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コンテンツマーケティング

ペルソナ設定のメリットとWebマーケティングで作る際の項目例

最終更新日:2022.05.17

ペルソナとは、収集したデータをもとに作成する具体的なユーザー像のことで、コンテンツを作る際の指標となります。設定することで、ユーザー中心のコンテンツ制作やチーム内での認識共有に役立ちます。
では、具体的にどのような項目を設定すれば良いのでしょうか。
この記事ではコンテンツ制作の担当者に向けて、ペルソナを設定するメリットと作り方・項目例をご紹介します。

目次

ペルソナを設定するメリットとは?

自社サイトで対象とするユーザーについて、年齢や性別といった大まかな枠で想定するのではなく、明確な個人像であるペルソナを用意すると、以下のようなメリットが生まれます。

コンテンツをユーザーが求める内容に特化できる

ペルソナを設定すると、ユーザーにとって利便性が高いコンテンツを制作できます。
例えば、初心者から上級者までを対象にした記事を作ろうとすると、基礎から応用までさまざまな情報を詰め込むことになり、ユーザーの利便性が下がることがあります。不要な情報が多くなり、ユーザーがそれぞれ必要としている情報にたどり着くまで時間がかかるからです。
また、あれもこれもと内容を詰め込んでしまうと、一番伝えたい・宣伝したい要素がぼやけてしまい、伝わらないこともあるでしょう。
ペルソナを設定すると、コンテンツを本当に必要なものに絞り込むことができ、不要なものを制作する手間やコストを省けます。

チーム間での認識の統一に役立つ

ペルソナを明確にすることで、サイト制作に携わるチーム内で共通の認識を持ち、効率的に議論やプロジェクトを進められます。

例えば、「30代 会社員 男性」をターゲットにしてスポーツジムのコンテンツを作成する場合を考えてみましょう。単に「30代 会社員 男性」といっても、想像の中のターゲットはチーム内の各個人によって大きく変化します。「病気とは無縁で飲み会が大好きな30代会社員男性」を想像する人もいれば、「健康志向の生活を心がけている30代会社員男性」を想定する人もいます。
認識のズレがある状態で作業を進めてしまうと、ターゲットの異なるコンテンツが出来上がり、内容の修正に時間を取られることもあります。コンテンツの再制作や修正は時間と費用の両面に響くでしょう。

ユーザーに伝わりやすい内容にすることができる

データをもとに明確なペルソナを設定すると、対象ユーザーに合わせた訴求が行えます。ユーザーがどのようなことに魅力を感じるのかなどが具体的に想定できるため、強調すべき要素を把握できるからです。
また、ペルソナによってコンテンツの表現にも違いが出てきます。
「男子高校生」をターゲットにする場合でも、ペルソナが部活帰りの運動部部員であれば、説明などにスポーツの例を使うと、ユーザーも共感しやすい「刺さる」コンテンツになるはずです。一方、運動とは無縁のインドア派の高校生には、スポーツの例を用いても伝わりにくいでしょう。

ペルソナの設定方法

ペルソナは詳細な項目を設定すると、より具体的に作ることができます。
ここでは、ペルソナを設定する際に必要な情報の集め方や項目例をご紹介します。

1. ユーザーの情報を集める

口コミを調べる

商品やサービスを知ったきっかけ、どの部分に魅力を感じているなどの意見のみならず、主なユーザーの年齢や性別、サービスに対する反応なども読み取ることができます。
また、SNSや大規模な口コミサイトの場合、ユーザーが自社以外にどのような商品・サービスに口コミをしているかもチェックできます。そのため、ユーザーがほかにどのような商品を買っていて、どんな店に行っているのか、生活パターンや趣味など、多くの情報を読み取れる場合もあります。

ツールを活用する

アクセス解析ツールや公開されている調査データなど、活用できる情報は多く存在します。ここでは、その一部をご紹介します。

【Googleアナリティクス】
サイトがすでに立ち上がっている場合、Googleアナリティクスが役立ちます。Googleアナリティクスは、Googleが無料で提供するアクセス解析ツールです。サイトの訪問者数・使用デバイス・訪問者の流入元などがわかります。
なお、機能拡張版で有料のGoogleアナリティクス360も存在します。

※画像出典:Googleアナリティクス

【e-Stat】
e-Statは各府省が公表する統計データをまとめたサイトで、統計データを検索することができます。
職業ごとの月収を調査したデータ(例:賃金構造基本統計調査)や、世帯ごとの収支に関するデータ(例:家計調査)などが見られます。


※画像出典:e-Stat

ユーザーインタビューやアンケート

口コミやツールを使って収集できる情報には限りがあります。「2.集めた情報を個人に集約する」で挙げている項目例の中で、収集できなかった要素については、ユーザーインタビューやアンケートを行うと良いでしょう。
Googleフォームを使えば、簡単にアンケートフォームを作成し、サイトに埋め込むことができます。

2. 集めた情報を個人に集約する

集めた情報をもとに共通項を探し出し、項目ごとにまとめます。
例をもとに商品やサービスにとって必要な項目を取捨選択・追加すると良いでしょう。

項目例

・年齢
・性別
・仕事
・肩書
・最終学歴
・既婚/未婚
・家族構成
・収入
・勤務地
・趣味
・インターネットの利用時間
・インターネットの閲覧に利用しているデバイス
・主な閲覧メディア
・サイトへの訪問頻度
・サイトへの流入元
・サービスを利用する動機
・サービスに対する反応

収集したデータから読み取れない項目については、次の工程で適宜補填します。

3.具体的な一人の人間に仕上げる

データをもとに埋めた項目一覧を参考に、ペルソナの「一日の行動」「価値観」「悩み」「利用動機」など、データからは読み取りにくい部分を想像し、明確な個人像に仕上げていきます。
口コミやSNS、アンケートから共通項を見いだせていれば、その内容をもとに埋めることも可能です。

項目例2

・生活パターン
・性格
・こだわり
・目標
・価値観
・興味の対象
・抱いている悩みや課題
・メディアリテラシーに対する自己認識 

上記は、スポーツジムのコンテンツ用に設定する30代男性のペルソナの例です。

ペルソナを設定する際のコツ

ペルソナを設定する際には、いくつか注意したいポイントがあります。
以下の点に注意して、より正確なペルソナを作りましょう。

 思い込みには注意

ペルソナを一度設定した後、それが絶対的なものであると思い込まないようにしましょう。実際の人物にリサーチを行い、一度設定したペルソナと現実のギャップを小さくすることも大切です。
また、設定するペルソナに自分と近い部分がある場合、自身の生活習慣などを無意識に反映させてしまうことがあるので注意しましょう。

設定後も見直しは必要

ユーザーの動向は常に同じではありません。定期的にデータを収集し直し、ペルソナを見直すことをおすすめします。

行動よりも動機を重視

想定しているユーザーの行動パターンを明確にするだけでなく、行動に至るまでのプロセスも考え、同様に深めていきましょう。動機や理由も深掘りすると、具体的な施策につなげやすくなります。

ペルソナは複数人作ることも可能

理想の顧客像を一つに集約しにくい場合は、ペルソナを複数人作りましょう。
例えば、子供向けのおもちゃやゲームに関するコンテンツを作成する場合、子供のみならず、購入者である親に向けての施策も必要です。子供のペルソナだけでなく、親を想定したペルソナも作成し、それぞれに合ったコンテンツを用意します。
ただし、ペルソナは無意味に増やして良いわけではありません。必要に応じて、適切な数のペルソナを設定しましょう。

ペルソナはユーザー目線を欠かさないためにも重要

ペルソナを設定すると、チーム内で共通認識ができて事業の効率化を図れるだけでなく、ユーザーのニーズをより強く反映したコンテンツを制作することができます。
Webコンテンツを制作していると、PV数ばかりに目が行き、画面の向こうにいるユーザーの目線が抜け落ちてしまいがちです。
データではなく顧客の声を集約した「特定の個人」を想定することで、自然とユーザーが共感しやすいコンテンツになるでしょう。また、ペルソナは意識をユーザー目線に戻す道標にもなります。
ペルソナを設定し、Webマーケティングにぜひ役立てましょう。

記事執筆者

Marketing Native編集部

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