Webマーケティングの施策で必要なタグを一元管理できるのが「タグマネージャ」です。タグマネージャを使用すると、タグの追加や修正にかかる編集工程を短縮することができます。
タグマネージャにはいくつか種類がありますが、Googleアナリティクスなどと連携しやすいのが「Googleタグマネージャ」です。
この記事では、Googleタグマネージャの導入方法とメリット、Googleアナリティクスを例にしたタグの設定方法について解説します。
目次
Googleタグマネージャの導入方法と使い方
Googleタグマネージャは96.1%という高いシェア率を誇る、無料のタグマネジメントツールです。Googleタグマネージャの導入方法についてご説明します。
タグマネージャ初期設定方法
- Googleアカウントを使ってタグマネージャにログインする
- 初期画面でアカウント名を設定し、コンテナ名を記入
複数のWebサイトを運営する場合、コンテナをサイトごとに分けて管理するため、すぐにわかるコンテナ名にしておくと便利です。サイト名やURLなど、わかりやすい名前で記入しておきましょう。
- 利用規約に同意する
規約に同意したら、「はい」をクリックします。
- Googleタグマネージャをインストール
利用規約に同意すると、「Googleタグマネージャをインストール」という画面が表示されます。
表示されたコード(共通タグ)をサイトの<head>と<body>に指示通りに貼り付けましょう。
特定ページでのみ使用したい場合、使わないページに貼り付ける必要はありません。
Googleアナリティクスの設定方法
- タグを新規作成
ワークスペースから「タグ」→「新規」を選択します。
- タグタイプの選択
「タグタイプを選択」画面で「ユニバーサルアナリティクス」を選択しましょう。
- 「このタグでオーバーライド設定を有効にする」のチェックボックスにチェック
- Googleアナリティクスの管理画面でトラッキングIDを確認
Googleアナリティクスで「管理」→「プロパティ設定」をクリックし、管理したいトラッキングIDを確認します。
「UA」で始まるIDをタグマネージャの設定画面に入力しましょう。
- トリガーの選択で「すべてのページ」を選択
どのページでタグを使用するのかを決める「トリガー」を設定します。
Google アナリティクスでは、計測したいページすべてにタグを埋めるので、「すべてのページ(All Page)」を選択しましょう。
すべてのページを対象とせず、一部でのみタグ設定を行いたい場合は、トリガーを新規で作成します。
- 保存
「保存」をクリックすると設定した内容が保存されますが、この段階ではタグがまだ有効化されません。
- プレビューモード
Googleタグマネージャでは、作成した設定を実行(公開)する前に「プレビューモード」で動作確認を行うことができます。
コンテナ欄の右上からプレビューモードを有効にした状態でサイトにアクセスしましょう。
Webページ下部にタグマネージャの画面が表示され、設定通りに動作しているかどうかを確認できます。
- 公開する
動作していることが確認でき次第、右上の「公開」をクリックしましょう。
管理画面にて設定した内容が反映され、Googleアナリティクスによる計測が開始されます。
Googleタグマネージャを導入する際の注意点
Googleタグマネージャは導入の際にいくつか注意しなければならない点も存在します。導入時は以下の点に気をつけましょう。
どのようなタグも使えるわけではない
Google タグマネージャを導入する上で、「すべてのタグに対応しているわけではない」という点は注意が必要です。ページ構造関係のタグや同期処理が必要なタグ(Google アナリティクスのウェブテストなど)は非対応となっています。
なお、対応するタグ一覧は以下に記載されています。
導入作業に手間がかかる
Googleタグマネージャを導入するためには、タグマネージャのタグを配置した後、サイト内に設置されたほかのタグをすべて外し、設定し直す必要があります。
現在使用しているタグが多いほど、導入作業は煩雑になります。
タグマネージャを導入すると、逆に工数が増える場合もある
- タグを埋め込むサービスを利用しておらず、今後も増える予定がない
- Googleアナリティクス以外を使用する予定がない
上記の場合は導入時にかかる手間が導入するメリットを上回るため、導入しなくても良いでしょう。
既存のGoogleアナリティクスのタグは必ず削除する
正確なデータを得られなくなるため、既存のGoogleアナリティクスのタグ(トラッキングコード)は必ず削除しましょう。二重アカウントや計測不能といった不具合が発生してしまいます。
タグマネージャを使うメリット
ここでは、タグマネージャを導入することによって生まれるメリットをご紹介します。
タグを一元管理できる
タグマネージャを使用すると、どのページでどのタグが稼動しているのかを容易に確認できます。HTMLの編集をしなくても、タグの追加や変更の設定をすることが可能です。
サイトの規模が大きくなると、扱うタグやページが増えて、HTMLの編集作業が煩雑化しがちです。しかし、サイトの規模が小さいうちにタグマネージャを導入すれば、HTMLの編集作業にもそれほど時間を要しません。
サイトの規模拡大を予定している場合は、早めの段階でタグマネージャを導入したいところです。
Webページの表示速度が速くなる
複数のタグを使用している場合、タグマネージャを導入すると読み込むタグがマネージャのコード一つになります。そのため、使用しているタグの種類や数によっては、サイトの読み込み速度が速くなる可能性があります。
ページ読み込み速度が改善されれば、ユーザビリティの向上にもつながるでしょう。
エンジニア以外の人が編集しやすくなる
タグの編集を外部や社内のエンジニアに依頼している場合、タグを確認・変更する度にやり取りする手間がかかります。
タグマネージャを導入すれば、サイトのスクリプト言語を使わなくてもタグの編集を行えるようになるため、エンジニア以外の方でも編集作業をすることができるようになります。
Web担当者が編集できれば工数の削減につながるほか、外部に委託している場合は、依頼していた分の費用を削減することができます。
タグ管理の効率化に必須のツール
Googleタグマネージャは「これからWebサイトの規模を拡大したい」と思っている方には必須のツールです。導入が早ければ早いほど、作業時間や費用の面でのコストを減らすことができます。
立ち上げたばかりのサイトや小規模なサイトであれば簡単に導入できるので、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。