世界各地の現地オプショナルツアー専門予約サイト「ベルトラ」を運営するベルトラ株式会社。現地オプショナルツアーという業界において圧倒的なシェアを誇るベルトラは、主にSEOやリスティング広告を利用して集客を行っており、まさにWebマーケティングの成否が同社の業績を左右する生命線となっています。そのWebマーケティングで責任者を務めるのが、インタビューにご登場いただく堀端勲さんです。
今回、堀端さんにはこれまでベルトラで手掛けてきたWebマーケティング施策や今後のお取り組みをお聞きするとともに、Marketing Nativeの読者の方にも役立つ、施策成功のポイントについて伺いました。
(取材・文:Marketing Native編集部、人物写真:海保竜平)
※内容、肩書ともに2018年7月当時。
目次
流入が取れているキーワードで上位順位を維持
――まず、ベルトラという会社の紹介をお願いします。
会社の設立は1991年です。オプショナルツアー専門予約サイト(当時のサービス名称: Alan1.net)の運営は2004年にスタートしました。サービス開始当時は航空券やホテルの手配、滞在先での食事・観光・ショッピングなど全工程を組み込んだ「フルパッケージツアー」が主流でしたが、その時代から海外における現地ツアー、オプショナルツアーの販売を手掛けてきました。
その後、インターネットの普及に伴って、航空券のみ、ホテルのみ、あるいは航空券とホテルだけを格安で購入できるWebサイトが登場したことで、フルパッケージツアーではなく、個人で低価格帯の航空券やホテルをオンラインで予約して海外へ行くという「FIT(海外個人旅行)※」層が増加しました。FIT層のボリュームは2000年初頭には50万~100万人規模でしたが、現在では600万~700万人くらいいると言われています。その伸びに伴い、弊社も順調に成長してまいりました。
※Foreign Independent Tour/Foreign Individual Touristの頭字語
――ベルトラの強みは何でしょうか?
例えば、アフリカや南米というと、渡航前にリーチできる情報が限定されており、またその量も多くないことから「行ってみたいけど、少し不安もある」と感じられるお客様がいらっしゃると思います。弊社はそうした国や地域への旅行に対して、日本語を話せるガイドが付いたツアーをご提供しています。その点がまず大きな強みとして挙げられます。
もうひとつの強みは、現地ツアー、オプショナルツアーの豊富なラインナップと実際に参加されたお客様から寄せられた参加体験談です。オプショナルツアーというニッチな業界がマーケットとして成熟しつつある中、海外の企業が日本に進出しています。そのような状況で、弊社の参加体験談は、実際にツアーに参加された日本人の体験談のみになっています。さらに、お客様からいただいたツアーに対する評価(「★」の数1~5個で表示)も、全部掲載するのが基本です。そうすることによってお客様により正確な情報をお伝えするとともに、旅行前の期待値が上がりすぎるのを防ぐことを目的としています。
もっとも、★が1~2個ばかりのツアーについては、現地催行会社との話し合いを設けて改善について検討したり、改善を重ねてもお客様の期待に応えるクオリティに満たない場合には取り扱いを中止したりしていますので、弊社ではツアー数が玉石混交でいたずらに膨らんでいくということにはなっていません。
――堀端様はどのようなお仕事を担当されているのでしょうか?
私はマーケティングの責任者を務めておりまして、検索広告まわりを中心にマーケティングの戦略立案を行っています。サイトへの流入率のところからお話しさせていただくと、現状はSEOとリスティング広告からの流入が約7割を占めています。これまでのところはうまく流入が取れているのですが、マーケットの成熟に伴い、リスティング広告の単価が少しずつ上がってきていますし、SEOの部分でもいずれもっと競合が増えてくるだろうと予想しています。したがいまして現在は、集客の7割を占めるSEOとリスティング広告の分野において、「ハワイ オプショナルツアー」など最も流入が取れているキーワードで断固として1位を維持していくという点に力を入れています。
また、会社の規模もそれなりに大きくなってきていますので、手掛ける領域を拡大し、FacebookやInstagram、Twitter、LINEなどのSNSについてもより注力していく方針です。
SNSの特徴に合わせたマーケティング戦略の実行
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