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先行公開!注目のSNS新刊本が明かす「SNSを活用したマーケティングで成果を上げる、適切な予算配分の考え方」

最終更新日:2023.08.03

SNSを活用したマーケティングで成果を出すための鉄則がまとめられた書籍『SNSマーケティング7つの鉄則』(日経BP 日本経済新聞出版)が2023年8月10日に発売されます。株式会社GiftX 代表取締役 飯髙悠太さん、株式会社スノードーム 代表取締役 室谷良平さん、株式会社ホットリンク 執行役員 アドテクノロジー事業・CNS事業担当 鈴木脩平さんら3人の共著で、「中の人」に頼らないSNS運用体制の構築方法、クチコミのつくり方などが解説されています。

Marketing Nativeでは特別に、書籍の「第4章 成果につながるSNSマーケティング 7つの鉄則」のうち、「鉄則1:トリプルメディアで資源配分するとSNSの打ち手が見える」の一部を掲載させていただくことになりました。ぜひ、ご一読ください。

※以下、本文は2023年8月10日発売の書籍『SNSマーケティング7つの鉄則』(著者:飯髙悠太・室谷良平・鈴木脩平)から抜粋、再構成したものです(画像提供:株式会社ホットリンク、図版はすべて書籍『SNSマーケティング7つの鉄則』より引用)。

目次

 

SNSの登場は、メーカーや卸売などの企業にとっても「顧客の声が直接聞ける」という点で画期的でした。従来はPOSデータなどからしか顧客のニーズを把握できなかったところを、SNSの登場によって、「この商品が欲しい」「この商品の使い心地が最高だった」などの顧客の声が、直接拾えるようになったのです。

SNS上で発見した顧客の声を商品企画に活かしたり、自社のWebサイトにUGCを掲載したり、広告のクリエイティブにUGCを二次利用したりなど、多様なアプローチも可能となりました。

「多様なアプローチが可能」というSNSの強みをフル活用するには、SNS戦略の策定をSNS担当者だけに任せてしまうのはNGです。マーケティング戦略に紐づいたSNS戦略を策定する必要があるため、デジタルマーケティングの責任者とSNS担当者で対話をしたり、部門間で連携を図ることも重要です。

「どのSNSを活用するか」「特に注力するのはどの活用法か」を可視化し、共通認識をもつためにも、このような図表でまとめておくと良いでしょう。思考の整理としても、このようなアウトプットを作成しておくと効果的です。

『SNSマーケティング7つの鉄則』より「トリプルメディアでの投資判断俯瞰図(例)」

では、どのようにこの配分を検討したらよいのか。重要なのは「SNSに限らず、施策全体でリターンが最大化するような配分」を考えることです。具体的な検討ポイントをご紹介します。

脱・広告起点の予算配分

「まずは広告をどのように仕掛けようかな」という発想になり、広告にばかりマーケティング予算を配分する思考に陥ってしまうかもしれません。その結果、まずは広告に投資し、余った予算をオウンドメディアやアーンドメディアに充てる、という考え方になってしまうでしょう。

低コストで使えるメディアを使い倒す視点も重要です。もちろんマス広告は圧倒的なリーチが取れる良さもありますので、否定するわけではありません。

SNSはオウンドメディア(公式アカウント運用)やアーンドメディア(クチコミ・PR波及)のパワーが大きい媒体です。SNSによって消費者行動が変わり、そのニーズに合った商品が売れるという現象は容易に起こりうるので、プロモーション設計の段階で、SNSに予算を厚くするなどの手は打つべきです。CPAが悪い媒体予算からSNS予算を捻出するなど、SNSを存分に活用できる前提に立った予算配分を検討しましょう。

もしCPAが高すぎるまま、リスティング広告に1000万円単位で投資しているのであれば、そっくりそのままSNSのブランドマーケティングに投資するほうが効果はあると筆者は考えています。人員配置も含め、予算配分の見直し(アロケーション)をおすすめします。

『SNSマーケティング7つの鉄則』より「資源配分の見直し方」

広告への資源配分を見直す場合

投資対効果が悪い広告費用の削減や、リスティング広告よりもUGC活用に広告費用を割くなど、先ほど述べた「獲得型施策」から「ブランド構築施策」へと資源を配分していく方法があります。テレビCMやラジオCM、交通広告から、アカウント運用やSNS広告などのインターネット広告にコストを割いていく方法も有効です。

ZOZOTOWNや楽天市場、Amazonなど、大手のECモールに集客を依存している場合は、集客手段を自社のオウンドメディアやSNSアカウントにシフトしていく手もあります。これによって、顧客リストやデータを「自社の資産」として蓄積していくことが可能です。

次の図は認知→興味関心→検索→購買→リピートというマーケティングファネル別での資源配分のイメージです。認知と獲得、ファネル別の予算配分バランスです。

SNS広告は、認知から購買、さらにはリピートという全てのフェーズで活用可能です。ディスプレイ広告やリターゲティング広告などとも連携が発生しますが、基本的にSNSのオウンドメディアとアーンドメディア的活用はブランド構築にも向いています。

いわゆる「獲得型」のマーケティング手法の限界に直面している企業は多いでしょう。一方で、SNSを代表に、ブランド構築を中心とするデジタルマーケティングの新手法も生まれつつあります。デジタルマーケティングにおいても、ブランド構築の領域に資源を配分する観点も持つべきです。

オウンドメディアへの資源配分を見直す場合

自社のWebサイトや公式アカウントに対する投資を増やし、オウンドメディアの発信力を高めていく方法もあります。

ただし、オウンドメディアを強化する場合はコンテンツの量産が不可欠となるため、その分の新しい投資は必要になります。テキストや写真、動画(短尺・長尺)など、昨今はコンテンツのフォーマットも多様化していることも鑑みつつ、資源配分を考えるとよいでしょう。

社員や社長などがインフルエンサーとして自ら「メディア」となる、「社員のインフルエンサー化」「インフルエンサーの内製化」に対する投資も一つの手です。

オウンドメディア発信には、コンテンツ制作への投資が不可欠です。例えば社員のインフルエンサー化を進める場合は、カメラなどの撮影機材や三脚、照明といった小道具が必要になるでしょう。社内に撮影スタジオを用意する企業も出始めています。予算や時間はもちろん、コンテンツ制作に関するノウハウ蓄積の観点からも、自社に必要な資源の配分を考えてみてください。

SNSへの資源配分を見直す場合

SNSをトリプルメディアの観点で切り分ると、オウンドメディアが「公式アカウント運用」です。また、UGCを「お客様の声」としてECサイトや自社のWebサイトに掲載し、購買転換率を上げる方法も考えられます。アーンドメディアが、一般のSNSユーザーによるUGCの創出を狙う方法です。インフルエンサーとの関係構築を通し、自然発生的なUGC(PR案件がらみではない投稿)が投稿されることに資源を配分する手も有効です。

ペイドメディアの活用としては、SNS広告や、PR案件として依頼をする「インフルエンサーマーケティング」が挙げられます。また、昨今は第三者配信や、Instagramの「ブランドコンテンツ広告」などを筆頭に、インフルエンサーの投稿を広告として配信することも可能となりました。

しかし、リソースには限りがあります。兼務というかたちで、各SNSアカウントを担当者一人で使い分け、運用する場合も多いのではないでしょうか。そうすると、どのSNS運用も結果的に中途半端になってしまい、望ましい水準の成果は出せないかもしれません。

すべてのSNSをトリプルメディアの観点でそれぞれ活用することは、リソースが潤沢な大企業でない限り難しいでしょう。注力するSNSを選んで取り組むほうが、無理がありません。

どのSNSを強化するか

SNSを選定するポイントはシンプルです。

  • 届けたい相手に情報を届けられるか
  • それを効率的に行えるか

この2つの観点で考えましょう。

『SNSマーケティング7つの鉄則』より

例えば地方の私立大学が学生募集のプロモーションを行いたいとします。この場合は受験生のような年代のユーザーが多く集まっているSNSで発信することでターゲットと接点を取れます。Facebookは社会人以降の年代のユーザーが多いため、ちょっと難しいかもしれません。では、老人ホームの入居者募集では?

迷った場合は「届けたい相手に届けられるか」とシンプルに考えるとよいでしょう。効率の観点では、例えば公式のFacebookページの更新についてはアルゴリズムが難解で自然な露出が取りづらいから運用は行わない。また、YouTubeの公式チャンネル運用は動画制作コストと工数が取れないので今は見送るなど適宜判断しましょう。

TwitterはTwitterらしく、InstagramはInstagramらしくと、各SNSの特徴をふまえて最適化したいのが理想です。現実的にリソース面で難しければ、まずは各SNSへの一斉投稿から始めてみる方法もあります。あるいは「まずはTwitterから極めていこう」とチャネル一つひとつを攻略していく方法もあるでしょう。

適切な資源配分で全体最適なSNSマーケティングを

このように、SNS活用をトリプルメディアで切り分けていくと、さまざまな打ち手が見えてきます。

「コロナショック」やロシアのウクライナ侵攻に伴う原油価格・原材料の高騰など、2020年以降、経済や金融の分野も含めて、世界中で危機的な状況が起きています。価格の高騰や不景気などによるコスト構造の変化が起きると、利益確保のために真っ先に削られていくのは販管費です。

企業にとって逆風のような状況ですが、「資源配分を見直す絶好のタイミング」と捉えることもできます。ぜひ社内一体となって、前向きに資源配分やSNSでの打ち手を検討してみてください。

 

【著者Profile】
飯髙 悠太(いいたか・ゆうた)
株式会社GiftX 代表取締役。
2014年株式会社ベーシックにて、マーケティングメディア『ferret』を立ち上げ、執行役員に就任。2019年株式会社ホットリンクに入社し、執行役員CMOに就任。2022年6月に「ひとの温かみを宿した進化を。」をテーマに株式会社GiftXを共同創業し、「おもいが伝わる、ほしいを贈れる」選び直せるソーシャルギフト「GIFTFUL」運営。現在、企業のアドバイザーやマーケティング支援も実施。著書に『僕らはSNSでモノを買う』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『BtoBマーケティングの基礎知識』『アスリートのためのソーシャルメディア活用術』(いずれもマイナビ出版)がある。
Twitter:@yutaiitaka

室谷 良平(むろや・りょうへい)
株式会社スノードーム 代表取締役。
函館高専情報工学科卒。オリンパスメディカルシステムズ、ネットリサーチ企業、人材ベンチャーでのマーケティング職を経て、2019年に株式会社ホットリンク入社。2022年に同社マーケティング本部長就任、BtoBマーケティング・広報・インサイドセールスを統括。SNSコンサルティングにも従事。2023年7月にマーケティング支援と人材育成を行う株式会社スノードームを設立。著書に『1億人のSNSマーケティング』(エムディエヌコーポレーション)、『現場のプロが教える! BtoBマーケティングの基礎知識』(マイナビ出版)がある。北海道長万部町出身。
Twitter:@rmuroya

鈴木 脩平(すずき・しゅうへい)
株式会社ホットリンク 執行役員 アドテクノロジー事業・CNS事業担当。
エン・ジャパン株式会社や楽天株式会社(現・楽天グループ株式会社)、KDDI株式会社を経て、2018年に株式会社ホットリンクに入社。ファッションメーカーや出版社、決済サービスを扱う企業などに、SNSマーケティングのコンサルティングを実施。現在は執行役員として、アドテクノロジー事業・CNS事業を担当。
Twitter:@suzuki_shuhei

【書籍情報】

『SNSマーケティング7つの鉄則』表紙

タイトル:『SNSマーケティング7つの鉄則』
著者:飯髙悠太(著)、室谷良平(著)、鈴木脩平(著)
定価:2,420円(本体2,200円+税10%)
出版社:日本経済新聞出版社
発売日:2023年8月10日
単行本(ソフトカバー):304ページ
ISBN-10:4296113704
ISBN-13:978-4296113705

Amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/4296113704/
楽天:https://books.rakuten.co.jp/rb/17538222/

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