コピーライティングは、マーケティングを成功に導くために重要な技術の1つです。自社のホームページやショップのブログなどで商品やサービスを訴求する際に、どのようなコピーを作成すれば良いか迷う人もいるでしょう。
情報やものがあふれる現代では、限られた情報量で確実に読者を購買まで導くスキルが必要です。商品やサービスの特徴を端的に表現し、読者を購買へとつなげるためには、コピーライティングのスキルが求められます。
そこで今回は、Webマーケティングでも必要とされるコピーライティングについて、書き方やポイントをご紹介します。
目次
コピーライティングスキルはなぜ重要?
コピーは、顧客と商品・企業を媒介するものです。まずは、コピーライティングの重要性を確認しましょう。
顧客の購買意欲に働きかけ、商品の売り上げに影響する
コピーライティングスキルがあれば、商品やサービスの情報などを魅力的なキャッチコピーにして伝え、顧客の感情に訴えかけることができます。
近年は、多くの企業が自社商品やサービスをネット上で宣伝するようになり、顧客はインターネットを利用して自ら検索し、情報を取得してから購入に至るのが一般的です。そのため、大量の情報があふれている中、対象の顧客に商品やサービスのことを知ってもらう必要があります。
そこで求められるのが、コピーライティングスキルです。実際に、コピーを変えただけで売り上げが増加した企業の例は多数あります。
上手なコピーは記憶に残り、覚えてもらいやすいため、顧客の獲得につながる可能性があります。
広告コピーの種類は大きく分けて2つある
広告コピーには、イメージコピーとセールスコピーの2つがあります。
イメージコピーは、企業や商品の良いイメージを伝えるブランディングが目的です。直接顧客に行動を求めるものではありません。イメージコピーを使う企業は比較的大企業が多く、有名な例としては、以下が挙げられます。
「そうだ 京都、行こう。」(東海旅客鉄道株式会社)
「うまい、やすい、はやい」(株式会社吉野家)
一方セールスコピーは、広告コピーを見たターゲットに、すぐに動いてもらうことが目的です。そのため、コピーを読んだターゲットにどんな行動を取ってほしいのか目的が明確で、イメージコピーと比較すると内容が具体的です。
読者の心に刺さるコピーを書くための手順
ここでは、実際にコピーを作る際は、どのように進めれば魅力的なものができるのでしょうか。ページタイトルや見出しなどに使える短いコピーと、セールスレターに分けてご紹介します。
キャッチコピーなど、短いコピーの作り方
ターゲットユーザーのペルソナを策定する
ターゲットユーザーのペルソナを設定すると、コピーの訴求力をより高めることができます。「年齢」「性別」「職業」「家族構成」「趣味」「インターネットの利用時間」「悩み」など、具体的に設定しましょう。
ペルソナの設定方法は、以下の記事でも紹介しています。
「ペルソナ設定のメリットとWebマーケティングで作る際の項目例」
商品やサービスがターゲットに与える価値を考える
まずは、商品やサービスの魅力を、漏れなく書き出してみましょう。
次に、書き出した商品やサービスの魅力について、それぞれがターゲットユーザーにどのようなメリットを与えられるのかを考えます。
ターゲットにとっての価値を取捨選択する
書き出した複数ある価値の中から、セールスポイントとするものを絞ります。その際、必要になるのが、競合のリサーチです。他社が売り出しているポイントと自社製品の価値を比較すると、差別化できる部分から、自社製品のセールスポイントが見えるでしょう。
魅力や価値を短文にする
短いコピーを作る際の大前提は、誰が読んでも理解できる、単純明快な文章であることです。ターゲットユーザーにとってメリットとなる部分を強調したり、信頼獲得につながるような文言を入れたりします。
<例文>
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セールスレターの作り方
トップコピーのポイント
トップコピーは、ユーザーが最初に目にする重要な部分です。この部分で、ターゲットユーザーが後に続く文章を読むか否かが決まると言っても良いでしょう。そのため、読者を次の文章へリードするようなトップコピーを作成することが大切です。
例えば、以下のような文章でユーザーを引き付けます。
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ボディコピーのポイント
ボディコピーで大切なのは、ターゲットの悩みにダイレクトにアプローチする文章を書くことです。「まさに今私が悩んでいることだ」「これは私のことを言っているのでは?」とユーザーに共感を抱いてもらった上で、商品やサービスを解決策として提示します。
解決策を提示した後は、商品やサービスを購入することで得られるベネフィットを記載します。「ユーザーニーズが可視化できる」「コンテンツプランニングがワンストップで行える」など、リアリティのあるメリットにするのがポイントです。
そして、ボディコピーの最後には商品の信頼性につながるデータなどを提示します。例えば、その会社の表彰経歴や、大企業との協働経験、成功事例、商品を利用したユーザーのリピート率・満足度などです。
ターゲットは商品のメリットを理解しつつも、どこかでまだ「本当にメリットがあるのか?」と疑っているかもしれません。そのため、信頼できるデータや導入事例などを提示することが大切です。
クロージングコピーのポイント
最後に、価格や保証、希少性などをユーザーに訴求し、商品をより魅力的に見せましょう。
また、注文方法の詳細を明記することも、問い合わせや受注につなげる上で大切です。
PASONAの法則を意識する
「PASONAの法則」とは、経営コンサルタントの神田昌典氏が提唱している法則で、消費者の購買行動を効果的に促せる文章構成のことです。
PASONAという名称は以下の頭文字を取って付けられており、次に示す流れで文章を構成すると、商品やサービスを効果的に宣伝できるといわれています。
- Problem(問題点を明確化)
↓ - Agitation(問題点を煽る)
↓ - Solution(解決策を示す)
↓ - Narrow down(対象ユーザーや期間を限定する)
↓ - Action(行動を提起する)
初心者でも魅力的なコピーを書くためのコツ
コピーがより魅力的になる書き方のコツをご紹介します。下記のポイントを意識してコピーを作成し、ターゲットユーザーの心をつかみましょう。
ポジティブなトーンで書く
コピーは全体的にポジティブな文章を書くように努めましょう。例えば、「素晴らしい」「絶大な」「進歩」「向上」「上昇」といった言葉です。
また、相手に話しかけるような文章のほうが、対象ユーザーは親しみを持ちやすいです。専門用語はできるだけ避けて、誰が読んでもわかりやすい文章を意識しましょう。
ダイレクトに、シンプルに伝える
ユーザーには、ダイレクトに響くように魅力を伝えましょう。
コツは、読者に何をしてほしいのかが明確に分かる文章にすること、曖昧な表現や不要な表現は排除することです。
例えば、「美白になるためには、○○と△△が必要です」と書かれているとわかりやすいですが、「美白になるためには、さまざまな手段があり、○○と△△以外にも、人によっては、~~」と書いてあると、文章も長く、言いたいことがはっきりとわかりません。
上記のような回りくどい文章は、読者が途中で読むのをやめてしまう可能性もあります。もっと簡潔に伝えることができないか、という点にこだわりましょう。
具体的な数字を示す
具体的な数字を示すのも、ユーザーを引き付ける上で効果的です。
例文として、「お客さまのうち、80%がリピート購入!」「受講者の70%が、たった1週間で50点アップ!」などが挙げられます。具体的な数字があることによって、読者は商品やサービスを購入した後をイメージしやすくなります。
結果を得るためにすべきことを書く
ユーザーが求めている結果を得るために、すべきことを記載するのもテクニックの一つです。
例えば、「美白を手に入れるための3つの秘訣が、これ1本で叶う」「この教材で7つの出題パターンを押さえる」などです。「方法」「秘訣」「法則」「ルール」「パターン」などの言葉を使うのもコツです。
コピーライティングスキルの向上には地道な勉強と努力が必要
コピーライティングのスキルは一朝一夕で身に付くものではなく、コピーライターという職業があるほど、専門性が高いものです。
世の中には目を引くコピーがあふれています。手順を覚えた後は、街中のコピーに注目したり、コピーライティングに関する書籍を読んだりするなど優れたコピーに多く触れて、見識を広めることが重要です。「名作だ!」と感じるコピーを見つけたら、メモ帳にアーカイブしていくと自分が作成する際の参考にしやすいでしょう。また、コピーライティングに関する検定も定期的に実施されています。合格を目指してテキストで勉強したり、試験対策のセミナーを受講したりして、腕を磨いていくやり方もあります。
そして、コピーを作成した後は、PDCAを回すのを忘れないようにしましょう。毎回反響の違いをチェックして改善を繰り返すことによって、より効果的なコピーが完成します。