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マーケティングで成果を上げる「顧客視点」の考え方を社内に浸透させるには?――黒澤友貴(ブランディングテクノロジー)×栗原康太(才流)特別対談【後編】

最終更新日:2021.10.21

ブランディングテクノロジー・黒澤友貴さんと才流・栗原康太さんが、成果を上げるマーケターの思考・行動パターンについて語り合うMarketing Native LIVE vol.3。

後編では前編の内容を基に、さらに踏み込んだ形でお二人にパネルディスカッションを行っていただきました。

顧客視点を社内に浸透させる方法からヒアリング能力の上げ方、フィードバックをスムーズに受けやすくするコツまで、あえて議論を呼びそうな話を交えながら展開しています。

ぜひお読みください。

(進行:Marketing Native編集長・佐藤 綾美、構成・文:編集部・早川 巧)

目次

「やらないことを決める」「顧客理解へ向けた努力を徹底する」

――栗原さんと黒澤さんのパネルディスカッションです。まず「マーケターの思考・行動パターンを50個まとめた書籍が発売されるということですが、自社で特に重視しているパターンは何ですか」。

黒澤 大きくは2つあります。書籍の中からピックアップすると、1つは「やらないことを決める」。これはかなり重視しています。マーケティングの領域でやるべきことは多いですし、やったほうがいいか、やらないほうがいいかと言えば、全てやったほうがいい場合が大半です。しかし、リソースに自ずと限界はありますし、いろいろと小さくつまみ食いをした結果、中途半端な進捗や結果しか得られない状態に陥りかねません。

それを防ぐためには、リソースを投下すべき重要チャネルを見極め、顧客の行動から逆算して優先順位を決めることが大切です。やらないことをしっかりと決めた上で、やるべきことにリソースを集中させると、ある程度成果は出やすくなると思います。

もう1つは「専任担当をアサインする」。マーケティング組織を作る上で必須条件です。自分もマーケティング組織の立ち上げをいろいろと経験してきましたが、失敗するケースの多くはリソース不足。その要因の1つは兼任で動き始めてしまうことです。

・経営戦略と紐づけて優先順位を決める
・やらないことを決める
・やるべきところにリソースを投下する
・リソース投下時に動く人を決める

などの点については専任担当が主導することでスムーズに進みやすくなります。

専任担当にふさわしいのは、顧客に対する解像度が高い人です。ブランディングテクノロジーの場合は営業担当者ら顧客と接する機会の多かった人をマーケティングチームにアサインし、専任担当にしています。そういう取り組みを始めてから成果がスムーズに上がりやすくなりました。

栗原 自社で重視するのは2つです。1つは顧客理解の徹底。新規事業の立ち上げを行うときも「顧客を観察する」「顧客にインタビューをする」を十分に行うようにしています。社内で新規事業立ち上げのステップを定義したのですが、途中で何度か顧客に聞かないと次に進めないプロセスに設計しました。逆に社内の意思決定者や経営陣に意見を求めるプロセスはそれほど精度が高くないと思っていますので省略し、私もあまり口を挟まない形で徹底しています。

あとは先ほど(前編で)ご紹介したLTVとCACの関係図。これはBtoB事業の肝になると思いますので、意識して取り組んでいます。

顧客視点の重要性を会社が理解してくれないときは?

――そうした思考・行動パターンを組織の中に浸透させるのは結構難しいと思います。その点でお二人が工夫していることを教えてください。

栗原 次のリストは「顧客視点を組織にインストールする方法」として社内向けにまとめたものです。一部を除いて、弊社でほとんど実行しています。

★顧客視点、VOC(Voice of Customer)を組織にインストールする⽅法
・ユーザーインタビューの実施・同席
 ・ビザスク
 ・ネットワークを持つ企業や組織にターゲットユーザーを有料で紹介してもらう
・ユーザーテストの実施・録画試聴会
・ユーザーインタビューでカナリア的な⼈を⾒つけたら3ヶ⽉or 6ヶ⽉間、顧問料を払ってフィードバックをもらい続ける
 ・前提として、複数名に聞く& 特定少数の⽅に継続的に聞くのどちらも必要
・業界への知⾒が深い⼈に3ヶ⽉or 6ヶ⽉間、顧問料を払ってフィードバックをもらい続ける
・ユーザー向けアンケート
・みんなで⾃社サービスをドッグフーディングする
・ペルソナ、カスタマージャーニーマップ作成のワークショップ
・NPSの導⼊
・既存顧客インタビューの実施・同席
・顧客ニーズカードの収集
・問い合わせ内容がPRJメンバー全員に通知されるSlackチャンネル作成
・顧客とのメールのやり取りがPRJメンバー全員に通知される仕組み(メールディーラー)導⼊
・定性的な顧客ボイスがPRJメンバー全員に共有されるSlackチャンネル作成
・顧客情報共有会
・CSでの顧客からの声共有会
・CXO的な顧客体験に責任を持つ⼈を置く
・受託開発や⼀部機能の提供(システム開発における要件定義部分など)、PoC、常駐/半常駐、出向する、モニター企業を募集する、先に受注してしまう(当然、期待値調整はした上で)
・顧客を数社に限定して、サービスを磨き込む
・営業にインタビュー
・営業にアンケート
・ハウスリストやメディアで業界課題アンケートを実施し、Amazon ギフト券5,000円
※株式会社才流ご提供の資料から引用

例えば、お客さまから頂いた問い合わせの内容は、お客さまの関心事やニーズが明確にローデータとして記入されていると思いますので、Slackでプロジェクトメンバー全員に通知しています。ほかには、問い合わせを一元管理できる「メールディーラー」というツールを申し込みました。お客さまとのやりとりにインサイトが詰まっていると考えているからです。

このリストは顧客視点をインストールするために必要な行動を網羅性高く洗い出しているのではないかと思います。

黒澤 例えば「顧客を中心に考えて、戦略を作るのが重要です」と言っても、会社の上の人が理解してくれないという悩みを時折耳にします。それを乗り越えるためには、重要な会議体で顧客のことが話されている状態を作るのが重要です。

先ほど栗原さんの説明で「3C分析などの資料で顧客のことが抜け落ちているケースが見られる」というお話がありましたが、分析資料だけでなく、会議でもそうなりがちです。顧客と向き合う機会の多い現場の人の多くは顧客に対する解像度が高いにもかかわらず、会社としての意思決定がずれるのは、そこに原因の1つがあると思います。

その状態を解消するには、経営陣が出席している会議体でユーザーリサーチの結果を毎月報告するルーティンを作ったり、経営陣の方が現場訪問に定期的に同行する機会を設けたりして、そこから得たフィードバックを社内全体に回す仕組みにしてはどうでしょうか。

重要な会議体に顧客視点の理解を促進させるルーティンを組み込むのを拒否されたり、組み込んでも経営陣が顧客理解の重要性に全く興味がなかったりしてPLにしか目が向いていない場合は、もうその会社でマーケティングのことはあきらめたほうがいいとさえ思います。

栗原 指標にするのが重要という話を以前、黒澤さんとしたことがあります。指標にすると、経営陣の目も向きやすくなります。マーケティングチームや事業部が経営陣に説明する際は、PLやリード数、新規顧客獲得数が指標になると思いますが、レポートのフォーマットがそうした数字だけになると、次第にPLと差分をどう埋めるかにしか興味がなくなり、顧客視点から離れていきやすくなると私も過去の経験から感じます。それは経営陣の能力ではなく、構造的な問題です。ですから、経営陣や事業責任者の会議に提出するレポートのフォーマットに顧客の声を盛り込むような工夫は大事だと思います。

例えば、営業利益率の高さで有名なキーエンスさんでは、現場をよく知る営業担当者が顧客の困り事や要望などの情報をニーズカードとして商品企画の部署に提出するルーティンがあると聞きます。顧客のフィードバックサイクルが組織に内包されている素晴らしい事例だと思います。

――工夫をしていても、顧客ではなく社内の説得に視点が向きがちだという話も聞きますが、そういう場合の解決方法はありますか。

栗原 スモールチームにするのが1つの答えです。組織が大きければ大きいほど複数階層になって上にも横にも説明しなければならなくなり、社内で説明すること自体が重要な課題になってしまいます。

顧客インタビューはインサイトの発見に有効なのに、「お客さまがこう話されていて…」と言うと、上長らから「そんなの1人だけの意見でしょ?」「もっと定量的に頼むよ」などと返されてしまって、説明材料としてなかなか認められない事態が起きがちです。

一方、定量データ、デジタルのデータからインサイトを得るのは難しい気がするのですが、顧客の意見のような定性と比べると、説明時のパワフルさはずっと上です。組織が大きくなり、説明しなければならない人数が増えてくると、定量データで説明したほうが効率的なので、どうしても顧客理解に時間を割くよりデータ分析の比重が大きくなる傾向があると思います。

私は前職で、数十億円規模の会社の経営会議メンバーに入っていたのですが、一般的に組織が大きくなると、どうしても経営側は現場のことがわからなくなってきます。そうすると何をしだすかというと、当時の自戒を込めて言うと、下から上がってきた提案に突っ込むスキルだけが向上して、顧客の話が抜け落ちがちになるのです。

黒澤 「上が変わらないと」と嘆いていても仕方がないので、下からどう変えるのかをアドバイスすると、成功体験が有効だと思います。例えば、ユーザーリサーチからのアクションで成果が出たら、小さなものであったとしても顧客視点に立脚した成果であると報告したほうが良いでしょう。それを繰り返しても経営陣が変わらないのであれば、それはもう組織として厳しいという気がします。

栗原 そう言う黒澤さんも経営陣ですよね(笑)

黒澤 はい。以前は社内課題として顧客価値にフォーカスしきれていないところもありましたが、経営会議でユーザーリサーチに関する報告を自分が定期的に行うと決めて実行しました。その結果、経営陣の認識にさまざまな変化があったと思います。

成果を上げるために必要な「エゴと盲点」つぶし

――続いては視聴者から頂いた質問に移ります。「マーケターとしての力を付けるためにはアウトプットの量が大切だと思います。お二人はどれくらいの頻度で、どのような形式のアウトプットを積み重ねてきましたか」。

黒澤 業務内であれば、自分の仕事できちんと成果を出すのが先決です。その上で例えば「組織を顧客思考に変える」ことを実現したいなら、ユーザーリサーチの結果を詳細に分析して経営者に上げることを自分はしています。

業務外では、先ほど名前の挙がったキーエンスさんのような優良企業のビジネスモデルを分析する「マーケティングトレース」というマーケター向けの勉強会を主宰していまして、そのトレーニングを週3本くらい行っています。優良企業を分析して、自分の関わっているプロジェクトに取り入れたり、横展開したりすることをルーティンで実践してみると、意外と気づきが得られるのではないかと思います。

栗原 前職で転機になったのが、リード獲得を目的としたオウンドメディアを立ち上げてコンテンツを発信したことです。乱暴な言い方ですが、記事をバスらせようと思うと読み手に対する解像度の高さが求められますので、読者理解の思考が身に付きました。加えて、記事を投稿するとTwitterや「はてなブックマーク」でいろいろなご指摘を受けますので、フィードバックサイクルをスピーディに回すことを覚えました。また、幸いにしてたくさんの方に読んでいただくことができ、お客さまからの問い合わせも数多く獲得できました。結果的にコンテンツの作成・発信によって、顧客視点が自分自身にインストールされることになり、非常に良かったと思います。

オウンドメディアを立ち上げるまでは営業をしていたのですが、お客さまより自分の会社や自分自身にベクトルが向いていたのか、あまり売れませんでした。一方、オウンドメディアに掲載するブログは自分たちのことに終始していると読まれませんので、そこでアウトプットに関するマーケターとしてのマインドチェンジを経験しました。ですから、プライベートでブログを書くのは1つの方法として有効ではないかと思います。

ほかにはECサイトの運営もおすすめです。今、友人たちとBtoCサービスを土日に立ち上げています。普段はBtoBの支援に特化しているのですが、BtoCの一般消費者の声も理解したほうが良いと思い、プライベートプロジェクトとして立ち上げました。かなり勉強になっている実感がありますので、サービスの立ち上げはアウトプットとして良いと思います。

黒澤 確かに自分でアフィリエイトを始めてみると、アウトプットの点で学びが多いと思います。

――次の視聴者からの質問です。「マーケティングがうまい人はこれをしない」という思考・行動パターンはありますか」。

栗原 あえて議論を呼びそうな話を投げ込んでみます。ざっくりとした議論なのでそのつもりで受け止めていただきたいのですが、もしかしたら「ミッション」「ビジョン」を作らなかったり、こだわりすぎなかったりすることがパターンとしてあるのではないかと思うときがあります。

私は才流という会社を創業したのですが、ミッションドリブンに立ち上げて大コケした経験があります。「自分はこうしたい」「世界がこうなったらいい」というある種高邁な「ミッション」「ビジョン」を優先してしまったものの、そこにお金を払ってくださる方はいませんでした。やはり何かに価値を提供するから対価としてお金を支払っていただけるわけです。「ミッション」「ビジョン」にとらわれすぎていたのか、その基本的なメカニズムに気づけていなかったと思います。

もちろん今も「ミッション」「ビジョン」を掲げていますが、そこにピュアになりすぎることなく、もっとビジネス自体の追求に目を向けるべきだと考えています。

これに関連してですが、レイ・ダリオというアメリカのヘッジファンドマネージャーが著書『PRINCIPLES(プリンシプルズ)人生と仕事の原則』の中で、人生や仕事で成功しない要因は「エゴと盲点」だと書いています。「自分がこうしたい」と考えるエゴが真実を曇らせ、情報収集や人の意見を聞くのを怠って意思決定をすることで盲点が生まれ、真実から遠ざかってしまうという話です。

この「エゴと盲点」の考え方は本当に重要で、戦略や施策などを自分たちだけで考えて善しとするのではなく、必ず盲点があると思って先輩のマーケターに聞いたり、信頼できる人に壁打ちの相手をしてもらったり、過去や海外の事例を調べたりしてエゴと盲点をつぶす努力をするのはとても大切です。

黒澤 それは重要ですね。顧客はもちろん、コンサルタントなど第三者を起用して多方面からのフィートバックサイクルを作るのはとても大切です。組織も人も、つい自分たち仲間内だけの判断で意思決定をしがちなので、そうならないようにあらためて心がけたいと思います。

栗原 そうですね。いかにエゴと盲点を減らすような経営上のガバナンスを作れるか。それは意外と良い問いなのかもしれないです。

――ありがとうございます。「エゴと盲点をつぶす」。ぜひ皆さん参考にしていただければと思います。

栗原 レイ・ダリオの言葉です(笑)

――次の視聴者からの質問です。「CMOも顧客インタビューや商談に同行したほうが良いでしょうか」。

栗原 CMOの黒澤さんどうですか。

黒澤 CMO…したほうが良いと思います。CMOに限らず、マーケティングチーム全員が1回は顧客インタビューをしたほうが良いでしょう。対面することで、PCや資料を見ながら頭の中だけで捉えていた顧客に対する理解度が身体感覚で進む気がします。

――栗原さんも顧客インタビューに同行していますか。

栗原 はい、しています。ただ、これは事業モデルや規模によって変わると思います。自社が単一の事業で成り立っているのであれば、おそらくCMOも同行したほうが良いでしょう。一方、複数の事業になると、整理しづらい面も出てくると思います。その場合は先ほどのキーエンスさんの例のようにニーズカードを営業担当者に提出してもらうなど仕組み化をすれば、CMOが1回も顧客に会ったことがなくても成立するかもしれないですね。

黒澤 組織の規模によって対応は変わってくるでしょうね。

フィードバックをもらいやすくする「だだ漏れ」とプロセスエコノミー

――次の視聴者からの質問です。「ヒアリング能力を上げる秘訣を教えてください」。

黒澤 まずインタビューの数を増やすこと。絶対に聞くべき基本項目を押さえつつ、先入観を持って質問したり、自分の都合よく回答を誘導したり、変に上手く質問しようと考えたりせずにユーザーの行動を正しく見ることが大切だと思います。ユーザーの言動をニュートラルな立場で捉えつつ成果を上げられるようになるには、やはり場数をこなして自分の型を作るのが重要なのではないでしょうか。

栗原 徹底的に準備することが基本であり、非常に重要な気がします。私もいろいろな方にインタビューやヒアリングをされますが、事前に送られてくる質問事項で質は大体推測できます。インタビューの状況が3Dでクリアにイメージできるくらい事前準備を徹底できれば、当日の充実度は大きく変わるのは確実です。

先ほどのレイ・ダリオの話で言うと、自分ではインタビューの準備を徹底したと思っても盲点があるはずなので、上司や第三者にフィートバックをもらった上でインタビューに臨むのが良いと思います。

――視聴者からの最後の質問です。「顧客や第三者の方のフィードバックを上手く取り入れるコツはありますか」。

栗原 方法については正直、皆さまそれぞれで考えていただくのが良いと思います。ただ、相談するという行動自体のハードルがすごく高いと前職の頃、感じていました。「フィードバックをもらわなきゃ。でも何と言って相談を切り出そうか。どうすれば先輩に時間を取ってもらえるか」と考えているうちに早1カ月…ということもありました。

ですから、フィードバックをもらうために相談に行くとなると手間やハードルが上がるので、基本的には「だだ漏れ」させる考え方が良いと思います。報連相のフレームワークなら報告と連絡を頻繁に行うという意味です。例えば、私は社内の自分のSlackに「タイムライン栗原」というチャンネルを持っていて、そこに考えていることをとにかく出すようにしています。

黒澤 栗原さんと同じ意見で、最近は「プロセスエコノミー」の重要性を考えることがあります。自分の場合、手書きでメモを作り、その後マインドマップにしてから体系化して資料化しているのですが、メモ、マインドマップ、資料と全部のプロセスをSlackやチャットワークで共有しています。そうすると連携を取りやすいですし、都度フィードバックをもらいやすくなります。ですから、「だだ漏れにする」「プロセスエコノミーをルーティンで実践する」のがフィードバックをもらいやすくするコツではないですか。

これは社内に限りません。例えば、自分がコンサルの立場でクライアントに関わるときも少しずつ思考プロセスを共有したほうがフィードバックをもらいやすくなって、信頼される傾向があると感じます。

――ありがとうございます。質問は以上となります。最後にひと言ずつお願いします。

黒澤 マーケティングにはある程度優れた思考・行動のパターンがあり、再現性がありますという話を今回しましたが、最終的には正攻法で勝負しても組織が動かなくて、パターンを脱するフェーズが出てくると思います。ですから、まずはマーケティングパターンを学んで事業フェーズや組織カルチャーに合ったパターンを見極めつつも、鵜呑みにはせずに「+α」の視点を持って自分なりに工夫することが重要です。ぜひ皆さまでカスタマイズしながらご自身のパターンを作り、活かしていただけたらうれしく思います。

栗原 黒澤さんとのディスカッションで思い出したレイ・ダリオの「エゴと盲点」をあらためて良いワードだと感じました。今回出版するのはマーケティングパターンの本ですが、皆さんの中にも「このパターンは知らなかった」「このパターンを活用できていれば、うまくいったかもしれない」という盲点を持っている人がいらっしゃるのではないかと思います。施策の途中でつまずいたり、スピードが出なかったりするときは、この本が盲点つぶしに寄与できることがあるかもしれません。出版されたら、ぜひお読みください。

――本日はありがとうございました。

Profile
黒澤 友貴(くろさわ・ともき)
ブランディングテクノロジー株式会社 執行役員 経営戦略室CMO。
1988年生まれ。「日本全体のマーケティングリテラシーを底上げする」をミッションに9,000人近くのマーケターが集まる学習コミュニティ#マーケティングトレースを主宰。著書は『マーケティング思考力トレーニング』(フォレスト出版)。
Twitter:@KurosawaTomoki

栗原 康太(くりはら・こうた)
株式会社 才流 代表取締役社長。
東京大学文学部行動文化学科社会心理学専修課程卒業。2011年にIT系上場企業に入社し、BtoBマーケティング支援事業を立ち上げ。事業部長、経営会議メンバーを歴任。2016年に「才能を流通させる」をミッションに掲げる株式会社才流を設立し、代表取締役に就任。カンファレンスでの登壇、主要業界紙での執筆、取材実績多数。著書は『事例で学ぶ BtoBマーケティングの戦略と実践』(すばる舎)など。
Twitter:@kotakurihara

記事執筆者

早川巧

株式会社CINC社員編集者。新聞記者→雑誌編集者→Marketing Editor & Writer。物を書いて30年。
X:@hayakawaMN
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