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1件のツイートをきっかけにBtoBからBtoCへ販路を見いだした老舗缶メーカー、ポップアップショップ出店の経緯とは

最終更新日:2022.03.14

主にBtoB向けのお菓子缶や乾物缶の製造をする側島製罐(そばじませいかん)株式会社が、新宿マルイ本館にて3月11日から1週間限定で一般消費者向けのポップアップショップを出店している。BtoBで売れずに廃棄直前になっていたカラフル缶が「推し活にぴったり」とTwitterで思わぬ形で話題となり、BtoC向けとして販路を見いだしたのがきっかけだ。その経緯について、側島製罐 担当の石川貴也さんに詳しく伺った。

目次

    廃棄寸前の缶がふとしたツイートで1.4万件のいいねを獲得

    側島製罐は100年以上にわたって乾物やお菓子などを入れる包装資材として使われる一般缶を製造している。お中元やお歳暮などによる需要増もあり、バブル期の頃まで業界はある程度活況だったものの、中国製品の台頭や原材料の高騰などの影響により、近年は全体的に下向きのトレンドを迎えていたという。側島製罐の売り上げも2020年時点でピーク時の3分の1になっていた。当時を振り返り、側島製罐 担当の 石川貴也さんは次のように語る。

    「弊社はこれまでBtoB向けに缶づくりを続けてきた会社ですが、長い期間受注生産をしていれば業績がある程度好調だったこともあり、自分たちで何か企画をしたり、発信したりすることは慣れておらず、大きな挑戦もあまりしてきませんでした」

    売り上げ減少に危機感を感じ、約10年前にcanday缶(キャンディ缶)を全16色展開で販売したものの、BtoBでは当時ほとんど売れなかったという。

    「ずっとBtoBだけでやってきた会社だったので、一般消費者向けへの販売ノウハウがなく、toCの領域へは踏み出せませんでした。東急ハンズさんに置いていただいたこともありましたが、売れ行き不調ですぐに撤去となったと聞いています」(石川さん)

    こうした経緯で、側島製罐は2020年末に在庫を一部廃棄処分することになった。その廃棄処分前に石川さんがTwitterへカラフルな缶の写真を投稿したところ、転機が訪れた。

    当時のツイート

    『「こんなにきれいなのに、廃棄するのがもったいない」くらいにしか考えていませんでした。ちょうど私が会社の跡継ぎとして家業に帰ってきたばかりのタイミングで、カラフルな缶が売れてない事実にわだかまりを抱えていて、ちょっとしたぼやきのつもりでツイートしました』(石川さん)

    そのツイートが1.4万件のいいねを獲得し、大きな話題となった。

    『ツイートに反応してくださったのは、主にアニメやアイドルなどの”推し活”をされている方々です。大事な推しのグッズを収納するのに適切な保存容器があまり出回っていなかったこともあり、「推しのテーマカラーの容器に、安心してグッズを収納できる」というニーズの掘り起こしができたと認識しています』(石川さん)

    上記の拡散をきっかけに、側島製罐は2021年よりネットショップ作成サービスBASEにて通販小売を開始。さらに、以前取引が中止となった東急ハンズも含む大手企業でも缶の販売が行われるようになっている。インターネット上でも引き続き話題となり、今回の新宿マルイ本館での出店に至ったという。Twitterで話題になった際の筒型の缶は当時すでに廃盤で量産は難しいが、「ぬいぐるみを入れて持ち運びたい」「フィギュアを飾りたい」といった声に応える形で、サイズ形状などを改良したものを販売している。

    一般缶メーカーが包装資材の受注生産ではなく、自社商品を収納容器として実店舗販売するケースは過去にもほとんど前例がないという。側島製罐によるポップアップショップの出店は、業界としても缶の価値を高める新たな一歩となりそうだ。

    ポップアップショップの様子

    業界の中にいると気付けないことでも、嗜好の異なる人の目に触れると、新たな可能性が開花する可能性がある。チャンスがどこに転がっているかわからないとは、まさにこのことだ。この記事を読んでいるマーケターの中には、商品が売れずに頭を悩ませている方もいるだろう。そんな時こそ、側島製罐の事例のように、自分では思いもよらないところにチャンスがあることを思い出してみると良いかもしれない。

    画像提供:側島製罐株式会社

    側島製罐株式会社

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