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中国訪日リピーターの半数以上がコロナ前よりも高い訪日意欲を示す。“アフターコロナの訪日旅行・消費意欲”調査(トレンドExpress調べ)

最終更新日:2022.02.02

ホットリンクグループで、中国を中心とする消費者ビッグデータをベースにクロスボーダーマーケティングおよび越境EC事業を行う株式会社トレンドExpressは、コロナ流行前に頻繁に訪日旅行を楽しんでいた中国の女性消費者600名を対象に、「訪日インバウンド消費」に関するアンケート調査を実施した。

調査内容によると、調査対象者のアフターコロナの訪日意欲や日本での買い物ニーズはいずれも堅調で、インバウンド消費復活の可能性が感じられると言う。新たな体験型観光を求める意向も強く、日中両国の入国時の隔離措置の状況に応じて訪日旅行を決断しようと考えていることもわかっている。なお、中国消費者による現在の日本商品の購買頻度は、コロナ前よりも上昇傾向。“インバウンド消失による日本商品離れ”は起きていない様子とのこと。

この記事では、調査結果の一部と概要を紹介する。

※今回の調査では、「2017年~2019年までの訪日旅行」を「コロナ前の訪日旅行」、「日本が海外からの観光客受け入れを再開する時期」を「アフターコロナ」として定義している。

目次

アフターコロナの訪日意欲と買い物ニーズはいずれもニーズ堅調

アフターコロナにおける訪日意欲は、「コロナ前より訪れたい想いが強い(15.2%)」、「どちらかといえばコロナ前より訪れたい想いが強い(36.3%)」と、半数以上の消費者がコロナ前よりも高い訪日意欲を示している。さらに、日本は外国旅行先としての優先度も、「外国旅行の旅先として最も優先度が高い(48.8%)」「外国旅行の旅先候補としてトップ3に入る(42.8%)」で合計91.6%と非常に高い結果に。旅行の予算についても、「上がる(18.2%)」「どちらかといえば上がる(42.2%)」と約60%の消費者が上がることを想定しているようだ。

また、アフターコロナの訪日旅行において、旅の主目的を「買い物」に置く意向の消費者は40%を超えており、訪日旅行の買い物ニーズは底堅いとのこと。一方で、「買い物とそれ以外を50%ずつ」という回答者も約40%おり、訪日旅行に対する気持ちの変化も見られる。

訪日時に買い物したいカテゴリ、トップは化粧品

コロナ前の訪日時に購入していた商品カテゴリと、アフターコロナの訪日時に買いたい商品カテゴリを比較すると、依然としてニーズが高いのは化粧品だ。近年は中国でも自宅でのセルフヘアカラーが注目されており、越境ECで日本のヘアカラー商品が人気であることもポイントアップにつながったのでは、と推測されている。

化粧品に続いてニーズが高いのが、革製品とOTC医薬品(一般用医薬品)。革製品は欧米の高級ブランド品の購入ニーズも含まれているようで、中国で購入可能な商品であっても、「偽物のリスクが低く、接客サービスに定評のある日本で買いたい」というニーズの表れと見られている。さらに、日本の中古ブランド品について「保存状態が良い」との理由から注目されていることも影響している可能性があると言う。

OTC医薬品は、中国消費者による訪日消費が過熱し始めた2016年頃から人気のカテゴリ。一部の風邪薬や胃腸薬が「神薬」と称されたが、現在でも家庭の常備薬としてニーズがあるようだ。

※選択肢「化粧品④」はヘアケア、ボディケア、オーラルケアなどを含む。

アフターコロナの訪日スポット、注目度が高まっているのは中部地方

コロナ前によく訪れていた場所とアフターコロナに訪れたい場所を比較すると、いずれもトップは「東京」だが、今回の調査対象者が訪日リピーターということもあり、東京以外のスポットを楽しもうとする意向も見られる。

アフターコロナの訪日旅行先として特に関心が高まっているのは中部地方だ。北陸地方のポイントも上がっていることから、東京ー関西間を巡る“ゴールデンルート”に続く新たな訪日旅行ルートとしてコロナ前に話題になった”昇龍道”(※)への注目は健在と言える。

※昇龍道:中部・北陸地方を縦断する観光ルート。そのルートが龍のように見えることから昇龍道と呼ばれている。

アフターコロナの訪日旅行でやりたいことは体験型観光の人気が上昇

コロナ前から”モノ消費”から”コト消費”への変化が注目されていたが、アフターコロナの訪日旅行ではその流れがさらに加速しそうな様子だ。コロナ前の訪日時に行っていたこと、アフターコロナの訪日時にやりたいことに関する調査では、「自然体験・農業体験」「日本の歴史・伝統文化体験」「アウトドア体験」「音楽イベント参加」「ウィンタースポーツ体験」といった項目のポイントが伸長。グランピングやウインタースポーツは、中国国内でも注目されており、「よりサービスや環境が充実した日本で楽しみたい」との意向がうかがえると言う。

買い物への意欲も依然高い。ショッピングに関する3つの選択肢はいずれも30%以上と他の選択肢よりも比率が高く、訪日観光の楽しみの大半が依然としてショッピングに占められていることがわかる。

ただし、調査の対象者が訪日リピーターということもあり、百貨店や空港、ドラッグストアなどの主要スポットでのショッピングはポイントダウン。「エステ・美容室体験」のポイントが上昇していることをふまえると、例えば「百貨店で目当ての商品を買い回る」などの行動より、「エステやカウンセリングによって、ブランドの世界観を体験しながら、商品も購入する」といったスタイルが好まれるのでは、とのこと。

日本商品の購買頻度はコロナ前よりも上昇傾向

コロナ前(2019年以前)と比べた、現在の日本商品の購買頻度については「上がった」「どちらかといえば上がった」という回答が合計で約45%になっている。「変わらない」と答えた回答者は約46%であることから、懸念されていた“インバウンド消失による日本商品離れ”は起きていないと言えそうだ。日本企業各社が中国市場に本格進出し、越境ECへの取り組みも積極化していることが、一定の成果を上げていると考えられると言う。

ただ、企業ごとに中国市場への注力状況は異なり、中国市場および消費者のトレンド変化は早いため、中国消費者から支持される具体的な商品については、コロナ前と現在では変化している可能性があるとのこと。

【調査実施概要】
トレンドExpress調べ
調査期間:2020 年 12 月
調査対象者:2017 年~2019 年まで毎年訪日旅行をしていた 20 代~40 代の中国人女性で、以下の都市(*)の在住者合計 600 人
*上海市、北京市、杭州市、天津市、広州市、蘇州市、福州市、青島市、長沙市、重慶市
※2021 年 1 月 中国国家統計局発表「中国 31 の省・自治区・直轄市の住民可処分所得ランキング」上位 10 都市を対象とした
調査方法:オンラインアンケート
調査主体:トレンド Express、数慧光(上海)商務諮詢有限公司(Trend Express China)

各種グラフの詳細PDF(クリックするとPDFをダウンロードします)
トレンドExpress、「インバウンド消費」に関する調査結果を発表 ~中国訪日リピーターの“アフターコロナの訪日旅行・消費意欲”調査~

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