多くの人が利用しているLINEは、主に個人間のコミュニケーションツールとして活用されています。その一方で、個人のやり取りだけでなく、企業から顧客へ情報を発信できる、LINE@も提供されています。
LINE@は低コストから始めることができるため、さまざまな企業や団体で活用され、注目されているサービスの一つです。
今回はLINE@にフォーカスし、活用事例と導入方法をご紹介します。
目次
LINEのビジネス活用法:公式アカウントとLINE@とは
企業で利用できるLINE@とは、どのようなツールなのでしょうか。公式アカウントとの違いを見ながらご説明します。
LINE@とは?
情報の配信やビジネスに向いたLINEアカウントです。2015年から個人向けにも開放され、2017年10月時点で認証済みアカウントは30万件を突破しています。無料版と有料版があり、配信する規模に合わせて利用可能です。
利用するにあたって、情報配信側はLINE@専用アカウントを作成する必要があります。受け取る側のユーザーは通常のLINEアカウントで情報を受け取れます。
認証済みアカウント数が30万件を突破しました! LINE@公式ブログ
LINE@の機能
ユーザーとコミュニケーションがとれる
<情報を発信する>
LINE@は、情報を発信できる機能が主に二つあります。
一つはメッセージ機能です。友だち登録をしてくれたユーザーに、一斉にメッセージを送信できます。テキストだけでなく、画像やスタンプも送信でき、予約配信も可能です。
ただし、無料版の場合、送信メッセージ数は1000通までと制限されています。「メッセージ送信回数(吹き出しの数)×配信ユーザー(ターゲットリーチ)数=送信メッセージ数」となるため、注意が必要です。
もう一つはタイムライン・ホーム機能です。
友だち登録をしてくれたユーザーのタイムラインに、商品やサービスなど訴求したい情報を配信できます。タイムライン機能の配信可能回数は無料版の場合、月4回までです。有料版には配信数に制限がありません。また、メッセージを送ると同時にタイムラインに投稿できる機能もあります。
<やり取りをする>
LINE@は情報を配信するだけでなく、1:1トークという機能でユーザーとのやり取りも可能です。
1:1トークは、友だち登録をしてくれたユーザーと個人トークができる機能です。ユーザーからの質問や問い合わせに、個別で対応できます。LINE@を利用できるデバイスがあれば、いつでもどこでも返答可能です。
ホームページを作成できる
LINE内に「アカウントページ」と呼ばれる専用のホームページを作成できます。プラグイン機能を使うことで、写真リスト・予約ボタンといったホームページ内のコンテンツを簡単にカスタマイズできます。
クーポンやポイントカードを発行できる
LINE@ではクーポンの配信ができます。
クーポンの配信によって、ユーザーに商品やサービスなどを宣伝し、購入を促進することが可能です。
管理画面でクーポンの開封数や使用数を確認できるため、効率の良い運用 ができます。
また、LINE@ではLINEショップカードというポイントカードの作成も可能です。
ユーザーは各ショップカードをリストで管理できるため、忘れたり紛失したりすることがあった紙製のポイントカードよりも便利です。さらに、ユーザーは現在地周辺でショップカード未取得のお店を見つけることができるため、ポイントカードを利用した宣伝効果も見込めます。
ユーザーに関するデータを取得できる
LINE@は効果的な情報配信をするために、重要な機能も備えています。
一つはリサーチページです。配信側が得たい情報を、アンケートや人気投票などを使って集めることができます。
もう一つは統計情報という機能です。
友だち追加数、ブロック数、タイムラインへの反応数、指定期間の数値データを確認できます。
公式アカウントとの違い
LINE@と公式アカウントでは目的や料金体系、利用できる機能が異なります。
公式アカウントは初期費用(契約費用)と継続費用が設定されています。それに対し、LINE@は送信メッセージ数に応じてプランが設定されています。
LINE@と公式アカウントの大きな違いは、配信するユーザーの 規模です。公式アカウントは継続費用が10万人以上から設定されていることからもわかるように、大規規模な配信を想定しています。それに対し、LINE@は無料で1000通までメッセージが送信可能で、ユーザーとの個別のやり取りに適しています。
公式アカウント | LINE@ | |
利用目的 | 認知度の向上や新規顧客の呼び込みなど。数十万から数百万単位のユーザーに配信可能。 | 既存顧客とのコミュニケーションやリピーターの獲得。店舗単位で利用可能。 |
費用 | 【エントリープラン】 最低800万円~。契約期間・メッセージの配信総数によって料金が異なる。 4週間契約、最大5メッセージ配信:800万円(税別) 8週間契約、最大10メッセージ配信:1200万円(税別) 12週間契約、最大7メッセージ配信:1000万円(税別) 12週間契約、最大15メッセージ配信:1500万円(税別) 【継続プラン】 エントリープランの契約期間満了後、継続する場合の費用はターゲットリーチ数により異なる。 10万人以上 月4回配信まで 250万円(税別) 以降増額 50万人以上 月2回配信まで 250万円(税別) 以降増額 100万人以上 月1回配信まで 250万円 (税別)以降増額 |
【フリー】 無料 メッセージ配信1000通まで 【ベーシック】 5400円(税込み)メッセージ配信はターゲットリーチ数5000人まで無制限 【プロ】 2万1600円(税込み)メッセージ配信はターゲットリーチ数10万人まで無制限 |
機能 | メッセージの配信、タイムライン投稿、自動応答・キーワード応答、プロモーション配信・LIVECAST機能など | メッセージの配信、タイムライン投稿、クーポン配信、1:1トークなど |
LINE@の活用事例
LINE@を活用し、成功している企業があります。ここでは2つの事例をご紹介します。
クーポン機能の活用で売上が2倍に増加したウインザーラケットショップ
ウインザーラケットショップは、関東を中心に12店舗を構える、テニス・バドミントンの専門店です。
以前は会員に向けて、セール情報を年4回はがきで郵送していました。しかし、コスト面を考慮し、セール情報の配信をはがきからLINE@に切り替えました。
友だち限定でシューズの割引クーポンを配信したところ、シューズの売り上げ数が約2倍に増加したと言います。
自由なタイミングで情報を配信できるというLINEの特徴を生かして、 急遽決まったイベントの告知などタイムリーな配信を行えるようになりました。
運用開始から5ケ月で友だち1万人超え!テニス用品専門店のLINE@活用方法とは LINE@公式ブログ
LINE@での情報配信でユーザーの来店を促進したアインズ&トルペ
アインズ&トルペは、北海道から関西まで展開している、美容と健康をテーマにしたセレクトショップです。
LINEが普及してきたことをきっかけに、これまで行ってきたメールマガジンと同時進行でLINE@を導入しました。
その結果、LINE@で配信したメッセージはメールマガジンに比べ、開封率が10倍から20倍に増加。さらに、1000円OFFのクーポンを配信したときの利用率は、メッセージを開封した人の約90%にも上ったと言います。
LINE@で効果的な情報を配信し、ユーザーに実店舗へ足を運んでもらうきっかけへとつなげた実例です。
開封率はメルマガの約10倍!美と健康のセレクトショップのLINE@活用方法とは LINE@公式ブログ
LINE@の導入方法
実際にLINE@を導入するには、どうすれば良いのでしょうか。LINE@の導入方法について、順を追って説明していきます。
LINE@の導入手順
- LINE@アプリをダウンロード
LINE@専用のアプリが必要です。また、LINEアカウントに登録していることが前提になるため注意が必要です。 - LINE@アカウントを作成
LINE@のアカウント作成を行います。
LINEアカウントと同様のメールアドレスとパスワードを入力し、アプリにログインします。
(キャプチャ画像)
※登録したメールアドレスを忘れてしまった場合はLINEアプリの「設定」→「アカウント」から確認しましょう。アカウント名と業種を設定します。確認し、問題なければ申し込みます。
すると、LINE@MANAGERへログインする画面が表示されます。
- アカウントの詳細設定を行う
LINE@MANAGERにログインし、プロフィール写真やステータスメッセージといった詳細の設定を行います。
IDは登録時に不規則なものが付与されますが、有料で任意のIDに変更できます。ID検索で表示されるため、任意のIDを購入し、工夫しても良いでしょう。そのほか、カバー画像や友だち追加時の挨拶文など必要な項目を設定したら、完了です。
LINE@導入時のポイント
配信頻度に気をつける
LINEの特徴は手軽に、かつリアルタイムに情報を配信できる点です。
適切なタイミングでの配信は、ユーザーに商品やサービスを訴求する上で効果的です。ただし、過度な配信はユーザーに不快感を与えるおそれがあります。
LINEはブロックも容易に行えます。ユーザーの負担にならない頻度の配信を心がけましょう。
「友だち登録」をしてもらう工夫をする
ただLINE@を開設しただけでは、実店舗への来客数や売り上げの増加といった期待している効果は見込めないでしょう。いかに情報を受け取ってくれるユーザーを増やすかが鍵となります。
店頭にQRコードを設置したり、パンフレットを配布したりして、まずは友だち登録してもらう工夫をしましょう。
また、ユーザーが魅力に感じる情報を配信するなど内容を工夫し、継続的にユーザーとの関係性を築けるようにすることも大切です。
LINE@は顧客との接点を増やすのに有用
現代は、顧客が商品購入に至るまでのルートが多様化しています。その中で企業が売り上げを伸ばすためには、顧客との接点を増やすことが大切です。
LINEは日本で利用されているSNSの中でもユーザー数が多いプラットフォームです。LINE@を導入することで、より多くの顧客との接点を持てる可能性があります。
LINE@の活用をぜひ検討してみてはいかがでしょうか。