日本トレンドリサーチが「推し活に関するアンケート」を20代以下から70代以上の男女1200名(各年代200名)を対象に実施。推し活をしているか否かをはじめ、やめた理由や1カ月あたりの費用などを調査した。その結果の一部を紹介する。
目次
現在推し活をしている人は約2割
『あなたは「推し活」をしていますか?』という質問については、22.5%の人が「現在している」と回答。「以前はしていた」という人(8.6%)も含めると、31.1%の人が「推し活」をしたことがあるようだ。
推し活をやめた理由
推し活を「以前はしていた」と回答した103名の「推し活をやめた理由」は何だろうか。回答の一部を見ると「興味が薄くなった」「時間やお金がなくなった」「生活の変化」などが挙げられている。
- 仕事が忙しくなったから。(60代・男性)
- コロナウイルスによる生活の変化で。(50代・男性)
- 熱が冷めたから。(40代・男性)
- バンドの解散。そしてその付近での自分の結婚、出産。(40代・女性)
- 時間とお金がなくなった。(30代・男性)
- 作品の方向性が自分に合わなくなった。(30代・女性)
- 推しに魅力を感じられなくなったから。(20代・女性)
- ファンが増えてコンサートチケットがなかなか取れなくなってから、興味がなくなった。(20代・女性)
- お金がないのと、勉学に時間をかけたいと思ったため。(20代・男性)
- アイドルじゃなくてスターになってより遠い存在になったから。(10代・女性)
推し活未経験者のうち、推し活をしてみたいと思う人は約1割
推し活を「したことはない」と答えた827名に『「推し活」をしてみたいと思いますか?』と質問したところ、87.4%は、推し活をしてみたいと「思わない」と回答。推し活をしてみたいと「思う」と答えた人は「夢中になれるものが欲しい」「人生が豊かになりそう」などの理由を挙げたのに対し、「思わない」と回答した人は「大変そう」「忙しい」「疲れそう」などの理由を挙げている。
「推し活をしてみたいと思う」回答理由
- 興味をもつことは人生を豊かにしてくれそう。(70代・男性)
- 同じ趣味の人と知り合えそうだから。(60代・男性)
- 夢中になれるものが欲しいから。(50代・女性)
- 推しがいたほうが生活に張りがでそうなので。(40代・女性)
- ある意味夢を追いかけるような気持ちになると思うから。その時間にだけ現実を忘れることが出来そうだから。(20代・男性)
- 応援するだけでも元気がわいてくると思うから。(20代・男性)
「推し活をしてみたいと思わない」回答理由
- 具体的に何をするのか分からない。(80代・男性)
- それよりも自分自身の生活を様々な意味で豊かにしたいと思います。(70代・男性)
- 面倒に感じるから。(60代・女性)
- 自分のことで精いっぱいなので、人の応援まではできそうにないから。(60代・男性)
- 疲れそう。(50代・男性)
- 日々忙しくて、その情熱がない。(50代・女性)
- 推すものがないから。(40代・女性)
- 推し活するとそちらのほうに時間とお金を取られて、逆に自分が苦しくなるような気がするから。(40代・男性)
- 時間がない。育児・家事・仕事でいっぱいいっぱい。(30代・女性)
- 興味がないしお金がかかるだけだから。(20代・女性)
- 推し活にのめり込んでしまったら大変そうだから。(20代・男性)
- すぐに飽きてしまうと思うから。(10代・男性)
「推し活」のための費用で最も多いのは「毎月1万円未満」
「推し活」をしている人は、毎月どれくらいの費用をかけているのだろうか。推し活を「している」または「以前していた」と回答した373名に1カ月当たりの費用を聞くと、最も多かったのが「毎月1万円未満」(68.4%)で、「毎月10万円以上」の人も1.6%いた。
「推し活」でやっていること
『「推し活」でやっていること(やっていたこと)は何ですか?』(複数回答可)という質問には、66.8%の人が「推しのグッズを買う」と回答。「その他」(13.9%)には、「YouTubeやVLIVEなどで推しの動画を見る」(20代・女性)、「17LIVE上での有料ギフト」(30代・男性)、「ファン動画を作って応援する」(40代・女性)、「友人や周りに、勧めたおす」(50代・女性)などが挙がった。
編集部の注目ポイント
調査結果で推し活をやめてしまった人たちが一定数存在することから、あらためてではあるが、推しとファンの関係は永続的なものではないことがわかった。
推し活をやめた理由に「作品の方向性が自分に合わなくなった」「ファンが増えてコンサートチケットがなかなか取れなくなってから、興味がなくなった」など、推しの変化を要因とするものが見られるように、推しがファンを獲得して成長し、活躍するステージが変われば、ついていくファンも変化する。また、「仕事が忙しくなったから」「お金がないのと、勉学に時間をかけたいと思ったため」など、自身のライフスタイルの変化を要因とする理由が見られるように、ファンも進学や就職、結婚など生活の変化によって、推し活をやめることがある。そのため、ビジネスを持続的に展開するのであれば、推し活を行う人がなるべく離反しないような仕掛けや、推しの活躍するステージが変化しても今のファンがより応援し続けたくなるような仕組み、あるいは新たなファンが流入し続ける仕組みを整える必要があるだろう。
また、推し活をサポートするビジネスは、推し活をしたいと考えているもののできていない潜在層の背中を押すことで、ビジネスチャンスを生み出せるのではないだろうか。例えば少額でも参加できる敷居の低さをアピールするのも一つの手だ。
昨今トレンドの推し活市場。生活者を理解することで、今後も商機は広がるだろう。
【「推し活に関するアンケート」調査概要】
調査期間:2022年3月2日~3月28日
集計対象人数:1,200名(20代以下・30代・40代・50代・60代・70代以上 各年代200名)
調査対象者:男女
※原則として小数点以下第2位を四捨五入し表記しているため、合計が100%にならない場合がある。
リサーチ記事詳細:https://trend-research.jp/13532/
株式会社NEXER(運営会社)
なお、推し活については以下の記事でも詳しく解説している。
推し活の具体的な内容とは?熱量や消費意欲に企業も注目