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巣ごもり消費で利用者増加!話題の貸し借りアプリ「アリススタイル」が企業に注目される理由とは?

最終更新日:2022.04.07

フリマアプリの登場で、オンラインでの個人間売買は急速に普及しました。その一方で、個人間の貸し借りをサポートするプラットフォームも登場し、近年注目を浴びています。モノの貸し借りの仲介を担う運営会社が、個人間でやり取りするレンタル料金の中から手数料を得るというビジネスです。

特に「アリススタイル」は個人間のレンタルだけにとどまらず、企業から商品の提供を受けて貸し出したり、航空会社や不動産会社と提携して新サービスを導入したりと活発な動きを見せています。なぜ「アリススタイル」は多くの企業との提携を成功させているのでしょうか。「アリススタイル」の運営元である株式会社ピーステックラボの村本理恵子社長に話を伺いました。

※本記事の取材は3月中旬に行いました。現在もサービスは継続中で、メンテナンスセンターで管理しているレンタル商品は、全て消毒を行っています。

(取材・文:Marketing Native編集部・岩崎 多 人物撮影:国井 祐輔)

 

目次

レンタル市場はマーケティングに利用できる

――ピーステックラボで提供している「アリススタイル」のサービス内容を教えてください。

端的に言うと、モノをシェアリングするプラットフォームです。「誰かにモノを貸してもいい」という個人の方あるいは企業が、アリススタイルのアプリ上で貸したい商品を出品します。そして、その商品を借りたいと思った個人の方と貸し借りの取引を行います。すべての取引がアプリで完結し、商品発送などの物流も追跡・確認できるというサービスです。

村本理恵子社長。運営元のピーステックラボはシェアオフィスを使用している。

――シェアのプラットフォームを作ろうと思ったきっかけは何ですか?

単純に言うと「これから人はモノをあまり持たなくても済むのではないか」と感じたことが最大のきっかけです。

日本は今、終身雇用以外の雇用体系が広がっているのに加えて、昔のように給料が上がり続ける社会ではなくなってきています。多くの人が豊かに感じられる環境をつくるには、商品を買うよりも安い金額でモノを利用できるサービスが必要だろうと思いました。また、家に置かれているモノの多くは毎日使うわけではなく、各家庭の持ち物がすべて同じというわけでもありません。そうした点も踏まえて、まず商品を買うのではなく、他の家庭が持っているモノを借りて体験するような社会になるだろうと考えました。

もう1つ始めた理由として大きいのは、レンタル市場は商品との出合いの場としてマーケティングに利用できる点です。今、SDGsなどサスティナブルへの意識が向上していると思います。無駄を生まない、在庫の大量廃棄はもったいないという価値観は、モノを共有する社会ともマッチします。企業にとっても商品を廃棄するよりは、ユーザーに使ってもらったほうが良いですし、もし商品が気に入れば、ユーザーは「この商品は良いな」という気づきを得られます。その後、商品を買う可能性もあるでしょう。そうした点に、レンタル市場の可能性を見いだしました。

「アリススタイル」のホーム画面。画像提供:ピーステックラボ

――アプリを介して個人で貸し借りすることから「シェア版のメルカリ」と言われることもあるそうですが、個人間のレンタルも成り立つと考えたのはなぜですか?

フリマアプリで「売る」モノは自分にとってもういらないモノなんです。一方、「貸す」モノは不要ではないけれど、日常で頻繁には使わないモノです。例えば、ホームベーカリーであれば、毎日パンを焼くわけではないけれど、ときどき焼いてみたいという人がいると思います。でも、ひとたび売ってしまったら、新たにホームベーカリーを購入するまでは自宅で二度とパンを焼けません。

人は家の中におよそ3万点のモノを持っているそうです。その中には「今は使わないけど取っておきたい」とか「思い入れや思い出がある」ために捨てられないモノが何割かあるものです。我々がレンタルの対象にしているのは、そうした捨てるまでには至らないモノのため、成り立つのではないかと考えました。

――整理整頓の話では「1年使わなかったモノは再び使う可能性が低いので捨てましょう」とよく聞きますが、実際はそうは言っても捨てられない人が多いということですか?

それもあると思います。ただ、「アリススタイル」のユーザーの行動を見ていると、所有権を放棄しないことで、人から感謝される機会が増えることに喜びを感じている人も多いようです。売る場合は一度きりの感謝で終わってしまうけれど、人に貸す場合は貸すたびにお礼を言われますし、多くの人に貸し続けることができます。さらに、家では死蔵していたモノが活きることへの喜びもあるのではないかと思います。

ネット広告ではなくアンバサダーで利用者を増やす

――「アリススタイル」で特に人気があるのは、どの商品カテゴリですか?

今、一番人気が高いのはビューティーの分野ですね。ヘアドライヤーや美顔器、スチーマーといった、女性の「きれいになりたい」という願いを叶える美容家電が多く借りられています。「次の新しい美容家電を買いたい」「他のモノを使ってみたい」との思いから貸し出す人が多くいます。

今あるカテゴリは、ユーザーに実証実験を行った結果を踏まえてつくりました。サービス開始前の2017年12月に100名ほどの方を対象に、実際に何を出品したり借りたりするか実証実験を行ったんですね。その中で圧倒的に人気が高かったのが美容家電で、その次がキッチンまわりの調理家電でした。さらに家事の手助けになる「ルンバ」のような生活家電や、フィットネス用品などの需要も見られたのでカテゴリに反映しました。

レンタルされる商品はカテゴリから検索することも可能。画像提供:ピーステックラボ

――女性がメインとなると、バッグなどブランドグッズの需要はなかったのですか?

我々は、外に何かを持っていくという需要よりは、日常生活の中での体験をより豊かなものにするところに主眼を置いています。ブランドバッグなどを借りられるサービスは既に他社でもありますし、そうしたモノを借りたいと考えているユーザーは、我々のターゲット層とは異なります。

――貸し出される商品の平均的な価格帯はどのくらいですか?

だいたい1週間借りるのに、2500~4000円くらいの価格帯のモノが多く出品されています。レンタル期間は1週間単位で決まっていて最大4週間までです。

個人で貸し出ししている方は売り上げから手数料と送料が差し引かれます。ひと月で5000円ほどの売り上げを稼いでいらっしゃる方が平均的です。貸し出す商品の発送方法は、我々に商品を預けて代行出品する「代行委託出品」と、自ら発送作業も行う「セルフ出品」の2種類あります。セルフ出品は手数料が少ないため、利用ユーザーの中には数万円稼ぐ方もいらっしゃいます。

――サービス開始は2018年からですが、利用者の数や男女比はどのくらいですか?

アプリのダウンロード数はおよそ25万です。ユーザーの70%が女性で、さらにその70%が20~30代の方です。もともと我々は女性をターゲットにスタートしているので、想定通りになっています。

――借りる人と貸す人、それぞれ利用者に傾向はありますか?

借りたい人のニーズは「試してみたい」「買う前に確認したい」「話題の商品を使ってみたい」などさまざまです。例えば「高級な圧力鍋を使ってこんなお料理をつくりました」といった写真をインスタグラムにアップしたいというニーズもあります。

一方貸す側は、人気商品は何か、何が一番借りられているかを踏まえて出品する人も多くいます。自分が持っているモノをそのまま貸すケースもありますが、お小遣い稼ぎをしたいという目的があるので、人気の商品をわざわざ買って貸すという投資的側面の大きい活用の仕方をするユーザーもいます。

作成:Marketing Native編集長・佐藤 綾美

――利用者を増やすために行った施策はありますか?

最初はネット広告を打ち出してお客様を集めましたが、それよりもうまくいったのは、アンバサダーという形でファンをつくる施策です。我々に相性が良さそうな人たちにインスタグラムの中でお声がけし、アンバサダーになってもらいました。

アンバサダーには直接、うちの商品をプロモーションしてくれないかということでお声がけしています。サービスに共感してくれている方が20~30人ほどいらっしゃって、キャンペーンの際にはこちらからご連絡をして、協力してもらっています。商品のレンタル料金を無料にしていますが、謝礼は支払っていません。彼女たちも美顔器やドライヤー、調理家電など新しいモノに興味があり、我々のサービスにはそういったモノが揃っているので、それを使えるだけでもメリットがあって投稿してくれています。

このサービスは生活を変える新しい思想だと考えています。ですから、単純に「お金が稼げます」「安く借りられます」ということで人を集めても、大きな人の流れは生み出せません。コンセプトやライフスタイルへの共感を伝えて理解してもらうほうが重要です。通常のネット広告ではどうしてもキャッチーな言葉や値段を打ち出す必要があります。そうではなくて、例えばママさんたちが集まる1000人ほどのコミュニティと丁寧に提携するなど、理解してくれる人たちをどう増やすかが重要だと感じています。ネット広告にお金をかけなくても、アプリの利用者は毎月1000~2000人はオーガニックで増えています。

「アリススタイル」のインスタグラム公式アカウント(alice.style_official)。画像提供:ピーステックラボ

メーカー、不動産、航空会社もマーケティングに利用できる

――アンバサダーマーケティングと相性が良かったということですが、「アリススタイル」は企業との提携にも力を入れているように感じます。企業がマーケティングに「アリススタイル」を活用する方法にはどのようなものがありますか?

サンプリングに使用することができます。例えば車の試乗会はよくありますが、家電を試しに使ってみる機会はあまりありません。量販店で少し試すことはできたとしても、家の中で一定期間使って試してみるという機会はありませんでした。

例えば昨年(2019年)7月、パナソニックさんから100台の新製品のヘアドライヤーを提供いただきました。我々の場合、メンテナンスして次の方に貸し出す仕組みができているので、100台を500人の方に貸すことができます。これまでは100台あれば100人に配るだけで終わってしまってたところですが、期間さえ調整できれば5倍の人数のレビューをもらうことができます。そういうマーケティングの場として、「アリススタイル」を活用していただけます。

先ほどのヘアドライヤーの場合は商品自体が良かったこともあり、8割くらいの人が買いたいとおっしゃったんです。使ってみたらすごく髪の毛に良かったから、ユーザーは「やっぱり買いたい」という気持ちになる。新しいマーケティングの形だと思います。

さらに今考えているのは、例えばヘアドライヤーをお試しいただく方に、シャンプーを付けるなど、消耗品もセットにしたサンプリングです。調理家電であれば調味料をセットにすることができます。我々は単なる家電のレンタル業ではなく、生活シーンに合わせてお客様に実体験を提供する仕事なので、良い商品と出会っていただくマーケティングの場であることが重要だと感じています。

貸し出されたヘアドライヤー。画像提供:ピーステックラボ

――メーカー以外でも、マーケティングに応用できるのですか?

例えば、賃貸住宅に契約するときに、腹筋を鍛えるシックスパッドやスマートスピーカーなどが無料で借りられるサービスを始めています。不動産会社などから一定の手数料をいただき、契約された方々に希望のモノをお届けしています。

いわゆる洗濯機だとか必需品的な家電は安く買えるので、我々が手を出す分野ではないと思っています。美味しいパンが焼ける専用トースターなど、「もう少し豊かな体験をしたい」「ちょっと楽しみたい」という気持ちを満たすことが我々の役割だと思います。

――今年(2020年)に入り、ANAと提携した「手ぶら旅行サービス」を開始されましたが、こちらも体験を売りにしたサービスということですか?

そうですね。旅行で一番面倒なのは荷づくりだと思います。旅行から帰ってくると、荷物を開けるのさえ面倒だったりします。そこで、下着やお気に入りの洋服など最低限必要なものだけを用意すれば、その他の必要なモノは旅行先のホテルで借りられるという、ほぼ手ぶらで旅行ができるサービスです。

もともと我々は「持たない自由」というのを1つのコンセプトにしています。「アリススタイル」では、家の中の一部の商品を「所有せずに使う」という自由を提案しましたが、持たない自由は、家の中だけにとどまりません。家の外に出る旅行においても、無駄なモノを持たない自由を追求しています。

これは私の実感ですが、旅行の予約をするときは結構ウキウキしているのに、旅行2日前くらいに少しブルーになるんですよね。スーツケースに詰めるという作業が嫌になるんです。また、旅行中も多くの不便があります。持ち運べる荷物の量に限界があるため、旅行先では家の環境を完全には再現できないというストレスがあります。例えば、毎日エクササイズをやっている方だと、ヨガマットを使いたいけれどホテルのカーペットだけですし、ヨガマットを持っていくのは重たくて現実的ではありません。ランニングが趣味の人も、専用シューズを1足入れると荷物が増えるので、結果的に我慢していると思います。旅は楽しい反面、実は我慢していることが多いと感じます。

借りられる商品ごとにパッケージ化している。画像提供:ピーステックラボ

「なぜこんな不便なことをしているのかな」と思いました。これは、ほとんどのモノを現地で借りて済んでしまったら、重いスーツケースを持っていかなくてもいいですし、空港で荷物を預けたり受け取ったりする時間もかかりません。これこそシェアリングで解決できる問題です。

我々のマーケティングは、ユーザーのペインである不便なことや不愉快なこと、不満なことをどう解決できるか、ということを主軸にしています。「アリススタイル」のユーザーであれば、あの商品もこの商品も使いたいけれどお金が足りないとか、あまり使わないのに場所を取っているモノがあるということがペインです。

この手ぶら旅行のサービスは1月20日に実証実験を実施し、2月にローンチしたのですが、アイデアを思いついたのは去年の10月くらいです。

――かなりハイスピードで実施まで進めたんですね。

ANAさんと2019年10月くらいに打ち合わせをした際に、ハワイ旅行で一度実験してみたいとお声がけいただいて、そこから頑張って翌年1月20日の実証実験までもっていきました。荷物の受け渡し方法など課題も見えましたが、概してお客様の満足度が高いこともよくわかりました。この手ぶら旅行を一度体験したら、次から大きな荷物を持ち歩く旅ができなくなるだろうという、仮説通りの答えが出ました。

私はサービス設計の際には必ず、グループインタビューを行って仮説を立て、その後検証するための大規模アンケート調査を行うなどして、必ずデータに基づいて進めるプロセスを取っています。自分の思い込みだけでは、方向性も間違っていたり、求められている商品が違っていたりすることがありますから。

 

コロナウイルスの影響と対策

※本取材は7都府県への「緊急事態宣言」前の3月中旬に行いました。そのため編集部では、「新型コロナウイルス」に関する影響と対応策をあらためて伺いました。

――コロナ禍による売り上げへの影響はありますか?

ネガティブな影響については、2月に開始した手ぶら旅行サービスに対して、渡航キャンセルに伴う予約取消が発生したことが挙げられます。しかし、もともとの予約数が多かったことから、今後、旅行に対する需要が戻り次第、このサービスは成功するだろうと考えています。

一方で通常のレンタルサービスの売り上げは上がっています。中国では調理家電や室内用フィットネス器具、ゲームなどの消費が増えていると聞いています。そのため、今後は日本でも家の中での巣ごもり消費が増えると予想されるため、アリススタイルにとってのビジネスチャンスととらえています。

その一環として、新たに4月からサブスクリプションサービスを開始しました。炊飯器や美容家電、ヘアケア家電を月額1980円で利用できるサービスです。さらにアリススタイルのアプリ内でも、多様なジャンルの家電特集を作成しており、巣ごもり消費の需要増に応えています。商品購入前の検討段階でアリススタイルを利用してもらいたいと考えています。

サブスクサービスの「人気商品長期レンタルキャンペーン」。画像提供:ピーステックラボ

――衛生管理上、レンタルなどのシェアリングサービスは利用を敬遠されやすいのでは、と想像していました。なぜ好調なのですか?

ユーザーに対して衛生管理をアピールしていることが挙げられます。これはもともと新型コロナウイルスの流行にかかわらず行っていましたが、レンタル商品ですので、次に借りる人へきれいな状態で届けられるよう、アルコール消毒やすみずみまでの清掃をアリススタイルで徹底しています。ただし、ユーザーが自ら発送作業を行う「セルフ出品」の場合は、レンタル時に我々の倉庫を介さないため、発送されるユーザーご自身で消毒など衛生管理の徹底をしていただくようアナウンスしています。

――あらためて人気の理由をどう考えていますか?

家ごもりが続く状況で、家の中を快適に過ごすための家電に注目が集まったため、購入前のお試しの場としてていることもアリススタイルの利用ユーザーが増えている一因ではないかと思います。やはり家電は、家電量販店ではなく、実際に住んでいる家で試してみないと本当の使いやすさはわかりにくいものです。それに、今は外出自粛で店頭に足を運ぶことが難しい状況ですからなおさらでしょう。

最初にも申しあげましたが、私はこのサービスをお小遣い稼ぎのプラットフォームではなく、生活を変える新しい思想に近いものだと考えています。ユーザーの多くは我々の思想に共感してくださっているから、継続的に利用してくださっているのではないでしょうか。

――ありがとうございました。

 

実際にアプリを利用したユーザーの声

実際に「アリススタイル」を利用しているユーザーの方にアンケート形式で話を伺いました。共働き家庭の都内在住の30代女性で、お子さんが1名いらっしゃる方です。

――使い始めたきっかけや、ハマった理由を教えてください。

使い始めは、家に物を増やしたくなかったので、洋服のシェアサービスをネットで検索していて偶然「アリススタイル」を見つけました。ハマった理由は、安く美容系商品を借りられるのと、自分が持っているモノも手軽に貸し出しできたからです。貸し出しの方法が簡単で実際に借り手がついたのが面白かったためハマりました。

――これまでどんな商品を貸し出しましたか?貸し出そうとした理由も教えて下さい。

① スチーマー
3万円以上で購入し、始めはよく使っていたのですが子供が産まれ、段々使わなくなってしまいクローゼットにしまっていました。捨てたり売ったりするのももったいないし、結婚式にお呼ばれする際など使う機会があると思ったので、貸し出しました。

② 望遠ズームレンズ
子供の運動会のためだけに購入したのですが、普段は使わずもったいないので貸し出しました。

③ ハンドブレンダー
普段も自分で使いますが、それほど使用頻度は多くないので貸し出しました。ハンドブレンダーをよく使っていたのは離乳食を作る産後6〜7カ月の時期だったので、同じように短い期間だけ使いたい方に使ってもらえたらと思いました。

④ 子供用のパーティードレス
子供用パーティードレスは友人の結婚式で使いました。ドレス、靴、髪飾りを別々に購入しましたが、既にサイズアウトしてるのでもう使えません。1回しか使わないですし、これを貸し出してくれたら当時の自分には有り難かったなぁという思いで貸し出しています。

⑤ ウォーターピーリング美顔器
1万円ほどで購入し、初めの頃はよく使っていたのですが子供が産まれ、段々使わなくなってしまいクローゼットにしまっていました。捨てたり売ったりするのももったいないですし、結婚式にお呼ばれする際など使う機会があると思って貸し出しました。

アプリ上で出品状況を確認できる。

――アリススタイルで商品を貸すことで、どのようなメリットが得られていますか?

① プチ収入を継続的に得られる
100円アイスをハーゲンダッツに替えられるなど、プチ贅沢な暮らしを得られました。

②モノを大切に使うようになる
人に貸し出すかもしれないと思うと、壊れないように丁寧に使ったり汚れも付かないように気をつけるようになりメンテナンスするようになりました。

③購入したモノに愛着が湧く
もともと捨てたり売ったりするには惜しいものを貸しており、人に使ってもらうことで役に立ったという気持ちが生まれますし、借り主からのコメントで「今回初めて使ってみてすごく良かったです!」などコメントをいただくと、使用感や体験を共感できて嬉しくなります。

④部屋のスペースが確保できる
貸し出すことで、一時的に場所が空くのでスペースができますし、物を動かすことでクローゼットの使いやすさなどを定期的に見直すきっかけとなっています。

⑥ 少し高い買い物ができる
家電や美容器具など、金額が高くて使用頻度が低いことが始めからわかっていると、「もったいないから買わない」から『使わなくなったら「アリススタイル」で貸せばいいかな?』という風に考えが変わるようになりました。

――月に平均、どのくらい稼いでいますか?

約1000〜5000円です。季節やイベントの有無で幅があると思います。

売上金の管理もアプリ上で行える。

――借りたことのあるアイテムで、印象的だったものと感想を教えてください。

① ヘアドライヤー
新商品で当時話題になっていたので使ってみたくて借りました。家電量販店では実際に濡れた髪の毛を乾かしたり使用感を試したりできないので1週間たっぷり使えたのが良かったです。使ってみて良かったので、返却後自身で購入しました。

② 流しそうめん機
Amazonで1万5000円くらいするタイプの流しそうめん機です。子供の誕生日会で使うために借りました。子供だけでなく大人もテンションが上がって楽しめました。1度しか使わないモノに1万5000円は払えませんが、試しに使うことができて良かったです。実際に使うと、組み立ても使用後洗うのも大変だったので、購入はしないなと思いました。

 

株式会社ピーステックラボ
モノの貸し借りを通して「体験」が平等に提供される社会を作ることを企業理念に掲げている。スマホで簡単に貸し借りを可能にするアプリ「アリススタイル」を運営。本社オフィスも渋谷のシェアオフィスを使用しており、シェアリングエコノミーを体現している。
住所:東京都渋谷区
設立:2016年6月
https://www.peaceteclab.com/

貸し借りアプリ「アリススタイル」
https://www.alice.style/

 

記事執筆者

岩崎多

いわさき・まさる
出版社2社でビジネス誌やモノ・グッズ誌の編集、週刊誌の編集記者を経験し、2019年1月CINCにジョイン。編集長として文房具ムックシリーズを立ち上げ、累計30万部以上を記録。
X:@iwasaki_mn
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