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インタビュー

ベイジ代表・枌谷力インタビュー。物事の「本質」に対する考え方とコミュニケーション力の磨き方

最終更新日:2023.05.22

CEO Interview #07

株式会社ベイジ代表

枌谷 力

株式会社ベイジ代表・枌谷力さんが運用するTwitterアカウントのフォロワー数が5万9000人(2020年10月22日現在)に達しています。

Marketing Nativeの読者の中にも枌谷さんのツイートやブログに惹かれる人が少なくなく、理由は書かれている内容が本質的で納得感が強いと感じているからのようです。

では、どうすれば枌谷さんのように納得感の強い表現ができるようになるのでしょうか。

今回は株式会社ベイジ代表・枌谷力さんにTwitterを中心にコミュニケーション力の磨き方について話を聞きました。

(取材・文:Marketing Native編集部・早川 巧、撮影:豊田 哲也)

目次

「本質」は人それぞれの見方で異なる抽象的な概念

――Twitterのフォロワー数が約5万9000人。Webデザインの仕事が優れているからという理由だけで、これほど多くの人にフォローされることはないと思います。それで、フォロワー数が多い理由を考えてみたのですが、Marketing Nativeの読者の中には枌谷さんのツイートに本質的な内容が多いと受け止めている人もいて、私もそれが大きいのではないかと感じました。ご自身ではどうお考えですか。

まず前提として、私はもともと物事の本質を見抜くことが得意ではないと思っています。皆さんの周りにも、核心を突いた鋭い指摘をする人がいると思いますが、私はどちらかというと、そういう人に憧れを抱く立場の人間でした。それに対して私がやっていることは、誰かの発言をカスタマイズしているだけですね。ですから、物事の本質を見抜く観察眼の優れた人がたくさんいる中で私がこういう取材を受けるのは恐れ多いと思っていることを最初にお伝えしたいです。

取材はマスク着用で行われた。

その上で、本質的な話をするのが苦手だと思っている私がなぜそのような評価を一部であったとしても頂けるようになったのかという視点でお話しします。

そもそも「本質」といっても、実は人によって異なる抽象的な概念だと考えています。ある意見を批判するときに「それは本質的ではない」と言われることがありますが、それはその人に都合のよい本質であることも多く、実は中身のない虚像になりがちだと感じます。ですから、私自身が本質を握れているわけではありませんし、私が握れるような唯一無二の本質が世の中に存在するわけでもなく、おそらく私の話し方や話のフォーマットが本質を突いているような印象を持たれているだけではないでしょうか。私自身、頭がいいわけでも、物事の真贋を見極める力を持っているわけでもありません。

――なるほど。では今度「それは本質的ではない」と言われたら、「それはあなたにとって都合のいい本質ですよね」と言い返すことにします(笑)

それは嫌われるからやめておいたほうがいいかもしれませんね(笑)

――枌谷さんは社員に対して「それは本質的ではない」と言うことはないんですか。

ありますよ。しかし、それは私が望んでいる本質であって、見方を変えれば本質ではなくなるかもしれないという前提は忘れないようにしています。議論が会社経営の話であれば、経営に直結する話が本質的だと思いますが、Twitterのようにいろいろな立場の方が参加する場になると、人それぞれにいくつもの本質がある気がします。

私のツイートを本質的だと受け止める人がいるとしたら、それは本質かどうかよりも、「逆張り」だからではないでしょうか。逆張りの意見に納得すると、人は本質的だと感じる習性があるのだと思います。

――逆張りだけでは納得感は得られにくいですから、納得感を与えられるような逆張りができるからこそ本質を突いていると受け止められるのではないですか。

それは、皆さんが好みそうな逆張りのパターンを私が繰り返しているからでしょう。パターンはいくつかありますが、よく使うのは「そもそも論」です。そもそも論に立ち返ると、大抵は「本質的にはそうですね」となりやすくて、議論が過熱したり脱線しかかったりしているときにそもそも論を投げかけると、「本質的な話をする人だ」という印象を与えやすい気がします。

では、何がそもそも論かというと、また少し難しいのですが、軸を変えると、そもそも論になりやすいと考えています。例えば、短期的な売り上げの議論をしているときに中長期的な観点の話をすると、軸が変わって別のアイデアが出やすくなり、「確かに本質的にはそうだよね」と話が前向きに動き始めることがあります。

軸をずらす思考法と構造化の鍛え方

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・Twitterが苦手な人は、別のことにリソースを
・炎上させないために意識していること
・枌谷さんが実践する文章校正の方法
・コミュニケーション力を鍛えるには、まず好きなことから

記事執筆者

早川巧

株式会社CINC社員編集者。新聞記者→雑誌編集者→Marketing Editor & Writer。物を書いて30年。
Twitter:@hayakawaMN
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