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テクノロジー

IoTの活用事例|マーケティングにおける活かし方とは?

最終更新日:2022.05.20

IoTは「Internet of Things」の略で、訳して「モノのインターネット」といわれています。近年は企業による活用事例も多くなっており、家電や自動車、工場機器など、さまざまなモノがインターネットとつながり、収集されたデータが課題解決に役立てられています。

この記事では、IoTを活用している主な業界の例と、マーケティングに活用するメリットと事例をご紹介します。

目次

モノをデジタル化するIoTとは?

IoTの意味する「モノ」には定義がありません。冷蔵庫やエアコンといった身のまわりのモノだけでなく、工場の機械、照明など、あらゆるモノにIoT技術を活用できる可能性があります。

IoTができること

IoTによってできることは主に3つに分けられます。(1)離れた場所にあるモノを操作すること、(2)備え付けたセンサーによってデータを取得すること、(3)モノ同士でデータを送受信し、クラウドサーバーなどに集めることです。

※イメージ

光を読み取るセンサーや加速度センサー、顔認証など、センサーによって取得されたデータは、インターネットを介してクラウドに蓄積されます。蓄積されたデータは人工知能(AI)などが分析し、その結果に基づいてモノがアクチュエート(actuate:作動させる、働かせる)します。例えば冷蔵庫であれば購入が必要な食品を表示したり、一人暮らしの高齢者向けに開発されたコンセントであれば不自然な消費電力を検知してメールで知らせたり、電源を自動でオフにしたりといった具合です。

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IoTを活用している主な業界

医療

睡眠状況や心拍数、体温などを記録できるウェアラブルデバイスによって、着用した人の健康状態を管理するものが多く登場しています。異常を検知した場合にアラートを出すものもあり、重篤化を防ぐことができます。

農業

IoTを用いて効率化を図る事例が多く見られます。例えば、ケニアのIlluminum Greenhousesが提供しているプロダクトは、グリーンハウスを遠隔で管理し、センサーからの情報をもとにグリーンハウス内の温度や湿度を調節したり、土壌の水分量から与える水の量を調整したりすることができます。

製造業

製造業でも積極的にIoTは導入されており、業務の効率化や人件費などのコスト削減が図られています。工場に設置されている機械や倉庫の棚などにセンサーを組み込み、収集したデータを可視化することにより、システムの異常をいち早く察知したり、製品の生産数を計測したりしています。

物流

イギリスやアメリカ、ニュージーランドなど、世界各国でドローンによる配達が試験的に行われており、宅配が困難な地域にも荷物を届けられるとして期待されています。そのほか、倉庫にセンサーを導入し、在庫管理を行うといった活用例が知られています。

IoTをマーケティングに活用するメリット

IoTは利便性や操作性の向上、効率化だけでなく、マーケティングに関連する効果も期待されています。収集したデータをどのように利用し、何を解決するかが大切です。

幅広いデータを収集できる

IoTでは、これまでデジタル化されていなかったモノからもデータを得られるようになり、活用することができます。例えば、ユーザーが商品を使用する頻度や主な用途、ユーザーの行動や購買のパターンなどです。集めたデータを分析すれば、ユーザーの気持ちや行動に沿った的確なマーケティング施策を行うことができます。

個人に合わせた提案ができる

IoTで収集したデータを利用して、特定のユーザーが興味を示すメッセージを送信することも可能です。例えば、位置情報を利用して、ユーザーが店舗へ近づいた際におすすめ商品のメッセージを送付したり、購入記録をもとに商品を提案したりといった活用法が考えられます。

また、IoTのデータを分析し、ユーザーの需要をより正確に把握できれば、企業は需要に合わせた最適な供給を行えるようになります。過剰な供給をなくし、商品の売り上げを向上させる効果が期待できます。

マーケティングにおけるIoTの活用例

ここでは、IoTをマーケティングに活用している例を2つご紹介します。

自動車の記録データをもとに適切な保険料を提案

自動車保険の料金は、運転歴や免許の種類、運転者の年齢・住んでいる地域などによって設定されているのが一般的です。海外では以前より、運転者が安全運転できるかどうかで料金の異なる保険商品が販売されており、同様の保険商品が日本国内でも2017年に登場しています。

国内で販売されている保険商品は、車載通信機から取得されたデータをもとに、保険料の割引額が変化します。収集されるのは、アクセルやブレーキの操作状況、自動車の運転速度などのデータです。データをもとに安全運転のスキルを評価し、評価点数と走行距離に応じて保険料の割引額が設定されます。安全運転を行うドライバーほど保険料が安くなる仕組みとなっており、個人に合わせた適切な価格で商品が提供されている事例です。

IoT時代に対応したデータ経営2.0の促進 経済産業省

IoTデータの活用で設置場所ごとに商品を最適化

IoT自動販売機では、無線通信機によりデータが授受され、商品の売り切れや機械の故障といった状態をリアルタイムに把握することができます。また、販売データをもとに、設置場所に合わせた商品を提供することも可能です。スマートフォンアプリと連携可能なIoT自動販売機もあり、ポイントを付与したり、クーポンを発行したりすることができます。自動販売機で商品を購入すると、消費者のスマートフォンに周辺の店舗で利用できるクーポンが送付されるというものです。

上記のように、IoT自動販売機では、販売商品を最適化し、消費者にリピーターになってもらうための仕組みが取り入れられています。

IoTは収集したデータをいかに活用するかが大切

IoTの登場により、企業が収集できる情報は質・量ともに高まっています。活用する上で最も重要なポイントは、IoT技術で得られたデータをどのように利用し、どんな課題を解決するかです。IoTを活用した新たなビジネスの創出が、今後も各業界で期待されています。

記事執筆者

Marketing Native編集部

Marketing Native(マーケティングネイティブ)は株式会社CINC(シンク)が運営しているメディアです。 CMOのインタビューやニュース、Tipsなど、マーケターに役立つ情報を発信しています。
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