プレスリリース配信サービス「PR TIMES」などを運営する株式会社 PR TIMESは、プレスリリースの可能性拡大に貢献した企業と担当者を讃える「プレスリリースアワード2021」の受賞企業を2021年12月20日に発表した。
初開催となる今回は、2020年10月1日~2021年9月30日に発信されたプレスリリースを対象にエントリーを受け付け、審査員8名による選考を経た結果、総計420件のエントリーから8件のプレスリリースが受賞に至った。
目次
「プレスリリースアワード」とは
「プレスリリースアワード」は、プレスリリース発信文化の普及と発展のためPR TIMESが2021年に立ち上げた新設のアワードだ。プレスリリースを発信する習慣が業態・規模・地域・法人個人を問わず広がり、表現方法や用途にも発展性を持たせることを目指しており、エントリー対象はPR TIMES利用企業に限定せず、日本で発表されたプレスリリースからエントリーを受け付けている。審査員も1名を除き、社外の独立した立場から審査できる面々で構成されている。
この1年で国内で発表されたプレスリリースのうち、発表者の応募に基づき、審査委員会が社会性・公共性・共感性・将来性などの視点から、プレスリリースの可能性拡大に貢献したものを審査・選考し、表彰している。
また、このアワードには、これまでクレジットを記載されることがほとんどなかった「広報担当者」に光を当てる目的もあると言う。
プレスリリースアワード2021の8つの賞と受賞企業
賞のカテゴリーには、インフルエンス賞、ソーシャル賞、パブリック賞、エンパシー賞、ヒューマン賞、ストーリー賞、イノベーティブ賞、特別賞の8つがある。受賞の概要は以下の通り。
インフルエンス賞
「インフルエンス賞」は、発信と活用により、社内外へ最も広く好意的な影響をもたらしたプレスリリースに贈られる賞。株式会社AOKIの「AOKI創業以来、類のないスーツ!?マスクに次ぐ新生活様式対応商品第2弾『パジャマスーツ™~パジャマ以上おしゃれ着未満~』発売」が選ばれた。担当したのは、同社の飽田翔太さんと比本佳奈さん。ネーミングやタイトルのインパクトの強さ、リリースの構成の巧みさなどが評価されている。
ソーシャル賞
社会とのつながりを表現し、深めることに最も貢献したプレスリリースに贈られる「ソーシャル賞」に選ばれたのは、株式会社ニュー・オータニの「緊急事態宣言中は1479室すべてがあなただけのレストランに!料理120種、ワイン&カクテル300種をお部屋で楽しむ『スーパールームサービス』」だ。同社の湯本健太郎さん、中島眞介さん、渡辺武さん、髙山剛和さん、岡田宜久さんらが担当した。審査員のコメントには「応募の書類からわずか1日足らずで準備された取り組みであったことがわかり、大きな驚きがありました」とある。
パブリック賞
「パブリック賞」は、情報の平等と信頼を実現することに最も忠実なプレスリリースに贈る賞。松浦産業株式会社(PRorder)の「ニッチトップメーカーによる売上比較“紙袋用取っ手”44%減、一方需要が増加する“取っ手だけ”のタックハンドル」が選出された。担当したのは同社の松浦英樹さん、長尾孝さん、平田貴子さん、武部美穂さん、末川洋平さんら5名。「“紙袋用取っ手”44%減」と事実を伝えたうえで、需要が増加するタックハンドルを打ち出し、データの対比で情報への関心を引いている点などが評価されている。
エンパシー賞
受け手の心を動かし、共感を育むことで最も飛躍したプレスリリースに贈られる「エンパシー賞」に選ばれたのはテレワーク・テクノロジーズ株式会社の『1日14時間で取り戻せる「締切に追い込まれた方」専用テレワーク個室プラン登場、1時間330円から/テレスペ』だ。同社の荒木賢二郎さんと坂口こうじさんが担当した。「締切に追い込まれた方」専用テレワーク個室というユニークな打ち出しで机と椅子しかない個室を正当化し、発想の転換によってマーケティングに成功した発表例だと言う。
ヒューマン賞
「ヒューマン賞」はプロダクトや社員、顧客に対する愛と情熱が最も感じられるプレスリリースに贈る賞。株式会社冨士屋製菓本舗の『毎年完売!節分限定・伝統の味付けの「助六豆(福豆)」が最強のおつまみに変身』が選出された。担当者は同社の北野雅江さんと白浜洋平さん。商品を作っている従業員にもスポットを当て、自社商品だけでなく従業員への愛も伝わる内容になっている点などが高評価を得ている。
ストーリー賞
人に語りたくなるストーリーを最も有しているプレスリリースに贈られる「ストーリー賞」に選ばれたのは、花王株式会社の「蚊の嫌う肌表面をつくり、蚊に刺されることを防ぐ技術を開発」だ。担当者は同社の後藤良子さん、仲川喬雄さん、瀧澤浩之さん、飯倉寛晃さん、山本佳乃さんら5名。興味を引くストーリー、直球で攻めたタイトルなどが評価されている。
イノベーティブ賞
「イノベーティブ賞」は、既成概念に縛られずプレスリリースの表現や用途を最も拡大したプレスリリースに贈られる。残念ながら、今年度の該当はなかった。
特別賞
ここまで登場した賞にあてはまらないものの、表彰したいプレスリリースや発表者の行動を讃える賞として設けられたのが「特別賞」だ。2社が受賞した。1つめは川上産業株式会社の「プチプチ、53年目の超進化。四角くて、手でまっすぐに切れ、ぴったりサイズにできる新プチプチその名も『スパスパ』 爆誕!」(担当:杉山彩香さん、林久美子さん、石黒朋子さん、佐藤浩司さん、鈴木健夫さん、小森智さん、大谷内裕司さん)。「プチプチ?」のありそうでなかった新たな活用法がよくわかる内容になっており、起承転結のストーリーが描きやすく、映像イメージも沸く、シンプルながらも理想的なリリースだと言う。
もう1つは株式会社クロシェの『【クロシェ】三井化学株式会社の新素材、HUMOFIT(R)を活用した「記憶する靴」farfalle CLASSICALから、自分で足型を作れるパンプスを発売』(担当:村岡乃里江さん、沼部美由紀さん、香川あゆみさん、三井化学株式会社)だ。難しく説明しづらい技術について動画を駆使して伝えているの点や、「記憶する靴」という訴求力のあるワードをタイトルに使用し、読み手の興味を喚起している点などが評価を得ている。