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Webマーケティング

CMSとは?種類別のメリット・デメリットと、選び方のポイント

最終更新日:2022.03.20

Webサイトの更新や管理をCMSで行っている企業や個人の方はたくさんいらっしゃいます。スピーディーに情報を発信できて、コスト削減にも効果的。多くの企業が導入するのも納得です。

ただ、これまでデジタルマーケティングに馴染みの薄かった担当者の中には、「いろんな種類があって、よくわからない」という方もいるはず。そこで今回はCMSの基礎知識やメリット・デメリット、選定方法などを紹介します。

目次

CMSの基礎知識

まずCMSの意味や種類から解説します。特に、これから導入する担当者の方は基本を押さえておきましょう。

CMSとは?

CMSとは、コンテンツ・マネジメント・システム(Contents Management System)の略で、「コンテンツ管理システム」と訳します。一般的にはWebサイト全体のコンテンツを構成するテキストや画像、デザイン・レイアウト情報(テンプレート)などのデータを一元的に保存・管理・更新するシステムを指します。デジタルマーケティングを展開する企業にとって、コンテンツ管理の煩雑さなどさまざまな課題を解決する便利なツールです。

CMSの種類

・オープンソース型CMS

オープンソース型CMSとは、ソースコードがインターネット上で公開されているCMSで、商用・非商用を問わず自由に利用、改変、配布ができることから、世界中で使用されています。世界一のシェアを誇るCMSはWordPressで、2022年3月時点で全世界のWebサイトの約40%以上、CMSの約65%のシェアとなっています。その他には、「Drupal(ドゥルーパルまたはドルーパル)」が知られています。

出典:W3Techs「Usage statistics of content management systems

・パッケージ型CMS(商用CMS)

パッケージ型CMSとは、ベンダー企業が独自に開発した有料のソフトウェア・パッケージを購入し、自社サーバーにインストールするタイプのCMSを指します。組織やチームでの運用を想定した設計になっていて、CMSの基本機能が豊富に揃っているため、大掛かりなカスタマイズが不要なのが特徴です。また、ベンダーが導入・運用をサポートしてくれるのでオープンソースと違って安心して利用できます。

・フルスクラッチ型CMS

フルスクラッチ型CMSとは、構築するWebサイトに合わせて独自に開発されたCMSを指します。ほとんどの場合、開発元のベンダーから有償で提供されていて、自社システムとの緊密な連携が可能となっています。多くの場合、独自の機能を盛り込んで複雑なカスタマイズを行いたいときに開発・導入が検討されます。また、フルスクラッチ型CMSの運用方法はオンプレミスとクラウドの2種類に分けられます。

【オンプレミス】

Webサイトを運営する側がサーバーを用意し、Web制作会社が作成したCMSを導入して運営を行う方法です。コンテンツの編集や管理をオフラインで行えるため、通信障害などが起こりにくいのが特徴です。ただし、サーバーは自社で管理や保守を行うか、サーバーを購入したベンダーに保守を委託することになります。サーバー管理とCMS管理のベンダーが異なる可能性があり、運用管理が手間になることもあります。

【クラウド】

Web制作会社が契約しているサーバーなどでWebサイトを管理してもらい、自社からインターネットを利用して運営を行う方法です。サーバーの管理や保守などの作業をする必要がなく、インターネット環境があれば利用可能なので、簡単に運用できるのが特徴です。しかし、編集や管理はオンラインで行う必要があり、多くの場合は「月額料金」での利用方法を採用しています。月々にかかるコストがオンプレミスよりも高くなる傾向があります。

CMSに向いているサイトとは?

CMSの導入を決める前にメリットとデメリットを押さえておきましょう。CMSに向いているサイトの特徴と合わせてお伝えします。

CMSを導入するメリットとデメリット

・メリット

メリットの1つは、HTMLやCSS、JavaScriptなどの専門知識がなくてもWebページの更新や追加が管理画面から容易にできることです。制作会社に更新作業を依頼する必要がなくなるため、大幅なコストカットにもつながります。さらに、Webサイトの運用を分業できるため、複数人による更新と管理が可能です。例えば、Web担当者や広報担当者、技術者など部署をまたいだ運用もできるため、スピーディーな情報発信が可能となります。また、インターネット環境とブラウザがあればコンテンツ更新が可能な上、統一感のあるサイトやスマホ対応したWebページを生成できることもメリットです。これらのメリットは結果としてコンテンツの更新頻度やクオリティの向上につながり、間接的ながらSEOの効果も期待できるでしょう。

・デメリット

デメリットは、CMSの機能や使い方を学習する必要がある点です。また、デザインに関しても自由度は制限されます。CMSは基本的にデザインをテンプレートで管理するため、LPや特設ページなど通常のデザインと大幅に異なるデザインの設定はハードルが高くなります。

また、セキュリティ面でのリスクも懸念点として挙げられます。インターネット環境とブラウザがあればCMSを操作できる半面、不正アクセスされる可能性もあります。特にオープンソース型CMSはソースコードが全世界に公開されているため、脆弱性を狙われ、攻撃の対象になってしまうことがあります。

CMSの導入に向いているサイトの特徴

Webサイトの更新頻度が多く、リアルタイムでの情報発信を行っている場合は向いています。また、コンテンツを編集・管理する人が部署をまたいで存在したり、Webサイトのページ数が多かったりする場合もCMSの出番といって良いでしょう。逆にページ数や更新頻度が少なく、高度なデザインを求められるWebサイトはCMSにあまり向いていないと言えるかもしれません。高度なセキュリティをかける際も、場合によっては不向きとなるので事前に調べておきましょう。

【種類別】CMSの特徴

CMSの種類ごとにメリットとデメリットが異なります。CMS選定の前に頭に入れておきましょう。

オープンソース型CMS

・メリット

メリットは、オープンソースなのでライセンスの費用がかからないことが挙げられます。詳しい日本語のドキュメント(説明書、仕様書)が揃っていないのを不安に思うかもしれませんが、利用者の多いCMSなら調べる手段も豊富なので、そこまで問題にはなりにくいでしょう。プラグインの豊富さもメリットになります。また、バージョンアップのサイクルが早く、カスタマイズ性の高いこともポイントです。

・デメリット

デメリットとして挙げられるのは、基本的にサポートがない点です。CMSでの運用を得意とするベンダーに依頼することでサポートしてくれることもありますが、費用がかかります。その他の費用や工数の面でも自分でサーバーやドメインを準備したり、アップデートや不具合対応も行ったりする必要があります。また、脆弱性などを狙った攻撃によってWebサイトを改ざんされるおそれもあり、注意が必要です。

パッケージ型CMS(商用CMS)

・メリット

メリットは、ベンダーの手厚いサポートを受けられる点です。アップデートや不具合対応をベンダーが行ってくれると、企業はWebサイトやオウンドメディアなど自社サイトの運営に注力できます。また多くの場合、組織で運用するための管理機能が備わっており、情報を一元管理して業務フローの効率化を図りやすいでしょう。

・デメリット

デメリットは、初期費用やライセンス利用料が必要になることです。特に初期費用に関しては、導入までの下準備をベンダーとともに行う必要があり、高額になりがちです。一方、ライセンス費用はユーザー数やWebサイトの規模に応じて変わるため、運営方針を踏まえて見積もる必要があります。また、プラグインの導入などWebサイトの機能をカスタマイズする度にベンダーのコストと工数が発生することも頭に入れておきましょう。

フルスクラッチ型CMS

・メリット

メリットは、要件定義から開発を進められるため、社内の業務フローに合わせたCMSを開発・運用できることが挙げられます。もちろん、他社にはないオリジナリティのある機能や仕組みを作れる点もメリットです。また、基本的にはCMSのサポート終了などの不安もなく、Webサイト移行のリスクも低くなります。

・デメリット

デメリットは、要件定義からの独自開発なので、導入までの期間や開発費が大きくかかる点です。また、カスタマイズや仕様変更にも工数と費用がかかります。

CMSの選び方

いよいよCMSの選定というときに押さえておきたいポイントをあらためて解説します。それぞれのポイントを踏まえ、導入前にもう一度考えてみましょう。

Webサイト運用の手軽さ、費用

手軽に運用したい場合はオープンソース型CMSがおすすめです。パッケージ型CMSのように商用向けに開発されているCMSの導入には費用がかかりますが、オープンソースはライセンス費用も無料なので、手軽さという点ではぴったりの選択です。また、運用の際もデザインのテンプレートが豊富で初心者に操作しやすい利点もあります。オープンソース型CMSなら、自社で制作したデザインや開発したプラグインも追加可能なので拡張性という意味でも優れています。

サポートの有無

Webサイトの運用体制が整っておらず、その分費用はかかってもよい場合には、サポートが受けられるパッケージ型CMSやフルスクラッチ型CMSがおすすめです。なお、オープンソース型CMSは手軽に利用できる半面、基本的にはサポートが受けられません。CMS自体のアップデートやメンテナンスは自社対応になります。

Webサイトの安全性

Webサイトの安全性を重視するなら、企業のWebサイト構築を想定して作られているパッケージ型CMSや、一定のセキュリティ対策が行われるフルスクラッチ型CMS(オンプレミス、クラウド)がおすすめです。ただし、パッケージ型CMSやクラウド型CMSはカスタマイズできる範囲が決まっているためWebサイトの特色を出しにくいデメリットもあります。この点をそれほど重要視せず、手厚いサポートを受けながら安全に運用したいなら良い選択になるでしょう。

開発の自由度

フルスクラッチ型CMS(特にオンプレミス)がおすすめです。完全オリジナルのWebサイトの開発から運用まで、全て思い通りに実現したい場合は一択といっても良いでしょう。費用や時間、技術者が揃っている企業であれば、なおさらです。自社で管理しやすい機能も自由に実装できて、他社と差別化を図れます。ただし、自社開発でも外部会社でもフルスクラッチで開発する場合は費用や時間が大きくかかるのが一般的です。

CMSの特徴を押さえ、自社の目的に合った選択を

CMSはデジタルマーケティングに欠かせないツールの一つです。CMSにはいろいろな種類があります。各企業の担当者は自社の目的、予算、運用体制などを考慮しつつ、最適なCMSを選択できるよう、それぞれの特徴、メリット・デメリットなどをあらかじめしっかり把握しておくのが良いでしょう。

記事執筆者

Marketing Native編集部

Marketing Native(マーケティングネイティブ)は株式会社CINC(シンク)が運営しているメディアです。 CMOのインタビューやニュース、Tipsなど、マーケターに役立つ情報を発信しています。
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