株式会社インターブランドジャパンは、ブランディングを評価する日本初のアワード「Japan Branding Awards」の第4回となる2021年度の受賞ブランドを発表した。
本アワードは、優れたブランディングを実行している組織(企業・団体、事業、製品・サービス)を評価し、その活動内容を紹介、社会に広く共有することで、ブランド戦略を展開する企業・団体のさらなる成長の支援を目的に創設されたもの。
アワード最高賞の “Best of the Best” には、LIFULL、龍谷大学が、“Winners”にはキレイキレイ、こくみん共済 coop、マルハニチロ 、Rinnaiが、“Rising Stars”にはMOLp、プレイアトレ土浦、YA-MANがそれぞれ選出された。
目次
“Japan Branding Awards 2021”概要
本アワードの選考に際して、ブランド戦略・体験基盤の構築をはじめクリエイティブ開発、コミュニケーション活動を含むマーケティング活動全般にわたる視点で、それぞれの活動が有機的に結びつき、効果を生み出すことに貢献しているか、複合的に分析・評価が行われた。その結果、9ブランドの受賞が決まった。
【Best of the Best】
総合的に、特に優れた取り組みが評価されたブランドは次の2つ。
LIFULL(株式会社LIFULL)
2017年に社名を「LIFULL」へ変更したことを契機に、住まいを中心とした事業展開から、LIFEを中心としたさまざまな事業を通じて社会課題を解決し、暮らしや生き方に価値を提供する企業グループへの進化を目指した。
龍谷大学(学校法人龍谷大学)
2012年度から取り組んできたブランディングを、創立400周年を迎える2039年を目指した長期計画「龍谷大学基本構想400」の実現に沿ってブランド再構築活動を発展させた。
【Winners】
応募ブランドの中でも優れた取り組みが評価されたのは、次の4つ。
キレイキレイ(ライオン株式会社)
「キレイキレイ」ブランドを、「家族に選ばれるハンドソープのブランド」から「日本やアジアの人々に選ばれる清潔衛生のブランド」とすることを目的とし、「お互いを想い合い、つながりを強くすることで、安心して暮らせる社会づくりを支援する」というテーマの下、「コミュニティの清潔衛生習慣」を根付かせるブランド活動を展開した。
こくみん共済coop(全国労働者共済生活協同組合連合会)
組織がこれまで大切にしてきた「助け合い・共創」という考え方に立ち返り、「お客様に選ばれ続けるブランドになろう」との想いを再確認し、お客様視点で選ばれるブランドに必要な取り組みを考え、具体的な活動に落とし込んだ。
マルハニチロ(マルハニチロ株式会社)
総合食品企業として新たな領域へのチャレンジを目指し、マルハとニチロの統合10年を契機に企業ブランディングへの取り組みをスタート。トップの強いコミットメントの下、社員の一体感醸成及び、課題であった若年層へのブランド認知向上とイメージ構築を実践した。
Rinnai(リンナイ株式会社)
国内外のさらなるビジネス成長のため、これまでのガス・厨房機器メーカーのイメージ脱却と、グローバルで競合と肩を並べて戦えるRinnaiブランドの確立を目指し、ブランディングをスタート。ブランドプロミスをグローバルで浸透させることで社内の志向をモノ発想からコト発想へと変革を推進し、ブランドイメージの刷新につなげた。
【Rising Stars】
ブランディングを通じて著しい成長を遂げ、卓越したオリジナリティのある取り組みが評価されたブランドは次の3つ。
MOLp(三井化学株式会社)
中・長期経営計画の実現に向け、素材の力による社会課題の解決の可能性を社員が自由自発的に考え、取り組みを行ったオープンラボラトリー活動。社員が生活者の視点で、素材の魅力をあらゆる感覚を駆使して再発見し、機能的価値だけではなく感性的な魅力を提示して新たな事業創出に寄与するとともに、社内の意識改革に資することを目的とした。
プレイアトレ土浦(株式会社アトレ)
サイクリングを軸に茨城県、土浦市、地域事業者と連携し、様々なイベントを通して「自転車の街 土浦」をブランディング。茨城の強みである「アクティビティ」「食」「自然」などを組み合わせて新しい価値やビジネスモデルを構築した。
YA-MAN(ヤーマン株式会社)
従来のB2Bビジネスから、B2Cに領域を目指しコーポレート・事業の両輪で活動を行ったリブランディング。社員を積極的に巻き込む形でブランドコンセプト、クレドを策定し、社内に「ヤーマンらしさ」の浸透を行った結果、これまでのブランドイメージの刷新を行った。