アイドルや俳優、声優、アニメのキャラクターなど、自分の好きな人・物を応援する「推し活」が盛んです。2021年には「推し活」が新語・流行語大賞にノミネートされて、話題になりました。対象となる推しを応援する気持ちから、ライブやイベント、グッズなどの関連商品にお金を費やす人も多く、企業もその消費意欲の高さに注目しています。自社の商品やサービスに生かせる方法がないか、模索しているマーケティング担当者の方もいるでしょう。
そこでこの記事では、推しとなる対象や活動内容をはじめとする推し活の実態、推し活のニーズをとらえた商品・サービス事例などをご紹介します。
目次
企業も注目する推し活とは?
熱量の高さから企業も注目している推し活。推す対象や活動内容など、まずは推し活に対する理解を深めましょう。
推し活の意味
推し活とは、グッズ購入やライブ・イベントへの参加など、さまざまな形で応援する活動のことです。そもそも推し活の「推し」とは、アイドルや俳優、声優、二次元のアニメキャラクターなど、他人にすすめたいほどその魅力を評価している、または応援している人や物を指します。もともとはアイドルグループのファンがお気に入りのメンバーを「推しメン」と呼んでいたのが、アイドルに限らず広く使われるようになったと言われています。
推し活に関連する用語
推し活にはさまざまな類似する用語、関連語があります。例えば、「お仕事」とかけた「推し事」や「オタ活(ヲタ活)」は推し活に類似する言葉で、いずれも推しのために行う活動のことを指します。
また、複数人いるアイドルグループなどについて、メンバー1人を推していることを指す「単推し」、グループ全体を推していることを指す「箱推し」といった言葉もあります。
「沼落ち」「沼にハマる」「○○沼に落ちた」などは、特定のジャンルや推しに夢中になり、泥沼から出られなくなるような状態になっていることのたとえです。推しを周囲の人にすすめることを「布教活動」、ドラマの撮影地、漫画やアニメの舞台となった場所など推しに関連する場所を訪れることを「聖地巡礼」と呼びます。
推し活の主な対象
推し活の対象は人によって様々で、俳優や声優、アイドルなど実在する人物だけでなく、ゲームやアニメのキャラクター、VTuber、動物や物も含まれます。中には、仏像、刀剣、鉄道、建物、特定のブランドの製品などを応援する人もいるようです。
生活者起点のリサーチやマーケティング支援を行うネオマーケティングが2021年に13歳~49歳の男女を対象に行った調査によると、推し活の対象について、10代・20代と30代の女性は実在の人物やキャラクターと答えた人の割合が多く、30代以上の男性と40代の女性は実在の人物の次に人物以外の物と回答している人の割合が高くなっています。
出典:株式会社ネオマーケティング『全国の13~49歳の男女を対象に聞いた「推し活に関するアンケート」』
推し活の主な内容
推し活の内容に定義はなく、人によってさまざまです。具体的な内容としては、情報収集や発信、推しに触れたり、会いに行ったりすること、課金、布教などが挙げられます。
SNSでは推しによってアカウントを使い分け、同じ人物やキャラクターを好きなファンをフォローしたり、仲間と交流したりする人もいます。テレビやライブDVD、MVなどで推しを鑑賞して楽しむほか、実際にライブや舞台、握手会といったイベントに参加し、推しに会いに行くこともあります。推しが物の場合は、展示されているのを見に行ったり、実在する場所を訪れたりするイメージです。
お金をかけずに推し活を楽しむ人もいますが、応援したい気持ち、好きな気持ちが強くなると、推しのグッズやCD・DVD、雑誌を購入するなど、課金するようになります。推しの誕生日には写真やグッズを飾ったり、ケーキを購入したりして祝うこともあります。
また、推しの魅力を周囲の人に話したり、SNSで投稿したりする布教活動も推し活の一つです。
データで見る、推し活の実態
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