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インタビュー

学生層のアルバイト求人サイトで第一想起を奪取した「バイトル」のマーケティング戦略とは――ディップ マーケティング統括部長・堀一臣インタビュー

最終更新日:2024.06.06

The Marketing Native #46

ディップ マーケティング統括部長

堀 一臣

仕事やアルバイトを探すとき、多くの人がまずチェックするのは求人サイトでしょう。しかし、求人サイトによってアルバイトの求人広告の内容が大きく変わるわけではなく、差別化やシェア逆転が難しい領域かもしれません。

そこに新たな価値を創出すべく挑戦しているのが、ディップ株式会社でマーケティング統括部長を務める堀一臣さんです。堀さんが手がけた新プロモーションが若年層を中心に支持され、アルバイト求人サイトで学生層の第一想起を奪取。過去最高の応募数を記録した結果、コロナ禍で低迷していた売り上げのV字回復を達成しました。

どんなマーケティングが奏功したのか。今回はディップ マーケティング統括部長の堀一臣さんに話を聞きました。

(取材・文:Marketing Native編集部・早川 巧、撮影:矢島 宏樹)

※肩書、内容などは記事公開時点のものです。

目次

求人広告の内容はどの求人サイトも同じ。そこでどう勝ち切るか

――まず堀さんの人物像を読者にお伝えしたいので、簡単に経歴や実績を教えてください。

新卒で入社した資生堂からGame Withを経て、ディップには2021年にマーケティング統括部長として入社しました。資生堂ではマーケティング部に所属し、メンズスキンケアブランド「uno」(現在はファイントゥデイ資生堂)のブランドマネージャーを務め、5~6番手だったシェアをNo.1ブランドへと成長させたのが実績です。

その後、GameWithでは新たにマーケティング戦略部を新設し、自ら部長を務めるとともに、同社で初となる有名タレントを起用した大型プロモーションをリードし、国内No.1ゲームメディアのポジションを確立させました。

ディップに転職したのは、この会社が大切にしている「フィロソフィー」(企業理念)に共感し、ディップで働くことを通して、自分も社会課題の解決に貢献したいと考えたからです。

――なるほど…実際のところはどうですか。「フィロソフィー」「社会課題」というと、ちょっと遠くに感じてしまって…。

そう感じられるかもしれませんが、「フィロソフィー」がお飾りの言葉ではなく、それぞれの業務の中に具現化されて社員全員に浸透しているところがディップの強みのひとつになっています。その点をお話ししていきたいと思います。

――わかりました。ディップではどんな仕事をしているのですか。

「マーケティング統括部」という部署でマーケティングチームを率いる統括部長をしています。ミッションは売り上げと応募数を上げること。売り上げとは、「バイトル」や「はたらこねっと」などディップの求人サイトに、広告主である企業やお店の求人広告を掲載する対価として頂くお金のことです。もう1つ大事なのが、ユーザー(求職者)の応募数を増やす集客。ディップは売り上げと応募の両輪を回すことで成り立っている会社なので、toC、toB両方の数字を上げることが我々に求められています。

――競合他社と比較して、バイトルのシェアは何番手くらいですか。

No.1を目指して、せめぎあっている状態です。

求人業界に入社してから気づいた課題がいくつかあります。一番は価値の同質化で、求人サイトに掲載されている案件は基本的に他社も同じ内容になっています。ゆえにユーザーは求人サイトの違いまで把握しておらず、またその差を調べたりもしません。実際、バイトルのユーザーの約9割が競合サイトを併用しているというデータもあります。

どの求人サイトも大して変わらないとユーザーに思われている限り、「アルバイト探しなら〇〇」の「〇〇」に各社のサービス名、ブランド名が入るプロモーションCMを体力勝負で打ち続けなければなりません。求人サイトに対する関与度が低い市場でバイトルが勝ち上がるためには、独自の価値や新たな市場をつくり、「バイトルだけを利用する」「バイトルだからいい」と考える人を少しでも増やしていく必要があります。

「時給UP企業応援団」企画の記者発表会の様子。左から冨田英揮(ディップ代表取締役社長 兼 CEO)さん、秋元真夏さん、齋藤飛鳥さん、はじめしゃちょーさん。(画像提供:ディップ株式会社)

国、企業、ユーザーが「三方よし」のプロモーション

――コロナ禍で休業や時短営業を余儀なくされた企業を中心に求人案件数が下がり、ディップも売り上げがダウン。その後2021年11月から始めた新プロモーションが成果を上げ、V字回復のきっかけになったとのこと。どんなプロモーションですか。

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・「できるわけがない」を乗り越えるときに大切な“大義名分”
・「誰が、何を言うか」を追求し、学生層の第一想起を初獲得
・マーケと営業の密な連携で、さらなる成果を
・マーケターが言ってはいけない、このひと言

記事執筆者

早川巧

株式会社CINC社員編集者。新聞記者→雑誌編集者→Marketing Editor & Writer。物を書いて30年。
X:@hayakawaMN
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