「メルカリが最近、興味深い施策を次々と打ってくるな」と感じたことはありませんか?折り込みチラシに90年代アップデート、「三日坊主」応援キャンペーンなど、若い世代が愛用するイメージが強かったサービスだけに、ある種の「違和感」を覚えている人もいるでしょう。
施策立案の背景には、何があるのでしょうか?本当に効果が出ているのでしょうか?
今回は株式会社メルカリ執行役員CMOの村田雅行さんに話を聞きました。
(取材・文:Marketing Native編集部・早川 巧、人物撮影:稲垣 純也)
※内容、肩書ともに2019年5月当時。
目次
急速な変化と組織拡大の中で就任したCMO
――村田さんがメルカリのCMOに就任したのが2018年8月。すでにフリマアプリとしては圧倒的な存在であり、「メルカリエコシステム」を築きつつある中で、プロダクト、業績ともにさらなる成長と拡大を求められるCMOの職責を担うのは、期待と不安、ともに大きかったのではないでしょうか?
わくわくするような期待感でいっぱいで、不安はほとんど感じませんでした。入社したのは設立5年を迎えて、上場を果たした直後のタイミングであり、そこでマーケティングの次のステージを担う役割を任せていただけるのは、とてもありがたいお話です。
――新卒で楽天に入社された後、オンラインスクールの運営などを手掛けるキラメックス社を設立し、代表取締役を約10年務められたとのこと。その間、マーケティングに関してはどのような形で学ばれたのでしょうか?
楽天を2年で辞めて会社を設立しましたので、教科書からではなく実践で学びました。会社設立当時はお金もありませんでしたから、少ない資金で大きな成果を得るにはどうすればいいか、どう改善すればお客さまに使っていただけるプロダクトができるかを常に考え、工夫しながら身に付けてきた形です。
――外から見ていたメルカリとCMOに就任して中から見たメルカリ。何が違いますか?
フリマアプリ「メルカリ」はリリース当初から愛用しています。「出品したらすぐに売れた」「“本当に購入する人いるの?”という物まで売れた」という秀逸な顧客体験をもたらすサービスの本質は一環していて、自分にとっての不要品が誰かに必要とされる仕組みは素晴らしいと思います。
また、内側から見た会社の印象ですが、入社時にはすでに上場していたものの、現在もベンチャーから急速に組織を拡大している一種の「カオス」のような段階にあり、やりたいこと、やるべきことに満ちあふれた、アグレッシブでエネルギッシュな勢いを強く感じます。
楽天時代も急成長する勢いを肌で感じていましたが、実は当時の楽天が入っていたオフィスが、今メルカリがいる六本木ヒルズ森タワーの18階なんです。
――そうなんですか!それは偶然ですね。
はい、お誘いいただいたときに「10年ぶりに同じフロアで仕事をするなんて、運命的だな」と感じました。今のメルカリでも楽天時代と同様、目まぐるしい変化と急速な組織拡大を目の当たりにしています。確かに成長痛もありますが、1つずつクリアにしながら大きくなっているところです。
画像出典:メルカリ
認知度向上から新規ユーザーの獲得・育成へ
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