facebook twitter hatena pocket 会員登録 会員登録(無料)
インターネット広告

RTB(リアルタイムビッディング)の仕組みとメリットとは?

最終更新日:2022.05.17

RTB(Real-Time Bidding、リアルタイムビッディング)は2010年ごろにアメリカで登場し、日本でも2011年に提供されるようになった広告入札システムです。広告主は費用をできるだけ抑えてターゲットユーザーに広告を配信し、媒体側は広告在庫を減らして収益の最大化を図ることができます。RTBにより瞬時に行われるやり取りは、どのような仕組みになっているのでしょうか。

この記事では、RTBのメリットと、RTBの基本的な仕組みについて解説します。

目次

RTBとは?

インターネット広告で広く活用されているRTBはどのようなシステムなのでしょうか。RTBの概要とメリットについて説明します。

効率的な広告配信システム「RTB」

RTBとは、リアルタイムで行われる、オークション形式による広告入札システムを指します。広告を配信したいターゲットユーザーの属性や媒体、掲載面など、入札者があらかじめ設定した買い付け条件をもとに、1インプレッション(広告表示)に対し入札が行われ、最高価格で入札した広告主の広告が配信されます。

広告費を安く抑えながらも広告効果を最大化したいと考える広告主(出稿側)と、広告枠をできるだけ高く販売したい媒体側に、最適な市場価格を提示する仕組みといえます。

RTBで広告を配信するメリット

RTBでは、広告主はユーザー個人を対象とした効率的な広告配信を行えます。また、1インプレッション単位で入札できるので、不要な広告費を減らすことが可能です。広告の表示先が特定の媒体にとらわれないことから、広告表示の機会を増やす効果も期待できます。一方で媒体側も、条件に合致するユーザーのインプレッションが発生すれば、複数の広告主に広告枠を提示し、できるだけ高く販売できるメリットがあります。

RTBの仕組み

RTBは、DSPとSSPによる広告枠の売り買いを1インプレッションごとに行うことで、効率的な広告配信と媒体側の利益最大化を両立させています。

DSPとは、Demand-Side Platform(デマンドサイドプラットフォーム)の略で、広告主または広告会社が広告を出稿するためのプラットフォームです。広告枠の買い付けや広告配信、ターゲティングなどをまとめて行うことができ、「価格を抑え、より効果的な配信を行いたい」という広告主を支援します。

一方SSPとは、Supply-Side Platform(サプライ・サイド・プラットフォーム)の略で、媒体側の広告収益最大化を目的としたプラットフォームです。インプレッションごとにオークションを行い、最適な広告を配信します。

DSPとSSPは、広告枠をインプレッションごとに取引するアドエクスチェンジを通じ、RTBを行います。RTBにおける落札は、一般的にセカンドプライス方式が採用されています。セカンドプライス方式は、最高価格で入札した広告主の落札金額を「2番目に高く提示された入札額+1円」とする仕組みです。これにより、広告主は2番目に提示された入札額を大幅に上回って入札した場合でも、コストを抑えて出稿することができます。

またSSPでは、フロアプライス(最低落札価格)を設定することが可能で、この金額以下の入札しかない場合、広告は配信されません。フロアプライスによって、媒体側も一定の販売価格を担保することができます。仮にフロアプライス以上の金額で入札した広告主が1社しかなく、入札競争にならなかった場合は、「フロアプライス+1円」で落札されます。

RTBを利用した広告表示までの流れ

RTBでは、ユーザーがサイトにアクセスしてから広告が表示されるまでの、わずかな時間で複雑なやり取りが行われています。基本的な流れを見ていきましょう。

※イメージ

  1.  ユーザーがWebページにアクセスする。
  2. 媒体は、インプレッションが発生するとSSPに対して広告リクエストを送る。
  3. SSPは媒体情報やユーザー属性などの情報が含まれたビッドリクエストを複数のDSPに送信する。
  4.  DSPがリクエストを受信し、分析する。DSP内で入札を行う。
  5. DSPからSSPに入札者とセカンドプライス方式によって決まった価格(ビッドレスポンス)を送信する。
  6. SSPは複数のDSPから受け取った入札価格のうち、最も高いDSPの広告タグを媒体に送信する。
  7. 「6」と同時にSSPは、確定したDSPに広告リクエストを送信する。
  8. DSPが広告クリエイティブ(HTMLコード)を媒体に配信する。
  9. 広告が表示される。

上記のフローは、ユーザーの訪問後0.05秒の間に行われます。そのため、インプレッション発生からわずかな時間で、ユーザーの属性に合った広告を表示できます。

効率的な広告配信を実現したRTB

RTBが導入されたことによってインターネット広告の効率的な配信が可能になり、広告主はROIの向上を図れるようになりました。媒体側は広告在庫を販売し、収益の最大化を目指すことができます。

しかし一方で、RTBでは低品質な広告枠の存在やビューアビリティの低さといった課題が挙げられています。また広告主にとっては、入札されるまで希望の広告枠を取れるか不明瞭である点も難点です。そのため、近年はRTBにおける課題を解決するPMP(Private Market Place、プライベートマーケットプレイス)が注目を集めています。オープンなRTB市場に対し、PMPは媒体と広告主があらかじめ特定されており、広告在庫の予約や固定単価制の広告を購入することなどが可能です。PMP取引市場は2017年の時点で125億円程度とRTB取引額の12%を占めており、2021年には387億円程度の市場規模が見込まれています(※)。

※データ出典:AJA、国内プライベートマーケットプレイス市場調査を実施  Copyright © AJA, Inc. All Rights Reserved.

記事執筆者

Marketing Native編集部

Marketing Native(マーケティングネイティブ)は株式会社CINC(シンク)が運営しているメディアです。 CMOのインタビューやニュース、Tipsなど、マーケターに役立つ情報を発信しています。
X:@market_native
Marketing Nativeについて
週2メルマガ

最新情報がメールで届く

登録

登録