生活者起点のリサーチ&マーケティング支援を行う株式会社ネオマーケティングは、「企業とのコミュニケーションツール」をテーマに、2021年11月11日~11月12日の2日間、全国の20歳~79歳の男女1000人を対象にインターネットリサーチを実施。メールとLINEにフォーカスし、生活者から見た企業とのコミュニケーション施策について調査した。
目次
登録するきっかけの多くはECでの商品購入
公式LINEを友だち登録・メールマガジンを受信登録したきっかけは、両者とも「ECでの商品購入」時に登録した割合が最も高く、半数を超えた。一方「実店舗の訪問(例:POPやレジで店員に勧められた)」をきっかけとする割合は、公式LINEで44.2%・メールマガジンで35.2%にとどまった。生活者とのコミュニケーションパイプを設定するタイミングは、ECでの商品購入時が最も多いことがわかる。
なお、「企業・ショップSNS閲覧」を機に登録した割合は、LINE・メール共に20%を超えている。
登録理由の多くはキャンペーンやクーポン
公式LINEを友だち登録・メールマガジンを受信登録した理由を聞いたところ、「割引等のキャンペーンをやっていたから」「クーポン・セール情報が欲しかったから」といったキャンペーン・クーポンの割合が高く、共に半数を超えている。
公式LINEについて見ると、スタンプや着せ替えを目当てに登録する割合は34.2%で、キャンペーン・クーポンに次いで高い結果となった。一方メールマガジンについては、「最新情報が知りたかったから」という回答の割合が37.3%と高いことがわかった。
公式LINEはスタンプや着せ替え、LINE上の会員証など、メールマガジンに比べてユーザーと接点をつくるきっかけを多く持っている。企業・ショップに対する元々の興味の度合いが低くても、接点を持つ生活者を増やして購買につなげるには、公式LINEは有効なツールと言えるだろう。
登録後、約40%の割合でポジティブな変化が発生
公式LINEを登録・メールマガジンを受信登録して変化したことを聞いたところ、約40%の割合で、企業・ショップに対し「より好印象を抱いた」「想起する(思い出す)ことが増えた」「商品購入・サービス利用が増えた」といったポジティブな変化が起こっていることがわかった。3つの変化全てにおいて、公式LINEとメールマガジンでほぼ同様の結果となったことから、両者が生活者にもたらす変化は近似していると考えられる。
ブロックや配信停止のタイミングは「情報が不要と感じた時」
公式LINEをブロック・メールマガジンを受信解除・配信停止するタイミングについては、両者とも「情報が不要と感じた時」にブロック・配信停止する割合が最も高く、約50%を占めた。
公式LINEについて見ると、「スタンプや着せ替えを取得した後」にブロックする割合は21.8%だった。一方、メールマガジンについては、公式LINEと比較して「内容がつまらない時」に配信停止(ブロック)する割合が4.6ポイント高くなった。メールマガジンは公式LINEより、配信される内容への期待値が高いのだろう。
公式LINEとその他の友達の通知設定は同じにしている人が半数以上
「企業・ショップの公式LINEもその他の友だちもどちらも通知オン」にしている人が半数近くの48.1%、「企業・ショップの公式LINEもその他の友だちもどちらも通知オフ」にしている人が21.1%だった。半数以上の人は、通知設定において公式LINEとその他の友だちを同等に扱っていることがわかる。
積極的に読まれているのは割引に関する情報
内容を積極的に読むことの多い公式LINE・メールマガジンに当てはまるものを聞いたところ、「割引等の情報が書かれている(例:「セール」「割引」)」場合については公式LINEもメールマガジンも積極的に読まれており、前者が54.2%、後者が57.9%となった。
公式LINEについて見ると、「画像に、興味のある商品が載っている」場合に積極的に読む割合が50.8%と半数を占めた。この割合は「冒頭の文に、興味のある商品・サービス名が書かれている」「冒頭の文に、何かが貰える情報が書かれている(例:「プレゼント」「無料」)」を上回っている。
メールマガジンについては、「差出人名にメールマガジン担当者の名前が書かれている」場合に積極的に読む割合が12.7%にとどまった。差出人名が個人名であることがメールを開封する理由になる可能性は低いと言えそうだ。
受信を継続する理由は「割引等独自の特典がもらえるから」
受信の継続理由として、公式LINE・メールマガジン共に「割引等独自の特典がもらえるから」の割合が最も高くなった。しかし、その割合は公式LINEのほうがメールマガジンよりも6.7ポイント高く、特典を理由に継続する人は公式LINEのほうが多いことがわかる。
「好きな企業・ショップまたは商品・サービスだから」といったポジティブな理由も共に約20%あった。
良いと思った公式LINE・メールマガジン
これまでに見た企業・ショップの公式LINE・メールマガジンで、良いと思った内容や機能を自由記述で聞いたところ、公式LINEについては、利用頻度の高いLINE上に「問い合わせ」「商品画像・情報チェック」「登録内容の確認・変更」を集約できる点において、便利さを感じるという声が挙がった。一方メールマガジンについては、商品・サービスそのものの情報だけでなく、使い方や関連するトピックのお役立ち情報といった、「届く内容の充実さ」に良さを感じるという声があった。
【調査概要】
- 調査の方法:株式会社ネオマーケティングが運営するアンケートサイト「アイリサーチ」のシステムを利用したWEBアンケート方式で実施
- 調査の対象:アイリサーチ登録モニターのうち、全国の20歳~79歳の男女で、企業・ショップの公式LINEを登録している人、かつ企業・ショップのメールマガジンを登録している人
- 有効回答数:1000名
- 調査実施日:2021年11月11日(木)~2021年11月12日(金)