シェアード・モビリティ・ネットワークス株式会社が運営するShaero(シェアロ)は、国内では唯一の折りたたみ電動バイクのシェアリングサービスだ。昨今のコロナ禍の情勢や生活様式の変化を受け、都市部で“密”を回避しつつ数駅分の距離を効率的に移動できるエコなツールとして、昨年(2021年)9月にサービスを開始した。2022年2月16日時点ですでに東京23区を中心に65ステーションの設置が完了しており、累計約6億円の資金調達を経て2022年夏には200ステーション、2023年夏には600ステーションの開設を目指している。
Shaero開発の想いと強み、今後のビジョンについて、シェアード・モビリティ・ネットワークス株式会社 代表取締役 畑翼さんに伺った。
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折りたたみ式だからこそ、省スペースで設置が可能
シェアード・モビリティ・ネットワークスの代表取締役 畑翼さんは、様々な働き方やライフスタイルが生まれ、生活様式が多様化する中で、東京の移動を「もっと便利にしたい」と思い、事業の企画を始めたという。
Shaeroによる移動は、“密”を回避できることや便利さだけが特徴ではない。例えば、電車やバスでの移動とは異なり、普段は見ないような景色を楽しんだり、季節を肌で感じたりすることもできる。2021年9月にサービスを開始して以来、利用者からは「楽しい」「もっとステーションを増やしてほしい」との声もあり、畑さんはShaeroが東京という都市にフィットするプロダクトであると確信したそうだ。
畑さんは、Shaeroは都市部で行われる中距離移動に最適と話す。
「Shaeroは地下鉄でいうと3駅~5駅分(3km~5km程度)のちょっとした移動に最適な手段です。公共交通機関の乗り換えや待ち時間を省略し、買い物、お出かけ、通勤、仕事中の移動などに利用することができます。ユーザーの年齢層は幅広く、1回につき平均8km~9kmの移動に利用されています」
時速30kmで走行できるShaeroは、約2.5kmの距離を10分以内で走行し、自分でペダルを漕ぐ必要がないため、汗をかいたり疲れたりしづらいのがほかのシェアサイクルとの違いだという。また、折りたたみ式という点も見逃せない。畑さんは次のように説明する。
「折りたたみ電動バイクは自動販売機サイズのステーションに4台駐車できるため、省スペースで設置でき、都市部でもより多くのステーション展開が可能と考えています」
折りたたみ式であることが、都市部で展開するうえで利点となっているようだ。
電動バイクは、電気代約10円分のエネルギーで30kmを走行し、「シェア」することで小容量のバッテリーでもこまめに充電されるため、環境負荷が低い。騒音や排気ガス等がなく、環境と人に優しいのも特徴だ。
今後は、東京を中心とした関東エリアで、2022年夏に200ステーション、2023年夏には600ステーションの開設を目指す。同時に、地方都市へのシェアロの展開や、より幅広い年齢層の人が乗れる小型EVによるシェアリングサービスの開発を行っていく予定とのこと。
コロナ禍を機に、首都圏を中心に日々の移動の形が変わっている。今後、移動の未来はどうなるのだろうか。Shaeroも、その一端を担っていくのだろう。
画像提供:シェアード・モビリティ・ネットワークス
※Shaeroの利用には原動機付自転車の運転免許証が必要。