2018.06.20

ARの活用法とは?マーケティングにおける活用事例3つ

拡張現実のARは、近年さまざまな場面で活用されるようになった技術の一つです。2016年に登場し、世界中の人々が熱狂した「Pokēmon(ポケモン)Go」もARを利用したアプリです。ARを用いると、実際の風景に3D映像などを付加することができ、こうした技術はマーケティングにおいても活用されている例が見受けられます。

今回はARの基本的な知識と実際の活用例、アプリ以外の形態についてご紹介します。

目次

現実世界の空間を拡張するARとは?

ARは具体的にどのようなものなのでしょうか。混同されがちなVRについても学びながら確認していきましょう。

ARとVRの違い

ARとは「Augmented Reality」の略で、日本語では一般的に「拡張現実」と訳されます。現実世界の風景などに新たな情報を付け加えることで、人が認識できる空間の幅を広げる技術です。有名な例としては、2016年に爆発的な人気を記録した「Pokēmon(ポケモン)Go」や写真撮影アプリ「スノー SNOW-ARカメラ」などが知られています。

ARとよく混同されるものがVRです。VRは「Virtual Reality」の略で、現実を模した仮想現実を体感できる技術です。ARが現実の風景などに情報を重ね合わせ、空間を拡張するのに対し、VRは現実とは異なる空間を作りだす点が異なります。

ARの種類

ARは大きく3つの種類に分けられます。

ロケーションベースAR

GPSや磁気センサー、加速度センサーなどから取得した情報を付け加えるARです。スマートフォン・タブレット端末など、既存のデバイスやプラットフォームで容易に利用できます。

ロケーションベースARは地図アプリなどに活用されており、例えば、目的地を設定した後スマートフォンを道にかざすと、ARによって進行方向を示してくれるものなどがあります。地図を読み取るのが苦手な人や、初めて訪れた場所で道に迷ってしまった人に便利な技術です。

マーカー型ビジョンベースAR

ビジョンベースARは画像認識技術や空間認識技術などを用いて情報を表示するARです。「マーカー」と呼ばれる特定の図形をカメラが読み取ると、情報が表示される仕組みになっています。マーカーを起点に情報を加えられるため、情報を表示したい場所に位置情報なしで正確に表すことができます。

マーカー型ビジョンエースARは教育現場などで活用されており、教科書ARが例として挙げられます。算数の立体図形のように教科書の紙面だけではイメージしづらかった立体も、ARによって表現することができ、子どもたちの学習サポートにつながっています。

マーカーレス型ビジョンベースAR

マーカーレス型ビジョンベースARは、マーカー型と異なりマーカーが必要ありません。映し出された画像を認識・判別し、情報を付加するARです。マーカーを設置しにくい場所や風景などを用いる際に使われます。

最も身近な例として知られるのは、写真撮影アプリ「スノー SNOW-ARカメラ」です。人の顔を認識・判別し、犬や猫の耳のようなさまざまな情報を付け加えます。

ARの活用事例

ARを活用することによって、顧客にサービスや商品をより効果的にアピールしている企業があります。ここでは、ARの活用事例を3つご紹介します。

IKEA Place

家具の販売で知られるイケア・ジャパン株式会社は、自分の部屋やオフィスにイケアの家具を設置したイメージを映し出せるアプリ「IKEA Place」を提供しています。家具を購入する際、多くの人にとって問題となるのは、実際にその家具を家に置いた場合に、どのようになるのかを確かめられないことです。「IKEA Place」では、端末を使用して部屋の床を映し出し、購入を検討している商品を選択すると、実際に家具が置かれている様子がARで再現されます。顧客にとっては、アプリを利用することで「購入した家具が合わない」などのトラブル防止にもつながり、商品購入へのステップを促す上で効果的なアプリと言えます。


画像提供:イケア・ジャパン株式会社


画像提供:イケア・ジャパン株式会社

LIFULL HOME‘S

不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME’S」の運営などで知られる株式会社LIFULLは、「ARお部屋計測」機能を備えたiPhone/iPadアプリ「LIFULL HOME‘S」を提供しています。「ARお部屋計測」は、内見している部屋をスマートフォンで映し出すと、1cm単位で採寸できる機能です。ユーザーは物件を見学する際にメジャーを使用して採寸する必要がなくなり、手持ちの家具を設置できるかどうか検討しやすくなります。

Virtual ARTIST

フランスの大手化粧品販売店Sephoraは、ModiFace社のAR技術を用いて、「Virtual ARTIST」というメイクのシミュレーションができるアプリを提供しています。

「Virtual ARTIST」では、3つの機能を利用することができます。1つ目は「PRODUCT TRY-ON」で、写真を使って気になる化粧品を試用できる機能です。化粧品を購入しなくても、自身の顔と化粧品との相性を確認することができます。2つ目は「LOOKS」です。Sephoraがあらかじめ用意したメイク方法を体験できる機能で、自分に合うスタイルが確認できます。3つ目の機能は「VIRTUAL TUTORIALS」です。自分の顔の特徴を読み込ませると、手順ごとに最適な化粧の仕方を説明してくれます。なお、「Virtual ARTIST」はECアプリでもあるため、気に入った商品はそのまま購入に進むことも可能です。

※ModiFace は2018年3月にL’Orēal社によって買収されています。

進化するARの形

ARは未だ発展途上にある技術のため、今後もさまざまな用途に活用されて発展していくでしょう。ここでは、新しいARの形についてご紹介します。

メガネ型AR

メガネ型ウェアラブル端末、もしくはスマートグラスと呼ばれるもので、すでに、ソニー株式会社(SmartEyeglass)やセイコーエプソン株式会社(MOVERIO・モベリオ)、サン電子株式会社(AceReal One)から発売されています。スマートグラスに搭載されたカメラで装着者が見ている情報を取得し、その内容をもとにメガネレンズ型ディスプレイに情報を付加する仕組みです。主に産業分野での活用が進んでおり、スマートグラス上に指示を表示し、荷物の搬入を効率化するといった用途に使用されています。

コンタクト型AR

AR技術を搭載したスマートコンタクトレンズも多数の企業で開発が進んでいます。装着すると、レンズ上に情報が映し出されるイメージです。メガネよりも非常に小さく、各部品の小型化が必須となるほか、眼球と直接触れるため、安全性や衛生面の管理も重要です。また、電源をいかに供給するかについても課題となっており、実用化は一部のみとなっています。近年ではコンタクトレンズメーカーの株式会社ユニバーサルビューが、2020年の完成を目指し、スマートコンタクトレンズを開発中であると発表しています。

アプリ型AR

Googleのソフトウェア開発キット「ARCore」のリリースが2018年2月に発表されました。すでにGoogle Pixelなどの端末で対応が始まっています。「ARCore」はスマートフォンを通して、実景にCGを付加し、動かすことができるアプリです。

また、消費者テクノロジービジネス専用のカンファレンス「CES2018」では、カリフォルニア州発のスタートアップ企業が、最新のモバイル端末だけでなく$100のアンドロイド端末でも対応できるARエンジンを公開しました。

上記のようにARは開発が進んでおり、今後はより一層身近な技術になる可能性が高くなっています。

ARの積極的な活用と今後の動向に注目

ARは便利な技術です。ARを活用すれば、これまで不可能とされてきた形で顧客に商品をアピールすることもできます。今後、ARがより身近な技術になっていけば、導入する企業も増えていくでしょう。また、メガネ型ウェアラブル端末やコンタクトレンズなど、ARの形態はアプリだけにとどまりません。ARの動向に注目し、自社サービスにも活用できないか検討してみてはいかがでしょうか。

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