生を突破し、投稿後にフォロワー数が約6,500人増加したと言います。

アイリスオーヤマのTikTokアカウントで再生回数が280万回を超え、フォロワーの獲得にもつながったヒット動画の1つ。「自動調理鍋べんりすぎる」のコピーとともに、インパクトあるシェフドラムの映像でユーザーを引き付けた。https://www.tiktok.com/@irisohyama_official/video/7167302467124743426?lang=ja-JP

「シェフドラム」は、材料を入れて調理カテゴリーを選択すると、自動で調理してくれるアイリスオーヤマの商品です。動画の冒頭では、「自動調理鍋べんりすぎる」のテキストと共に、鍋本体が傾き、回転しながら調理する「シェフドラム」のインパクトある姿が映し出され、ユーザーの興味を引くようになっています。また、各カットの尺を短く、場面転換を多くしているのも離脱を防ぐために工夫している点です。

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記事執筆者

佐藤綾美

株式会社CINC社員、Marketing Native 編集長。大学卒業後、出版社にて教養カルチャー誌などの雑誌編集者を経験し、2016年より株式会社CINCにジョイン。
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