中古オートバイの買い取りや販売などを行うバイク王&カンパニーの業績が好調です。
公共交通機関などの3密を回避したい人の移動手段としてオートバイが注目されているとはいえ、ライダー人口が今、大きく伸びているわけではありません。そのような状況でバイク王はどのように業績を伸ばしているのでしょうか。
今回はバイク王&カンパニー取締役常務執行役員・大谷真樹さんに話を聞きました。
(取材・文:Marketing Native編集部・早川 巧、人物撮影:豊田 哲也)
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バイク王がコロナ禍でも業績好調な理由
――バイク王の業績が好調です。2018年には業績低迷を指摘する記事がありましたが、その後すぐに立て直して、現在まで利益拡大を続けています。好調な決算の背景には何があるのでしょうか。
大きく2つの要因があります。1つは「バイクを売るならバイク王」というキャッチコピーでバイクの買い取りを中心にしていたビジネスモデルから、「バイクのことならバイク王」と言われるブランドへの進化を目指し、一般ユーザー向けのリテール販売を強化した点です。店舗数で言えば、62店舗中57店舗、ほぼ9割の店舗でリテール販売を行っておりまして(2020年12月17日現在)、この戦略の転換が業績を押し上げる要因になっています。
もう1つは、「高市場価値車輌」という原付第2種(51~125cc)以上の取り扱いを増やしたことです。高市場価値車輌は業者間取引のオークションにおける値付きの相場が良く、その点も要因として影響しています。
――買い取り一辺倒から販売を含めた総合的なサービスを提供するビジネスモデルに転換したことと、高市場価値車輌を扱う割合を増やしたことが好調な決算の要因である、と。業績悪化に苦しむ業界が多い中で、コロナ禍においても好調な理由は何でしょうか。
データがないので推測でしかありませんが、当社だけでなく、中古バイクの業者間取引では全体的に「玉不足」になっていると聞きます。「満員電車を避けて、バイク通勤に切り替えたい」とバイクの購入を考えている人、逆に「そのうち通勤でバイクを使うときが来るかもしれないから、今は手持ちのバイクを売るのをやめておこう」と売り控える人がいて、そのアンバランスさが値付きに影響しているのではないかと思います。
競合との違いは、スキームと伝え方の理路整然さ
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