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会員数が半年で7倍に!不動産小口化商品「トモタク」が人気の理由とは?

最終更新日:2022.02.28

いまやビジネスパーソンの間でも珍しくない「不動産投資」。アパートやマンションなどの収益不動産を購入し、賃料収入や売却益を得るのが一般的な手法です。とはいえ、都心になるとマンションの一室でも購入するのに数千万円、一棟マンションなら億を超えることもあり、資金面でのハードルが高く、また購入後の管理もなかなか大変といわれます。

そこで、近年は一つの不動産を小口化することで単価を下げ、複数の出資者で共同保有する「不動産小口化商品」が注目されています。この記事では、不動産小口化商品「TOMOTAQU」(以下「トモタク」)を展開する株式会社イーダブルジー不動産ファンド事業部の鈴木美佳さんと竹内將さんに、人気の背景や、注目を集めるに至るまでのプロモーションの話を聞きました。

(取材・文:ライター・大正谷 成晴)

目次

    「不動産小口化商品」とは?怪しくない!?

    「不動産小口化商品」とは、一つの不動産を一口数万円から100万円、時には数百万円に小口化した上で複数の投資家向けに販売し、対象物件の賃料収入や売却益を口数(投資額)に応じて出資者に分配する金融商品です。複数の投資家から資金を集めて対象不動産の収益モデルに投資することから「不動産ファンド」とも呼ばれます。

    賃貸需要のあるエリアで一棟の不動産を買うには数千万円、中でも都心部では億単位の資金が必要とされ、個人の場合、手を出すのはなかなか難しいという方も多いでしょう。金融機関から融資を受けるといっても、属性により与信にも限りがあります。

    画像はイメージ

    その課題を解決するのが不動産小口化商品で、高額な物件を複数に小口化して投資家が欲しい口数を購入できるようにしたことで、投資のハードルを下げた仕組みになっています。また、物件の運用・管理自体は投資家ではなく販売者側や専門の管理会社が行うので、物件を購入したオーナーには入居者募集や賃料の回収、クレーム対応、物件メンテナンスなどの手間が全くかかりません。「大家」というより投資信託など「金融商品の購入者」に近い感覚と言えます。これも通常の不動産投資と異なる点でしょう。

    次に、不動産小口化商品の販売側について説明します。不動産小口化商品は誰でも販売できるわけではなく、「不動産特定共同事業法(不特法)」という法律で規制されていて、金融庁長官や国土交通大臣、都道府県知事の許可を得た事業者のみ取り扱うことができます。

    不特法はもともと複数の投資家から資金を募って物件を取得・運用する「不動産特定共同事業」について定めた法律で、1995年に施行されました。その後、投資家保護を主な目的に数度の改正がなされた結果、事業者側の参入ハードルが低くなり、2022年1月末現在で大手不動産会社や中堅企業、ベンチャー企業など200以上の事業者が許認可を受けています。日本では人口減少や地方の過疎化が進行していて、空き家の増加が社会問題になっています。不動産投資に対する事業者・投資家双方の参入ハードルを下げることで、不動産の流通促進を狙う側面も背景にあると思われます。

    「トモタク」1号ファンドの物件。

    「トモタク」に投資すると、どれくらい儲かるの?損するリスクは?

    現在は多くの事業者が商業施設やオフィスビル、居住用マンションなどの不動産を対象に、不動産小口化商品を販売しています。中でもオンラインで取引が完結する「不動産投資型クラウドファンディング」は、コロナ禍にあって不動産管理の手間や費用が掛からず、少額からできるため利用者が増えているそうです。イーダブルジーで不動産特定共同事業を担当する不動産ファンド事業部の竹内將さんは「我々の調査によると、2020年は約90億円だった不動産小口化商品の市場規模が、21年には約250億円まで成長したとわかりました。参入企業・利用者ともに増加の一途をたどっています」と話します。

    イーダブルジーは2009年に設立した、不動産事業(売買・仲介・賃貸管理)や不動産コンサルティングなどを展開する会社で、2020年10月から不動産特定共同事業に進出し、不動産小口化商品の「トモタク」の取り扱いを開始しました。これまでに1号ファンドから11号ファンドまで(不動産小口化商品では商品のことを販売順に「〇号ファンド」と呼ぶ)11種類の商品を販売していて、対象物件は東京都内や茨城県など首都近郊の戸建てやアパート、マンションなど。投資家から集めた資金で物件を買い、運用後の賃料収入を出資額に応じて分配する仕組みです。

    「東京23区内をはじめ首都圏の賃貸需要は旺盛ですが、人気エリアは他にもあります。当社は全国を対象に賃貸需要を分析して物件を売買してきたので、『トモタク』でも都内だけでなく、全国の優良物件から選定しています」というのは、「トモタク」の立ち上げから事業に携わる同社不動産ファンド事業部課長の鈴木美佳さんです。

    出資額は一口10万円で、一口から始められる商品もあり、最低出資口数はそれぞれの商品の特徴によって異なります。募集金額も総額1000万円を切る戸建てもあれば、昨年12月に募集を始めた東京都墨田区の一棟マンション対象の11号ファンドは9000万円でした。基本的に物件の規模が大きくなるほど募集金額は高くなります。

    「運用期間は半年のファンドもあれば、3年に及ぶものもあります。予定分配率(年率)も5%前後から8%までなど商品により幅があり、3カ月ごと、半年に1回など配当金をお渡しするペースも異なります」(鈴木さん)

    例えば、予定分配率(年率)5.0%(税引前)で3年間運用するファンドに100万円(10口)投資した場合、3カ月ごとに配当があるとしたら、1回の分配につき1万2500円を受け取り、年間で合計5万円。3年間の総分配額は15万円に上り、運用終了後に出資金の100万円も全額返還されます。

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    一方、個別株や投資信託がそうであるように、不動産小口化商品も元本保証された金融商品ではありません。そもそも投資商品の元本保証は出資法で禁じられています。「トモタク」についても、物件の入居者が埋まらずに想定の賃料収入が得られない、もしくは天災による被害、周辺環境の変化による不動産価値の低下などの影響を受け、想定通りの分配金を受け取れなかったり、出資金が元本割れを起こしたりするおそれがあります。

    ただし「トモタク」の商品はすべて投資家による優先出資90%、「トモタク」による劣後出資10%の優先劣後システムを採用し、収益の還元を投資家が優先的に受け取れる仕組みにしています。これにより、万が一対象不動産の評価額が下落した場合でも、下落率が10%(劣後出資分)までなら優先出資者である投資家の元本に影響を与えません。

    また、通常、顧客への配当は賃料収入が原資のため、空室が続くと配当ができなくなるおそれがあります。「トモタク」ではこうしたリスク解消のため、運用期間中は第三者とサブリース(家賃保証)契約を締結して賃料収入を得る形で配当の確実性を高めるなど、不動産投資特有のリスクを抑える、さまざまな手段を講じているといいます。

    「他にも、出資金や配当をプールして個人別に日証金信託銀行の口座に入れておき、いつでも引き出せたり他の案件に出資できたりする『預託金制度』も導入しています。これにより『トモタク』の他の商品を買う際にお客様自身の銀行口座から資金を出し入れする必要がなく、資産管理がより手軽になります。他社ではあまり見られないサービスですね」(竹内さん)

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    どんな人が購入しているの?人気の理由は?

    「トモタク」の商品を購入するのは、どんな人なのでしょうか。

    「男女比は7:3で、お客様の年齢は20代後半から80代まで幅広く、コア層は40代の一般的な会社員です。自営業や士業、主婦の方もいらっしゃいます。出資額は1案件に対しておひとり10万円から100万円を超えることもあります。多くの方が現預金だけでなく他の金融商品も経験していて、ハイリスクな投資は望まず、低リスクの運用として『トモタク』をお選びになっています。もしくは、不動産投資に興味はあるものの多額の出資は及び腰で、10万円からなら始めたいという方もたくさんいらっしゃいます」(鈴木さん)

    「不動産小口化商品は難解な知識が不要で、大家さんのような手間もかからないのがメリットです。ある程度の仕組みを理解すれば比較的容易に運用できるので、『ハイリスクな投資は嫌だけど、低金利の預貯金として寝かせるより利回り的に魅力的だ』という人に向いています」(竹内さん)

    「トモタク」をローンチした当初はコアターゲットである40代以上のビジネスパーソンをペルソナにして、オウンドメディアでコンテンツマーケティング、SEO対策を行ったそうです。例えば、不動産投資に興味はあるけど二の足を踏んでいる人は、「不動産投資 やめておけ」などのネガティブキーワードで検索するかもしれません。そのキーワードを基に「プロが物件を選んでいる」「少額から始められる」「管理業務はしない」などポジティブな事実を踏まえた自社コンテンツを作成することで、誤った認識に基づく不動産小口化商品への抵抗をなくしてもらう取り組みを行いました。

    「手軽に利益を得るという点で共通するポイントサイトに広告を出したり、不動産投資型クラウドファンディングの有力ブロガーさんにアフィリエイトをしていただくなど、プロモーションには力を入れました」(竹内さん)

    こうしたプロモーションの甲斐あって、コアターゲットの40代から顧客の年齢層が30代、20代と拡大していったといいます。

    「昨年(2021年)7月に比べると今年1月時点で『トモタク』の会員数は7倍に増えました。億単位を募集する商品をリリースするのは4月くらいを見込んでいましたが、前倒しで年始に挑戦したところ即完売しました」(竹内さん)

    認知度が上がるにつれてユーザー数も増え、人気上昇中の「トモタク」。

    「不動産小口化商品に対する世の中の興味関心は、老後不安の高まりという背景もあり非常に高く、少額で低リスクの投資なら始めたいと考えている人が多いことがわかります。反響が大きくなるにつれて申し込みが完売ラインを大幅に上回ることが常態化し始めたため、ファンドも途中から抽選制にしました。投資家様への対応も部門総出で行い、やっと間に合うほどです。その結果、お客様への対応をよりスピーディに改善することが課題になるなど、うれしい悲鳴状態になっています」と鈴木さんは打ち明けます。

    課題は他にもあります。

    「出資者の平均年齢が下がると同時に、当初は40万円ほどだった平均出資額が20万円ほどに減少しました。また、若い方は情報感度が高く他の商品に目移りしやすいので、いかにリピーターになっていただくかが課題になっています。出資者に対するDMをはじめ、カスタマーサクセスの施策を考えるときが来たと社内で話し合っているところです」(竹内さん)

    不動産投資というと、これまでは利用者も多い一方で、「怖い」「騙されそう」などネガティブなイメージを持つ人が存在するのも事実です。しかし、「トモタク」など不動産小口化商品の普及により、もっと身近な金融商品になっていく可能性もあります。もちろん、リスクを伴うので十分な注意は必要ですが、「トモタク」がお金の置き場所として注目度を集めているのは間違いないようです。

    TOMOTAQU(トモタク)
    https://tomotaqu.com/

    大正谷成晴

    記事執筆者

    大正谷成晴

    おしょうだに・しげはる
    フリーランスの編集・ライター。2001年よりビジネス誌を中心に活動を始め、投資・資産運用全般、副業、クレジットカード、医療・介護など、幅広いジャンルで取材・執筆を行っている。
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