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インタビュー

6年ぶりの全面刷新!Indeed新マーケティング戦略の狙いと背景――Indeed Japan田尻祥一インタビュー

最終更新日:2023.09.04

The Marketing Native #57

Indeed Japan マーケティング本部 シニアディレクター

田尻 祥一

Indeed Japanの新しいマーケティング統括責任者として、デル・テクノロジーズでマーケティング本部長を務めていた田尻祥一さんが就任、約6年ぶりにブランドコンセプトを刷新しました。

それに合わせて、新たなマーケティング戦略のもと、新ブランドプロモーション「いい未来は探せる」をテレビCMやSNSなどで発信しています。

これまでのIndeedのマーケティング戦略とどこが違うのでしょうか。今回はIndeed Japanマーケティング本部 シニアディレクターの田尻祥一さんに話を聞きました。

(取材・文:Marketing Native編集部・早川 巧、撮影:矢島 宏樹)

目次

「認知獲得」止まりからフルファネルの戦略へ

――田尻さんがIndeedにジョインしたのは2022年11月とのこと。ジョインのきっかけから教えてください。

新たな挑戦をしたいと考えました。前職のデル・テクノロジーズには約13年在籍し、その間にマーケティング本部長を10年ほど務めています。成果としても、チームのメンバーや広告代理店さんの協力を得ながら、マーケティングのパフォーマンスやブランド力を一定のレベルで向上させることができました。そのため、自分の中で「やりきった」という思いがありました。

田尻祥一さん

マーケティングというと現在はP&Gさん出身の方の印象が強くて、さまざまな企業のマーケティング責任者として活躍していらっしゃいます。もちろん、すごいと思いますが、一方でプロのマーケターとしてP&Gさんとは少し異なる形で活躍する人がもっといてもいいと以前から感じていました。そこで、Indeedへのジョインを機に、自分がその課題にチャレンジしたいと考えたこともきっかけの一つです。

――面白いですね。Indeedにジョインしたとき、自分のバリューをどのように発揮できると感じましたか。

現在に至るまでIndeedのマーケティングやビジネスは、ある程度成功していると思います。これまでに手掛けた「♪ バイト探しはIndeed」という歌もののテレビCMや人気アニメコンテンツとのコラボ企画など、どのプロモーションも大きな話題になりました。

一方で、転職のお話を頂いたときにビジネスの詳細を見たところ、コンシューマー向けの認知獲得はよくできていて、「バイト探し」「仕事探し」のイメージは広く浸透している半面、「Indeedを利用するとどんな良いことがあるのか?」というお客さまにとってのベネフィットが今ひとつ明確に伝わっていないと気づきました。例えば、YouTubeにあるIndeedのチャンネルをチェックすると、テレビCMやコラボ企画と関連したクリエイティブの視聴回数は高い半面、Indeedの機能的特徴を解説した動画や、企業向けのIndeedの活用事例などの伸びは今ひとつです。

つまりマーケティングのファネルで考えた場合、本来はフルファネルで購買行動が流れるべきなのに、認知獲得のトップファネルだけ発達していて、理解を促して自分ごと化していただくミドルファネル以降については手薄になっており、そこに伸びしろがあると感じました。

――わかりました。現在はマーケティング本部 シニアディレクターという肩書きですが、仕事内容を教えてください。

主な仕事は、日本におけるtoC、toB両方のマーケティング活動全般に加えて、PR(広報)全体を見ることです。簡単に申し上げると、先ほどフルファネルのお話をしたように、求職者の方々の認知獲得からWebサイトの訪問、アプリのダウンロードなどを促して、実際にご利用いただくまでのマーケティング活動全般と、企業に求人広告を出稿いただくためのBtoBマーケティングを統括しています。

田尻祥一さん

ただの“求人検索エンジン”ではなく「人生や働き方を見つける場」

――今回、約6年ぶりにブランドコンセプトを全面刷新したとのこと。背景と狙いを教えてください。

繰り返しになりますが、Indeedは認知は非常に獲得できている一方で、ベネフィットが十分に浸透しておらず、お客さま(求職者)の利用意向を改善する必要性を感じていました。さらに分析すると、Indeedは“アルバイトやパート向けが中心のサービス”というイメージが強いこともわかりました。利用意向を見ると、「仕事を探したいときに何を使いますか?思いつくブランドを書いてください」との問いに、パートやアルバイト等の非正規雇用で働いている方の回答は「Indeed」も多いのですが、正社員等の正規雇用の方々になると競合ブランドを挙げる人も多く、Indeedはそこまで強くありませんでした。

一方、実際のIndeedのビジネスは、非正規雇用の求人広告だけでなく、正規雇用向けの求人広告も法人のお客さまにたくさん掲載いただいています。そのギャップが課題であり、“アルバイトやパート向けが中心のサービス”というイメージを変えられれば正社員の求職者がもっと増えて、法人のお客さまも求人広告をもっと出稿してくださるのではないかと考えました。現状のままではIndeedのビジネスだけでなく、正社員の仕事を求めているお客さま(求職者)にとっても機会損失になります。そこで今回、そのギャップの改善を目指してブランドコンセプトの全面刷新に踏み切りました。

――「いい未来は探せる」とのメッセージを打ち出すことで、Indeedを単なる求人検索エンジンではなく、「人生や働き方を見つける場」として活用してほしいとの思いを込めたわけですね。素晴らしいと思う半面、過去のコンセプトに基づくプロモーションがテレビCMなどで大量に流れていただけに、イメージを変えるには時間がかかりそうです。

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・新しいCMで意識した点
・P&Gのマーケティングだけが“正解”ではない
・良いマーケターになるための3つのアドバイス

記事執筆者

早川巧

株式会社CINC社員編集者。新聞記者→雑誌編集者→Marketing Editor & Writer。物を書いて30年。
Twitter:@hayakawaMN
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