Twitterのアカウント運用を効率的に行うためには、自社アカウントの効果測定だけでなく競合アカウントの分析も重要です。一般的によく知られているツールとしては、Twitterが公式で提供している「Twitterアナリティクス」が挙げられますが、それだけでは機能が物足りないと感じている方もいるでしょう。
Twitterを分析できるツールは無料のものから有料のものまで多岐にわたっており、必要な機能に応じて併用すると、より効果的なアカウント運用につなげることができます。そこで今回は、Twitterを分析できるツールについて特徴などをご紹介します。
※カテゴリごとにアルファベット順で掲載しております。
目次
Twitter分析ツールでできること
Twitterにもともと備わっている「Twitterアナリティクス」と第三者が提供しているツールでは、それぞれどのようなことができるのでしょうか。
Twitterアナリティクスでできること
Twitterアナリティクスは、Twitterが提供している公式ツールです。Twitterユーザーであれば誰でも利用できますが、利用可能なデバイスはPCのみです。ツイート数やインプレッション数、プロフィールへのアクセスなどのパフォーマンスの変動、ツイートごとの指標の数値を把握することはできますが、データを基にした分析は自身で行う必要があります。
利用する際は、まずTwitterにログインし、左側にあるメニューの「もっと見る」をクリックします。そして、出現したプルダウンメニューから「アナリティクス」を選択しましょう。
使い方
1.ホーム
過去28日間におけるパフォーマンスの変動を確認できます。具体的には、「直近28日間のツイート数」「ツイートインプレッション」「プロフィールへのアクセス数」「@ツイート」「フォロワー数」などを確認可能です。加えて、月ごとの「トップツイート」「トップフォロワー(フォローされている人数が多いフォロワー)」「トップの@ツイート」「トップのメディアツイート」も確認できます。
2.ツイート
これまでツイートしてきた内容すべてについて、インプレッションやエンゲージメントといった各指標の数値を把握することができます。分析する期間は「過去28日間」と記載されているボタンをクリックして変更します。また、「データをエクスポート」をクリックし、CSV形式のデータをダウンロードすることも可能です。CSVでダウンロード可能な項目は「ツイートの固定リンク」「ツイート本文」「日付と時間」「インプレッション」「エンゲージメント」「エンゲージメント率」などです。
※用語の意味
- インプレッション:該当のツイートをユーザーがTwitterで見た回数
- エンゲージメント数:該当のツイートにユーザーが反応した回数の合計で、ツイートのクリックやリツイート、返信、フォロー、いいねなどを含む
- エンゲージメント率:エンゲージメント(クリック、リツイート、返信、フォロー、いいね)の数÷インプレッション数×100
3.詳細
「動画」「アプリマネージャー」「コンバージョントラッキング」に関するデータを確認できます。「動画」では、Twitterに投稿した動画の再生数や完了率を確認できます。なお、コンバージョントラッキングを確認するには、ユニバーサルウェブサイトタグまたは単一イベントウェブサイトタグの設定が必要です。
Twitterアナリティクスについては、下記の記事でも詳しく解説しています。
関連記事:Twitterアナリティクスの効果的な使い方|データを活用し、PDCAを回すには?
第三者が提供するTwitter分析ツールでできること
Twitterアナリティクス以外の第三者が提供しているツールでは、フォロワーや投稿内容の分析を行ったり、トレンドを調査したりすることが可能です。また、アカウント管理から分析まで、必要な機能をひと通り兼ね備えた有料ツールもあります。目的に応じて無料ツールを併用したり、運用や分析に便利な有料ツールを導入してみたりすると良いでしょう。
※ツール名をクリックいただくと、説明に飛びます。
種類 | ツール名 | 主な特徴 |
自社や競合アカウントの分析に役立つ無料ツール | Tweriod | フォロワーのアクティブな時間帯を調べられる |
whotwi | アカウントを分析できる | |
Twitterのトレンドを調査できる無料ツール | meyou | TwitterトレンドやGoogle急上昇ワード、人気アカウントをチェックできる |
Trends24 | 日本や世界のさまざまな地域における24時間以内のトレンドを調査できる | |
Twittrend | 日本や世界のさまざまな地域におけるトレンドを3日前までさかのぼって調べられる | |
TwTimez | リツイートされている投稿や人気のある投稿を把握できる | |
ついっぷるトレンド | Twitter上のトレンドを多角的にランキング形式で把握できる | |
ハッシュタグを調査できる無料ツール | HASHTAGIFY | ハッシュタグが含まれるツイートや影響力の高いアカウントを調べられる |
Hashflags | 使用可能なハッシュフラッグを確認できる | |
Twitter分析やアカウントの管理に役立つ有料ツール | Keywordmap for SNS | Twitter運用や分析に必要な機能を備えたオールインワンツール |
Social Insight | クチコミ傾聴分析やSNSアカウント分析、投稿管理などができる | |
Social Monitor | 24時間365日自動でモニタリングを行える | |
SocialRank | フォロワーの影響力を確認できる |
Twitter分析に役立つ無料ツール
第三者が開発・提供するツールのうち、無料のものをご紹介します。「自社フォロワーのアクティブな時間がわかる機能」や「自動レポート作成機能」など、Twitterアナリティクスにはない機能が備わっているので、併せて利用し、より詳細に分析しましょう。
自社や競合アカウントの分析に役立つツール
Tweriod
Tweriodは、自社アカウントのフォロワーが活動している時間帯を調査できる分析ツールです。週末・日曜日・月曜日・平日・を選択し、1時間単位でフォロワーの活動している時間をグラフで表示し、比較することができます。また、フォロワーからのリプライが多い時間帯もわかります。
Tweriodを活用すれば、できるだけ多くのユーザーがTwitterを見ている時間帯を狙い、投稿することが可能です。
whotwi
Twitter IDを入力するだけで、アカウントに関するさまざまなデータを分析できるツールです。
▼whotwiで分析できる主な内容
- 1日のツイート回数
- 最も活発な時間帯
- 平均文字数
- 平均ツイート間隔
- ツイートする曜日・時間帯の傾向
- フォロー状況
- よく使用しているハッシュタグ など
1日のツイート回数や活発な時間帯、ツイート内容の平均文字数、平均ツイート間隔、フォローの状況などを知ることができます。両思い(相互フォロー)や片思われ(一方的にフォローされているフォロワー)、片思い(一方的にフォローしているフォロワー)といった分類でフォロワーの状況をチェック可能です。
Twitterのトレンドを調査できる無料ツール
Twitterの投稿内容を考える際は、フォロワーのアクティブな時間帯やエンゲージメント率の高い傾向にある投稿内容といった分析のほかに、トレンドを把握することも重要です。ターゲットとしているユーザーのトレンドを把握し、意識した内容の投稿を行えば、自社アカウントに興味を示してくれるかもしれません。
meyou
meyou(ミーユー)は、TwitterトレンドやGoogle急上昇ワードなどを一度にチェックできるサイトです。トレンド以外に、以下の情報もチェックできます。
- ランキング:「企業・メーカー」「メディア・ニュース・ポータル」などのカテゴリごとにフォロワー数の多いアカウントのランキングが見られます。
- アカウントまとめ:カテゴリごとに該当するアカウントを把握することができます。例えば「企業・メーカー」のTwitterアカウントまとめ一覧では、アパレルブランドや飲料メーカーなど、業種ごとにアカウントが分類されています。
- 人気アカウント:フォロワーが1,000人以上のアカウントをカテゴリごとに一覧で見られます。
- Profile検索:入力したキーワードがユーザー名や自己紹介に含まれているアカウントを検索できる機能です。
Trends24
Trends24は、指定した地域のトレンドを1時間ごとに最大24時間前まで調査できるサイトです。日本は東京、横浜、千葉、仙台、大阪など、日本全体を含む22エリアをチェックできます。地域を指定すると、そのエリアでよくツイートに含まれているキーワードやハッシュタグを10個表示してくれます。日本国内の主要都市だけでなく、世界中のトレンドをチェックすることができます。
Twittrend
Twittrendは、東京・大阪・札幌など主要な都市ごとに分けて、ツイートによく含まれているキーワードやハッシュタグを確認できるサイトです。日本国内だけでなく、海外の都市を選択することも可能です。都市ごとに、現在・1時間前・3時間前・6時間前・12時間前・24時間前・2日前・3日前の8つの区分で調べることができます。
TwTimez
TwTimezは、「勢い順」「人気順」「新着順」「トレンド」のランキングを確認できるサイトです。「勢い順」はリツイートされる速さを時速で表し、ランキング化しているものです。「人気順」では、リツイート数の大きいものから上位に表示されます。現在注目のツイートだけでなく、過去に反響の大きかったツイートを検索することもできます。
ついっぷるトレンド
ついっぷるトレンドは、「HOTワード」や「画像」「ツイート」など、テーマごとにトレンドをランキング形式で確認できるサイトです。主なランキングは以下のものが挙げられます。
- 画像ランキング
- Twitter動画ランキング
- HOTワードランキング
- ツイートランキング
- 有名人ランキング
- まとめランキング
- ニュースランキング
- エンタメランキング
多角的にトレンド情報を取得する上で役立つでしょう。
ハッシュタグを調査できる無料ツール
Twitterでツイートする際に記載するハッシュタグは、ツイートを拡散させる上で重要です。投稿内容に最適かつ人気のあるハッシュタグを調査し、ツイートに記載してみましょう。
HASHTAGIFY
HASHTAGIFYは、指定したハッシュタグが含まれているツイートや、そのハッシュタッグへの関連性が強く、影響力のあるアカウントを調べられます。指定したハッシュタグが含まれているツイートの数を先月分と比較したり、特定の地域のハッシュタグに関するランキング(1カ月分)をチェックしたりすることも可能です。
Hashflags
Hashflagsでは、現在使用できるハッシュフラッグを確認することができます。ハッシュフラッグとは、特定のハッシュタグに期間限定で付けられる絵文字のことを指します。特定のイベントや話題を盛り上げるために、Twitterが設定しています。そのため、どのハッシュタグを使用するとハッシュフラッグが付くかは、Hashflagsを利用して確認すると良いでしょう。
Twitter分析に役立つ有料ツール
有料のTwitter分析ツールには、どのような機能が備えられているのでしょうか。ここでは、Twitterを分析できる有料ツールをご紹介します。
Keywordmap for SNS
Keywordmap for SNSは、株式会社CINCが提供するTwitterアカウントの運用や分析に必要な機能を備えたオールインワンツールです。Twitterを中心に、これまでのソーシャルリスニングツールのようにSNS上の声を集めるだけでなく、企業や個人のアカウントを戦略的に強化してファンや売上を作るための機能などを備えています。
主な機能
1.キーワード・アカウント分析
指定したキーワードやアカウントを多角的に分析することが可能です。関連性やエンゲージメントの高さから分析できるので、普段見落としがちなユーザーのインサイトや、コンテンツアイデアのきっかけを発見することができます。
同時に、デモグラフィック観点からのツイート収集を行っているため、「いつ」「誰に」「どのように」 ツイートされているか、詳細な分析が可能です。また、特定のキーワードへの反応を、ポジティブ・ネガティブ・ニュ ートラルで比較することもできるので、自社や商品・サービス等の改善に寄与します。
2.インフルエンサー分析
特定のキーワードを入力すると、該当するインフルエンサー候補を抽出できます。フォロワー数やエンゲージメント率では測れない、真に影響力のあるアカウントを特定可能なので、効果的な運用方法を調査する際に役立ちます。
3.フォロワー分析
(競合を含む)調査したいアカウントのフォロワー数の推移が自動でダッシュボード化されるため、直近の成果が一括でチェック可能です。また、フォロワーのカテゴリを設定することで新規・解除フォロワーの傾向を把握できるので、ツイートの改善に役立ちます。対象アカウントのフォロワーをプロフィール内のキーワードで絞り込み、特定の属性を持ったアカウントを抽出して、テイラードオーディエンスとして広告運用にも転用可能です。
4.アカウント分析・運用
運用中のアカウントをKeywordmap for SNSと連携することが可能です。3のフォロワー分析機能に加えて、運用アカウントの分析を様々な面からサポートします。これまで投稿したツイートを一覧でチェックでき、impやエンゲージメント、リプライなどあらゆる指標を確認することができます。これらはハッシュタグや投稿タイプ、任意で設定したカテゴリなど様々な指標別に表示させられるので、多角的に運用の効果を調査分析することが可能です。
5.ソーシャルリスニング
UGCの抽出が可能です。
指定キーワードが含まれるツイートの内容と投稿数の推移を調査し、消費者インサイトを正確に抽出できるので、精度の高いマーケティングをサポートします。また、該当ツイートを、愛情・楽しみ・ニュートラル・怒り・悲しみ・恐れの6つの感情から判定することも可能なため、世論の動向や企業のブランドイメージ変化を定量的に測れます。
料金
料金の詳細については問い合わせが必要です。
Social Insight
Social Insightは、株式会社ユーザーローカルが提供している有料ツールです。主に「クチコミ傾聴分析」 「SNSアカウント分析」 「投稿管理・ソーシャルCRM」といった3つの機能を備えています。Twitterに関しては、自社アカウントの発言状況やフォロワーの増減状況を記録できるほか、競合アカウントのフォロワー数や発言数の推移を調べることも可能です。
料金
料金プランの詳細については、会社情報を入力するとPDFデータをダウンロードできます。
Social Monitor
Social Monitorはデータセクション株式会社が提供しているツールで、365日自動でTwitterアカウントの監視を行えます。
主な機能
1.監視するキーワードを指定
検索ワードは100文字まで設定でき、表記揺れや別称などもチェックしてくれます。除外ワードは3000文字まで設定可能です。監視対象は商品ブランドごとなどのリストで管理し、一つの管理画面で確認することができます。
2.ツールが24時間体制で監視
設定した条件に沿って、ツールが24時間365日、15分ごとに監視してくれます。Twitterだけでなく、ブログや各種掲示板、Webニュースも監視対象に含まれています。
3.リスクが発生したら、アラート機能でメール通知
監視している中で深刻なリスクなどが発見された場合、設定しているメールアドレスにアラートメールが送信されます。そのため、常時画面を確認しておく必要はありません。また、アラートメールにはレポートファイルが添付されているため、要点を迅速に把握できます。
4.レポートを自動作成
ツールによって自動作成されたレポートでは、リスクの重要度や影響度の大きさ、リスクの種類ごとにグラフを確認することができます。類似した投稿が自動的にグルーピングされるため、同じような投稿を複数回チェックすることがありません。
料金
初期費用:0円
月額費用:10万円
SocialRank
SocialRankは、自社アカウントのフォロワーが Twitter上でどれくらいの影響力をもっているのかを確認できるツールです。メールアドレスを登録することで、一部の機能を無料で利用できます。
アカウントのフォロワー一覧で、各フォロワーに関するフォロワー数やフォロー数、ツイート数といった情報を確認できます。「KLOUT SCORE」では、そのアカウントの影響力を数値で把握することが可能です。「Most Valuable」「Most Engaged」といった項目でユーザーを並び替えたり、特定のキーワードや地域に絞ってフィルタリングしたりもできるので、大多数のフォロワーを抱えるアカウントの分析に有用でしょう。
料金
料金の詳細については、問い合わせが必要です。
ツールの併用で効率的なTwitter運用を目指しましょう
Twitterの公式ツールである「Twitterアナリティクス」を利用すれば、基本的な分析は可能です。しかし、他社が作成したツールにはTwitterアナリティクスには備わっていない「レポート作成機能」や「フォロワーの分析機能」などがあります。Twitterアナリティクスだけを利用するのではなく、他社ツールを併用することでより詳細な分析ができるでしょう。今回ご紹介したツールを参考に、自社に適したものを探してみてはいかがでしょうか。