Zホールディングス(以下、ZHD)のグループ企業であるヤフー、アスクルおよび出前館は、食料品や日用品のクイックコマース「Yahoo!マート by ASKUL(以下、Yahoo!マート)」を1月26日から本格的に展開を開始した。クイックコマースとは即配サービスのことで、ZHDグループは2022年度中に「Yahoo!マート」を都内23区全エリア、他の一部エリアへも拡大し、数十店舗規模の出店を目指すとのこと。
目次
最短15分で食料品や日用品を配達
「Yahoo!マート」は、ユーザーが出前館のサービス上で、アスクルが販売する食料品や日用品を中心とした約1,500種(店舗により品揃えや商品数は異なる)の幅広い商品の中から選択し、注文・決済すると、最短15分(※)で商品を受け取ることができるサービス。注文を受けた後、出前館の配達員が都内の専用倉庫(店舗)で該当商品を受け取り、指定された配達先に自転車やバイクで商品を届ける。
1月26日時点の店舗一覧
- 大山店:https://demae-can.com/shop/menu/3178564
- 代々木上原店:https://demae-can.com/shop/menu/3197775
- 箱崎店:https://demae-can.com/shop/menu/3202567/
- 横川店:https://demae-can.com/shop/menu/3207596/
- 三田店:https://demae-can.com/shop/menu/3208060
- 神楽坂店:https://demae-can.com/shop/menu/3211789
- 大久保店:https://demae-can.com/shop/menu/3213256
- 上野店:https://demae-can.com/shop/menu/3213455
※配達時間は目安
実証実験の成果を受け、Yahoo!マート本格展開へ
今回の本格展開の背景には、ZHDグループが2021年7月末から開始した、食料品や日用品を即時配達する実証実験「PayPayダイレクト by ASKUL(以下、PayPayダイレクト)」での成果がある。実証実験では当初の計画を上回る速さで都内8店舗を開設しているほか、2021年10月から12月の2カ月で月間注文数が10倍に増加、出前館における12月の店舗別売上ランキングの1位を獲得(※)。ユーザーからの高い評価も多く、食料品や日用品などの「今すぐ欲しい」というニーズの大きさを同社は再認識したと言う。そこで、「PayPayダイレクト」を「Yahoo!マート」に名称変更し、クイックコマースを本格展開するに至った。
クイックコマースには、ほかにも期待されていることがある。1つは、配達員であるギグワーカーの労働環境の安定化だ。フードデリバリーの注文が少ないアイドルタイムに日用品・食料品を配達することにより、ギグワーカーが終日安定して業務を行えるようになる。さらに、新型コロナウイルス感染症の影響などで増加している都心の空きオフィスを店舗として使用し、クイックコマースを通じた社会課題の解決も目指すと言う。
ヤフーのブランド力、アスクルの商品調達力、出前館のユーザー基盤と配達品質を活かしたグループシナジーは、ビジネス展開において大きな強みとなりそうだ。
※出前館 2022年8月期 第1四半期 決算説明会資料