facebook twitter hatena pocket 会員登録 会員登録(無料)
インタビュー

リクルート史上最強の営業ウーマン・森本千賀子さんが教える「経営者が是が非でも欲しいCMOの条件」

最終更新日:2023.05.30

Leaders' Session Room #02

株式会社morich代表取締役

森本 千賀子

株式会社CINC代表取締役

石松 友典

時代は令和に突入。ビジネスの世界では今、正解のない、変革の時代を生き抜くための処方箋を描ける存在として、CMO(チーフ・マーケティング・オフィサー、最高マーケティング責任者)が注目されています。

企業の経営者はCMOにどのような役割を期待しているのでしょうか?また、マーケターがCMOになるためには、どのようなキャリアを積む必要があるのでしょうか?

カリスマ転職エージェントとして、リクルート時代に数々の輝かしい成績を収めた伝説のスーパーウーマン、株式会社morich代表取締役の森本千賀子さんに、Marketing Native運営者の株式会社CINC代表取締役・石松友典が話を聞きました。

(構成:Marketing Native編集部・早川 巧、人物撮影:稲垣 純也)

目次

企業の成長を加速するCMOという存在

石松 本日はCMOの転職事情についてお聞きしたいのですが、その前に森本さんが最近、経営者の方々とお話しされる中で、各企業の業績の好不調や採用意欲の増減などをどう感じていらっしゃいますか?

森本 採用マーケットにおいてネガティブな予兆は全く感じません。確かに金融機関にお勤めの方から、「これから先、リーマン・ショックのような大きな出来事があるかもしれない」というお話が出ることもありますが、企業の採用意欲自体は今も活発です。特にベンチャーマーケットは相変わらず争奪戦ですね。

一定の成長を達成したベンチャー企業の多くは、事業ビジョンのさらなる推進を図るため、IPO(新規株式公開)で資金調達を行い、認知度の向上に努めようとします。その2年ほど前が採用に関する1つの山で、「株式上場を手がけた経験者が欲しい」「管理体制を整備できる人はいないか?」「事業を強力に推進していける人を求めている」というご依頼が多数寄せられます。

石松 経営者の方々と話をしていて感じる悩みや課題には、どのようなことがありますか?

森本 大きく2つあります。1つは先ほどのベンチャー企業の例と同じで、創業時から順調に来ていたのに、ある程度まで達した段階で踊り場を迎えてしまった企業のケースです。トップラインをさらに上げていきたいのに、現状の人的リソースでは売り上げの伸びも従来の成長曲線の延長線上でとどまってしまいそうなので、「加速して倍にできるような人材はいないか?」というわけです。

石松 企業によって課題はさまざまだと思いますが、そういうときに、CXO(役員)のようなポジションで、特にニーズがあるのは何でしょうか?

森本 まずあるのはCFO(最高財務責任者)やCHRO(最高人事責任者)です。企業が加速度的に成長していくためには、組織力を上げなければいけません。財務・労務などの管理体制や採用面を強化して、より魅力的な会社組織にしていく必要があります。

もう1つ注目されているのがCMOです。売りを立てるという意味では、セールスに強いCOO(最高執行責任者)を採用して、その方がマーケティング担当を兼任するという形もありますが、それでは業績が踊り場を迎えた企業が、想定をはるかに上回る加速度的な成長を成し遂げるには不十分なようです。そうしたときにクローズアップされるのがマーケティングの必要性であり、CMOの存在は、成長曲線が緩やかになり始めた企業の大半に浮上するニーズと言えます。

経営者がCMOに求める役割

この記事は会員限定です。登録すると、続きをお読みいただけます。
残り5,798文字

・CMOとして成功する人の共通点
・CMOを目指すマーケターが経験しておきたいこと
・成長カーブを高めるために必要な「変化する勇気」
・転職するとき、スキル以上に大切なこと
・CMOは「正解のない時代」の名参謀

記事執筆者

早川巧

株式会社CINC社員編集者。新聞記者→雑誌編集者→Marketing Editor & Writer。物を書いて30年。
X:@hayakawaMN
執筆記事一覧
週2メルマガ

最新情報がメールで届く

登録

登録