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アーティスト用住居を併設する京都のホテル、「アートを選ぶはじめての体験」ができる宿泊プランを開発。その狙いとは

最終更新日:2022.04.20

京都府京都市にある河岸ホテルは、アートギャラリーや若手アーティストのためのアトリエ付き住居も併設されたユニークな施設だ。4月16日からは新たに「アートを選ぶはじめての体験」ができる宿泊プランの提供を開始している。ホテルのユニークな成り立ちを存分に生かした新プランについて、担当者に聞いた。

目次

はじめてアートを選ぶ・飾る体験を河岸ホテルで

河岸ホテルは、京都中央卸売市場にある野菜卸の女子寮兼倉庫をリノベーションしたアートホテル&ホステルだ。「若手現代アーティストと世界を繋ぐ滞在型複合施設」をコンセプトにしており、飲食店やギャラリー、宿泊施設のほか、若手作家が住みながら制作できるアトリエ付き住居も併設している。

これまで河岸ホテルでゲストがアートを鑑賞できるのは館内の地下ギャラリーのみだったが、客室内でじっくりと鑑賞を楽しめる宿泊プランが新設された。新プランでは、ゲストがホテルフロントのギャラリーにある作品の中から好きなものを選び、客室内に設けられた展示空間に飾ってじっくりと鑑賞を楽しむことができる。「好きな作品を選ぶ」というアートの世界への新たな入り口を提供し、「ゲストにアートの新しい楽しみ方を見つけてほしい」というのが河岸ホテルの狙いだ。

▲宿泊料金は1室定価15400円(消費税込み、2名宿泊の場合)から。

新プランは河岸ホテル5階、スーペリアツイン、トリプルの部屋での宿泊に限り、1日5組限定で実施する。選べる作品は、河岸ホテルに入居している作家の進士三紗(しんし・みさ)さんや新宅加奈子(しんたく・かなこ)さんをはじめ、京都で活動する若手作家6名の作品を選出。作品は一定期間ごとに入れ替わるため、ゲストは宿泊のたびに新たな作家や作品と出会うことができる。

河岸ホテルの新プランにより、どのような客層にアプローチしようとしているのだろうか。河岸ホテルの日下部さんはこう語る。

「これまでの宿泊客の多くは、20代〜40代の現代アートに関心のあるカップルやクリエイティブなビジネス層の方々などでした。新プランは、小学生以上のお子さんと一緒にアート体験に訪れる家族層や、仕事をリタイアしてこれからアート鑑賞や体験を夫婦で楽しみたい方など、アートを選ぶ体験をしたことのない全ての方々が対象となっています」

また、日下部さんは「自分で選んだ作品を客室で鑑賞しながら過ごせる体験は、ギャラリーや美術館ではなく、当館だからこそ提供できると考えた」とも話す。自社独自の歴史や成り立ちを生かしたサービスを開発すると、他にはない商品やサービスが出来上がる。河岸ホテルの宿泊新プランの今後に期待したい。

河岸ホテル

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