CMSはWebサイトの作成、運用、管理に便利なツールです。有料のもの、機能性に優れているもの、セキュリティ管理に長けているものなど、多種多様なCMSがあり、その中から自社サイトに合ったものを選定する必要があります。では、CMSを選定する際には、どのような基準があるのでしょうか。
ここでは、CMS選定時のポイントと各CMSの特徴についてご紹介します。
目次
CMSを選定する際に確認するポイント
まずは、自社サイトに合ったCMSを選定する際に注目すべき3つのポイントを見ていきましょう。
サイトの目的をはっきりさせる
CMSを選定する際は、運用するサイトの目的を明確にする必要があります。
各々のCMSによって機能や強みが異なるため、サイトそのものの目的を設定することによって、適切なCMSを選定しやすくなるからです。また、サイト自体の目的が明確になっていると、CMSの導入後も効果的な運用が可能となります。
何を目的でサイト立ち上げ、更新を行うのか、重視する点は何なのかなど、問題点や課題も踏まえて、目標を設定しましょう。
サイトの規模に合っているか
CMSを選定する前に、自社サイトの規模を正確に把握する必要があります。
例えば、データ通信料やトラフィック量などです。大規模なサイトを運用する場合、データ通信料やトラフィック量が膨大になる可能性があります。そのため、サーバーに負荷がかかりやすいCMSを使用すると、ユーザーがサイトへアクセスするのに時間がかかるなどの弊害が生まれる場合があります。サイトの表示速度が遅くなるとユーザビリティも下がりやすく、自社にとっても結果的にデメリットとなります。
セキュリティは万全か、工数に時間をかけられるか
CMS選定時には、セキュリティ管理やサイト構築を行う、担当者のスキルも確認する必要があります。
CMSによってサポートの度合いは異なります。導入するCMSによっては、担当者が自らセキュリティ管理やバグに対応することになるでしょう。
サイトの運用担当者の知識が浅い場合、外部へサポート業務を委託する可能性もあります。そうすると、結果的に想定以上のコストがかかる場合もあり、注意が必要です。
担当者のスキルに応じて適切なCMSを選定し、効率化を図りましょう。
オープンソース・商用・クラウドの違いで選定する
CMSは誰でも利用できるオープンソースと企業向けの商用CMS、クラウド型CMSの3種類があります。ここでは、それぞれの特徴に注目してみましょう。
オープンソース
オープンソースは無料で利用できるCMSです。ユーザー数が最も多いWordPressや、Drupalがオープンソースに当たります。無料の拡張機能が多く、カスタマイズの自由度が高いのも特徴です。
無料で利用できるぶん、注意したい点もあります。
基本的にオープンソースは提供企業からのサポートがありません。そのため、アップデートやトラブルへの対応は、自分たちで行います。ユーザー数が多いオープンソースであれば、トラブルなどに関する解決策の情報量も充実しているため、自身で調べて解決することができます。
商用CMS
商用CMSは使用する上でライセンス料金が必要とされるCMSで、主な例としてMovable TypeやWebReleaseが挙げられます。
有料であるぶん、アップデートやトラブルへのサポートが充実しており、運用者向けのマニュアルが完備され、教育体制も整っています。CMSを提供する企業がサーバーも提供してくれるため、事前に自社サーバーの確認や準備をする必要がありません。
また、CMSによっては、アクセス解析や顧客データベースの管理、メール配信など、Webサイトの構築・運用以外の機能を提供しているものもあります。
ただし、商用CMSはサイトの規模が大きいほどコストがかかりやすいため、費用が想定以上になる場合もあります。長期的な導入を見据えて、コストの算出をしましょう。
クラウド型CMS
クラウド型CMSとは、インターネット経由で利用できるCMSです。商用CMSと同じく、提供企業の運用しているサーバーを利用するため、独自でサーバーを準備する必要がなく、サービス提供企業からサポートも受けられます。代表的なサービスとして、WiXなどが知られています。
商用CMSの利用料金は買い切り型が多いのに対し、クラウド型CMSは月額制または従量課金制のため、イニシャルコストを抑えることができます。
動的CMSと静的CMSの違いで選定する
CMSはサービス内容だけではなく、HTMLの生成方法の違いでも分けることができます。それぞれの違いを見ていきましょう。
動的CMS
動的CMSはユーザーのリクエストに応じて、HTMLを生成するCMSです。
その都度HTMLを生成するため、情報をリアルタイムに表示できます。そのため、検索機能や予約機能、マイページ機能が必要な、求人サイト・物件サイト・会員系サイトなどでの導入がおすすめです。
WordPress、Drupalが動的CMSに当たります。
静的CMS
事前にHTMLファイルを生成し、Webサイトに保存しておくことでサイトを表示させることができるCMSです。
静的CMSは更新頻度が多くないサイトにおすすめで、Movable TypeやWebReleaseが代表例です。
ハイブリット型CMS
ハイブリット型CMSは動的CMSと静的CMSの長所を兼ね備えたCMSです。動的CMSの即時性と、静的CMSが持つセキュリティの高さを兼ね備えています。
ハイブリッド型CMSの一つNOREN6は、静的CMSをベースとして動的CMSの要素が備えられています。ページ単位で動的・静的CMSの切り替えを行えるだけでなく、カテゴリー別などの切り分け方も可能です。
サイトの運営環境を分析してCMSを選定しましょう
CMSを選定する際に重要となってくるのは、サイトの運営環境です。Webサイト運営担当者のスキルはサポートが必要なレベルか否か、即時性の必要なサイトか、サーバーがあるかどうかなどの要素が関わってきます。
自社サイトにマッチするCMSを選定し、効果的な運用を目指すことが大切です。