想像以上にひたむきな人で、「ハングリー精神」という言葉を久しぶりに耳にしました。
2013年の設立から6期目の2018年に年商100億円を達成、以降も右肩上がりで急成長を続けるアンカー・ジャパン。取締役 COOを務める猿渡 歩さんは2014年の入社以来、マーケティング・セールス・事業開発部門などの総責任者として、同社のビジネス拡大を牽引してきました。
猿渡さんとはどんな人物なのか、注目している人も少なくないと思います。そこで今回はアンカー・ジャパン取締役 COO 猿渡 歩さんに話を聞きに行きました。
(取材・文:Marketing Native編集部・早川 巧、人物撮影:永山 昌克)
※肩書、内容などは記事公開時点のものです。
目次
グループ最年少役員就任を実現した、妥協なき考え方
――アンカー・ジャパンに参画されるまでの経歴と、そこで学んだことを教えてください。
いわゆるプロフェッショナル系のキャリアを歩んできました。社会人になって最初の数年はコンサルティングファームで財務・会計系のコンサルティングやIPOの支援、その後プライベートエクイティ(PE)ファンドに転職して企業再生などに携わりました。
学んだことは財務・会計などのビジネススキル全般をはじめ、経営を俯瞰的に捉える視点です。若手や中堅のメンバーとだけ接していると、物事を短期視点やボトムアップで考える思考に陥りがちですが、投資先企業の役員会などに参加することで、目先にとらわれるのではなく、最終的に企業の業績にどれだけのインパクトを与えられるのかを判断軸に物事を考える能力を身に付けることができました。
インタビューは新型コロナウイルス感染症に配慮しながら、写真撮影時だけマスクを外して行いました。
――猿渡さん自身が思う自分の長所・短所は何ですか。
ファクトベースで物事をロジカルに考えられる左脳的な力は比較的高いほうだと思います。感情的に相手の意見を否定することはあまりなくて、考え方が異なるときでもメンバーの意見のほうが合理的であれば採用します。
短所は完璧主義なところかもしれません。もともと負けず嫌いな性格に加えて、ファンドなど社員数が少ない会社の中で100%できて当然という環境で育ちましたから、常に100点、1位を目指す、妥協を許さない姿勢が身に付いたのだと思います。
以前は、自分のことを頭が良いと思っていた時期もありました。米国の大学を3年余りで首席卒業し、コンサル時代は飛び級で昇格しています。しかし、その後ファンドで優秀な人たちに囲まれて仕事をしているうちに、自分が一番優秀という考えはなくなり、もっとハードに勉強して成長したい、追いつきたいと思うようになりました。そんなふうに優秀な人たちが周りにいる環境を経験できたことが今に活きています。
私はアンカー・ジャパンで役員をしていますが、Ankerグループのグローバル・プレジデントにドンピン・ジャオという人がいます。私は人間的にも能力的にも彼を心から尊敬していて、優秀な彼の存在が働くモチベーションの1つになっています。今、私のことをどれくらいの従業員が尊敬してくれているかはわかりませんが、私もドンピンのように何かしらバリューを与えられる存在でありたいと思います。
――「自分より優秀」と感じる人たちとどのように渡り合ってきたのですか。
負けず嫌いな性格ですから、同じフィールドであれば、同期、同世代の中で誰にも負けたくないし、一番になりたいので、そのための努力を惜しみませんでした。
もちろん、ただ単純に時間をかけてきたわけではなく、人より劣っているところはマーケティングの4 P分析のように考えて、足りないものが知識ならその分野について勉強したり、経験や成果なら自分のスキルを上げてより多くのチャレンジができるように工夫したりしながら、人よりも多く学び、働くように心がけてきたと思います。
コンサルやファンドは一般的な企業より2倍の速さで働けて学べるし、2倍の時間働けば4倍分の学びを得られるので、成長するための環境としては素晴らしいと思います。Ankerグループのグローバル全体で最年少役員に就任できたのも、そこでの積み重ねがあったからこそで、同時に体力のある20代だったからそういう働き方ができたのかもしれません。
私の考え方はアンカー・ジャパンの方針にも反映されていて、基本的に全てにおいて1位を取るというポリシーを持っています。2位では駄目です、1位でないと。そのためにはまずしっかりとビジネスを勝ち切ること。1位になることで得られるブランド力もあれば、そこから見える世界もあります。
アンカー・ジャパン参画の動機と初めて見たオフィスの衝撃
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